日記参号

どうにも調子が狂うなあと思いながら、早めに朝食の片付けをした後は頭を洗って、録り溜めしていたアニメを30分ほど見て、11時も間近になろうかという頃合いに暖かな天気に誘われてぶらっと家を出ました。

うわあ暖かすぎる。薄手のジャケット一枚で充分です。春コート着ていこうかとか思った自分の頭に喝。ジャケットに変えて良かったです。

同じように天気に誘われて出た類いなのか、予想外に混む電車で本読んだりうつらうつらしたりしながら上野へ。

やあ、花見客が山盛りでした。別に何を見ようという意識もなかったものを、来た途端にどうせだからダ・ヴィンチ展でも見てこうかと。で、どうせだから桜見ながら行こうかと。
いやすげーすげー。人の頭の波。
別の道使えば良かったんだろうけど、せっかく来たんだから桜を見たいじゃないか！そうすると東京国立博物館の真ん前に出る太い道が一番良い。

桜見ながらうらうら歩いて、ダ・ヴィンチ展を観てきました。外にまで人の列が出ており、20分待ちといううんざりするような数字を突き付けられましたが、意外にあっさり入れました。ああ、第一と第二会場に別れてるんですね。

第一にはかの有名な「受胎告知」が贅沢に一点のみ。
うーん凄い。何が凄いってわからんが、凄い。雰囲気とか筆の使い方とか、多分それだけではないだろうけど。賛辞を受け付けない、一段違った絵。
……そうは言ってもダ・ヴィンチで好きなのって絵じゃないんですけどね。（…）

第二はダ・ヴィンチの絵や作品に込められた意味、ダ・ヴィンチの思考を掘り下げる展示でした。
あーこれこれ。こっちの方が好き。好きなのに説明文が小さすぎて読めねえっつうの……！眼鏡装備でも読めないって厳しい。いやもう、気合いで読みました。
「ウィトルウィウス的人体図」や「受胎告知」などの作品をダ・ヴィンチが残した手稿から科学的に見ていく、方向性としては美術品というよりもダ・ヴィンチの思考を糸口にして見せていくような感を受けました。博物館みたいです。馬の鋳造、人体の構造に関するメモ、人間が運動する際の重心の移動、筋肉の動き、表情の表現……中でも老人と若者では顔形も血管や臓器類の形も変わるという点や、風景には空気の層による視覚変化があるという点には驚いた。

特に後者なんかは「モナリザ」や「受胎告知」での背景にもあるように、物体との距離が開けば開くほど、その物体には青白色がかかったように見える、という。

言われてみればなるほど、な事をダ・ヴィンチは持論とそれを証明するだけの科学的な検証を用いて手稿や作品にして表していると思いました。
生粋の芸術家というより科学者かな。

とにかく目がいいんだと思いました。
物体を物体としてだけ見て作品にするのではなく、そうする一方で動きや法則性を見い出すだけの「目」を持っている。

そうして突き詰めるだけの情熱も持っていて、ぶっちゃければオタクなんでねえのと（…）。あの熱中ぶりはオタクに共通するものが。
言い方悪いか。学者肌とでも。
しっかしディープだ、ダ・ヴィンチ……深い深い。うっかり踏み込んだら逃げられない。

終始、感嘆の息をもらしつつ、第二会場を後にしてミュージアムショップへ。
そこでずっと狙ってた「暁斎妖怪百景」多田克己 編と、絵はがきを購入。「北斎漫画」にも心引かれたけど値段がな……！二冊だぜ二冊。でもいつかは手を出したいところ。歌川国芳のクリアファイルも可愛かったなあ。一番後ろ髪引かれたのは「鳥獣人物戯画」の麻布ブックカバー。ブックカバーなのにいい値段取るんですな……涙で前が見えねえよ。

ダ・ヴィンチ展の図録は悩んだ結果、買いませんでした。どこまでも脇道まっしぐら。

帰りも桜を見ながらぶーらぶら。途中ですっげスタイルのいい外国人のお姉さんに目を奪われつつ、一方で明らかにアラブ系の顔形をしてらっしゃる方々がテレビカメラらしき機材で桜を撮っているのを眺めつつ、上野公園を出ました。
ついでに上野の古本屋に寄ったらば、カバー入りの「のらくろ」の漫画を発見。

ああさすが……以前、変な特撮ヒーローの人形を売ってただけあります。誰か買ったんだろうなあ、なかったから。
……誰だろう……。

不忍池にでも足を伸ばしたかったんですが、目が限界で大人しく帰りました。

穏やかな一日を過ごせました。
やっぱ一人だとご飯食べないもんだわ。面倒で。

日記を変えてみました。変えてみたところで早速七万打ありがとうございます。

ちょっと出掛けていたもので、出先でふらっと見たらまあ越えてるじゃないのと。

自己満足のマイペースサイトではありますが、ここまでどんぶらこと漕ぎ着けたのも、見捨てずお付き合い下さる皆さんのお陰です。
そうそう、そこのあなた。あなたのことです。

申し訳ない話、何も用意していないのですが、感謝の言葉に変えて。


本当にありがとうございます。改めて、これからもよろしくお願い致します。

どんな案配ですか。

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