嵐「……しろよって話らしいが。出来ないだろう、俺たちじゃ」
明良「まあ出来ねーな。春休みに夏休みに秋休みに冬休みの四連コンボ」
嵐「活動記録は何もなし。来年何かしら出来ればいいほうだと思っている」
明良「オレらから引き出そうってのが間違いじゃね?」
ギレイオ「ちったあやる気を見せろ!!」
明良「えー? もう休み癖ついちゃってさあ。お陰で寺の仕事もはかどるはかどる……うん、はかどる……」
サムナ「目が遠いな」
嵐「道楽させてやるほど寺も暇じゃないってことだ。お陰で仕事を覚えられていいじゃないか。俺がやってたやつだが」
ギレイオ「前言ってた倉のってやつ? こいつ出来んの?」
嵐「整理整頓なら子供でも出来ることじゃないのか」
明良「あの量パねぇから! それをオレ一人に任すとか阿呆じゃねえかあの親父!!」
嵐「それを無償でやらされていた俺は何だ」
明良「お人好し」
嵐「ふざけんな。……反面、そっちは忙しそうだったな」
サムナ「反動のように慌ただしかったな……来年もしばらく忙しいようだが」
ギレイオ「ちょっとは休みたい。死ぬ」
明良「休み癖ついちまうとなー働くのめんどくさいよなー」
サムナ「あまりギレイオを唆さないでくれ」
嵐「守銭奴的には稼げて万々歳じゃないのか?」
ギレイオ「労働時間と代償が大きすぎて、収入なんか毛の先ほどもねえわ」
サムナ「まあ、これだけ派手に壊して回れば、賠償金も高くつくだろう」
ギレイオ「お前も同罪じゃねえかコラ。他人事みたいな顔してんじゃねえ」
サムナ「生まれた時から、これ以外の顔の持ち合わせがない」
明良「壊した物の弁償してたわけ?」
嵐「お前にしては殊勝な」
サムナ「逃げられなかった場合に関してだがな」
嵐「逃げるのか……」
ギレイオ「当たり前だろ! いちいち殊勝に払ってたら心臓がもたねえし」
明良「はー、修羅の道。……主にお金の」
ギレイオ「はーー……。来年はちょっとはまともに稼ぎたいわー。今は忙しすぎてそれどころじゃねえし」
サムナ「おれも身辺が落ち着けばいいと思っている。時間はかかりそうだが」
ギレイオ「主にお前の身辺がわちゃわちゃしてんのが問題なんだよ。人畜無害みたいな顔しやがって一番のトラブルメーカーじゃねえか」
サムナ「これ以外の顔の持ち合わせがない」
ギレイオ「……もういい……」
明良「金の話ばっかりで汚れてんなー今年」
ギレイオ「発端はてめえだろ!? それより、そっちはまだ暇なのかよ。働けよ」
嵐「やりたくてもやれない。まあ、来年は一つの節目だし、何かしらはあると期待しとこうか」
明良「そっちが片付かねえと、何も始まらねえからな。よっ十年選手」
ギレイオ「ベテランが何言ってやがりますか大先輩様よ」
明良「オレらはのらくらやってる隠居じじいみたいなもんよー。あ、じじいは例えで」
ギレイオ「知るか!!」
サムナ「……それで言えば、もう一人ベテランがいると思うんだが」
ギレイオ「……」
明良「……」
嵐「……」
サムナ「……」
嵐「……逆鱗には触れないにこしたことはない」
明良「……ここで話せるありがたみを噛み締めつつ合掌」
嵐「来年はお前たちの方が落ち着いたら、新しく犠牲者が来るか俺たちの長期休暇が終わるか。わからんな」
ギレイオ「新入り来んの?」
嵐「全部、予定だけどな。去年もそんな話をしただろう」
明良「したような、してないような」
嵐「おい」
ギレイオ「あの気弱そうな奴? なんかほっとくと死にそうな?」
嵐「……だいぶ間違った第一印象だと思うが、多分同じ奴だな……」
ギレイオ「そっかーあいつやっと来るかもしれねえのかー。へー」
明良「新入り楽しみだなあ」
サムナ「……笑顔が邪悪だな」
嵐「こいつら……」
ギレイオ「楽しみも出来たことだし、こりゃ来年は頑張れそうだなあ」
嵐「変な張り合いを与えちまったか……悪い」
サムナ「いや、いつものことだ」
明良「まあまあ、来年は一つの節目の年だし、何かしらあるといいよな。助けてください企画も、なんやかんやで色々聞けてるみたいだし」
嵐「本当に他力本願な……」
ギレイオ「センスねえ名前だなー……」
サムナ「大きく動くことは出来ないだろうが……まあ十年だからな。ただ、期待してくれとも言えないが」
嵐「来てくれる人がいるだけでありがたい」
明良「十年目にして閉鎖したりしてな」
ギレイオ「……」
サムナ「……」
明良「……あれ?」
嵐「また余計なことを……」
ギレイオ「締めの挨拶に言うか普通……」
明良「冗談だから! 冗談! ね!?」
サムナ「そうそう無いことと思うがな」
明良「ほら!!」
嵐「まあ、無いことを願ってお開きにしようか。ほら挨拶」
サムナ「今年はお世話になりました。来年もご迷惑をおかけすることと思いますが、引き続きお付き合いいただければ幸いです」
ギレイオ「……今、俺の方見たろ」
サムナ「気のせいだ」
ギレイオ「……。また来年もよろしく」
明良「オレらも少しは表に出れるといいよなっていうか主にオレ」
嵐「本音がだだ漏れてるぞ。お前、寺の仕事から逃げたいだけだろう」
明良「見聞を広めに行きたいです」
嵐「……」
明良「……人に仕事を押し付けないようにしたいです……」
嵐「よし、来年の抱負が聞けたな。本年もお世話になりました。こんな案配ですが、来年もよろしくお願いいたします。それではよいお年を」