スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

553

〈うたたねにこひしきひとをみてしよりゆめてふものはたのみそめてき〉
(古今553)

夢に出てくるのは、相手が自分のことを想っているからだ。
という理屈をながらく消化できずにいたのですが、いざ己の夢のなかに意外な人物が登場するとこれが結構どきどきしてしまうものなのですね。
いつのまに夢に現れるような存在になっていたんですか? という戸惑い。
意外だからこそ相手に原因をゆだねたくなるというか。かの頃の人々が同じように考えていたかどうかは解りませんが……。
まあそんな意外な人の夢からこの日は始まったわけですよ。


出張も最終日です。
今日は同期の子も二人応援に来てくれる日で、そのうちの一人と朝は待ち合わせ。
彼女は自由にのびのびと話す人で、この日の朝も急に手を握られてびっくりした。
私たちはタイプが似ていると言われていたけれど、近くで見ていれば、あるいは少し離れれたからなのか、今は全然違う性質だと感じるし、それを良い意味で受け止めることができる。

どうしようが私は今夜のバスで帰って明日の朝むこうで出勤しなくてはいけないので、今日は定時きっちりに作業を終わらせることが最大の目標です。
朝の会話も少なめに黙々と作業に入る。

どんなことをしていてもその過程で作業の進捗具合をはかり、想定の時間内に終わるかどうかを察する瞬間があって、私の場合、大抵は予定をオーバーする感覚のほうが(つまりは間に合わないということですネー)多いのだけど、今回はちょっと違っていてなんとなくいけるかもという手応えを感じていた。ホントだよ!

お昼ごろに目下最大の作業がなんとか終わって、ごもごもとご飯を食べて、糖分もとりました。チョコレートは偉大。

そのあとは細かい仕上げを色々として、あがりの時間ちょっきしに何とかかんとかぜんぶ終わる! ほっ。

みんなはじめは名前も知らなかったのだけど三日間いればそれとなく覚えて話もして、でもさっと帰る、みたいな。
久しぶりにそういうイベントらしい雰囲気も楽しめてよかったのでした。

私は人見知りするほうなのでご飯とかも最初の日は一人で食べようとしていたり(結果上司の人が輪のなかに呼んでくれる)、最終日の帰りもこそこそ一人で帰ろうとしていたのだけど何故か別の上司にあたるかたとご一緒させてもらうことに。
けっこう(だいぶ)緊張してしまったけど、話してみないとわからないこともありますよね……。

この三日間、ちょっと縁のある上司のかたもこられていて、しばらくぶりにお話できて嬉しかった。帰りがけにさっと声をかけてくれて、それが通りがかったからの一言なのか気遣いなのかはわからないけど挨拶できてよかったです。自分からしろよって話だな……。

「もう京都行きたくない」と駄々をこねるほど憂鬱だったけど、来て気分転換もできたし色々といい意味でちょっとだけわかったし、もやもやしたまま香川にいるよりはきっといくらかすっきりできていると思う。

途中の駅でぎこちなくお礼とさようならを言って、あとは一人で帰路につく。

橋を渡って帰ってくるときに見る港町が知らない場所のようだった。


「もし京都に転勤になったらそれはハッピーなことじゃない?」とある人に訊かれたけれど、それはまた違うような気がする。気が、する。

帰りは駅からバスに乗るんだけど、最後のひとりになれなくてちょっと悔しかった。


この巻を猛烈に読みかえしたいのに部屋から消失してしまった……

「丸の内サディスティック」を駅のホームでずっと聴いていた
前の記事へ 次の記事へ