スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

【ONE PIECE】上/お題/ゾロ

側にいない時でも
お互いに考えてる事が一緒というのは

後で知ると嬉しい。

くすぐったい位の気持ちになる。


世の中にはついてもいい嘘があると 私は思ってる。

勿論ウソップみたいな嘘はとても素敵で好きだなぁ、と思う。


あの人はそんな嘘ついた事あるのかな…?











風が靡くカーテンと一緒にチェックしていたカタログのページがペラペラとめくられる。



「あ〜いい風。」


今日は久々にゾロに稽古をつけてもらって一汗流していた。

闘いで鈍る筈のない身体だけど、やっぱり常に鍛えていないとこの船に乗る一人としては務まらない訳で。
そんなこんなで数時間夢中になっていた。


そんな中ナミがロビンとお茶をしながら会話しているのを聞き逃さなかった。

「3.4日位後にこの島に着きそうなの」
「そう、あ、この島気になってた所よ」

海図に二人で指を差して見ている姿を。






―――――そう、もうすぐナミの誕生日。

内緒でプレゼントを買いに行きたいと思っている…

…だけど


船番に当たってしまうと計画ですら消えてしまう。

だから思いきってゾロに話してみる事にした。





「だけど、ゾロはYESと協力してくれるかな…」



「何が」



帰ってくる筈のない返答が後ろから聞こえて
咄嗟に後ろを向くと

私の髪を掴んで


キスをした。



珍しい事をされると言葉を失ってしまう。


「真っ赤」

「…珍しい事するから」

「髪おろしてるの珍しいからよ」

「シャワー浴びようと思って」


聞かれてしまった事を触れないように次の言葉を考えていたら

「隠すつもりか?」
「わっ、ゾロ…」


腰に手を回して簡単にゾロの中に収まる私。

違う、こんな事してる場合じゃないんだって。


ゾロのペースにならないように口を開いた

「あのね、協力して欲しいんだけど…」

上半身何も身につけていないゾロ。


駄目、ゾロのペースに巻き込まれたら計画が水の泡。



必死に赤面を隠すけど

―――――この人の気持ちを受け取らない訳には いかない。





唇が触れて離れたその刹那


「あのね、プレゼントを買いたいの」

「プレゼント?」


予想しなかった言葉と慌てふためかないお前。

真剣だけど、赤面のまま…




―――――誰かへのプレゼントは何となく判る。

胸板に顔をうずめて

「付き合ってくれる…?」






一瞬告白みたいでドキ、としたのは内緒だ。



「…どうやって二人で抜けるんだ?」

俺を見上げるとぱっと顔が明るくなって。
…こうなったらとことん付き合うか。




「ゾロは嘘ついていいと思う?」

「あァ?ついていい嘘ならいいんじゃねェ?」

「うん…もしバレた時喜んでくれるのか考えてたんだけど…」

不安そうな顔



「お前なら喜ぶ筈だ。」

腕を強くして引き寄せる。



「ゾ、ゾロどうしたの「お前らしくねェ」

「…そうだね、やるならちゃんとやらなきゃ逆に怒られちゃうね」


笑顔にほだされた事実を隠すように

「で、どうすんだ?」

「うん、あのね…」







**********




「みんな―!もうすぐ島に着くわ!船番を決めたいんだけど!」

ナミの声が響いてドキ、とする。


大丈夫、動揺しないようにしなきゃ。


甲板に集まりだすクルー。
ゾロと一瞬目を合わせて決心をする。



「ナミ、あのね」
「ん?どうしたの?」

短刀を見せた所持の形でいつもと違うと気付くナミ。
「この島、剣使いの賞金首がいるの、それで狙いに行きたいんだけど…」

「え、それ本当なの?」
目がベリーになり、ロビンに話そうとするナミ。

ロビンの視線がどうやら意図なのに気付いたみたいで



ロビンを見つめて『すぐ終わるから』

笑ってゾロにも視線を送ってくれた。



うん、決行だ。




「じゃあ、気を付けて…ってあれ?あの子は?」


ナミが気付いた頃にはあいつは船を降りていて。


俺も戦闘モードの恰好で船を降りる。



後は数分後にあいつと合流するだけ。




あいつに気付かれないように鍛冶屋を探しに走り出した。







To be continued.
【ふたりのうそつき】
2011.6.24

【ONE PIECE】お題/ゾロ/STRONG WORLD編

「どうした」

「う、うーん…見慣れないのにどうしても見ちゃう。」






ナミが気を失って、医療室に運びこまれて
ルフィが側に着いて数時間。
チョッパーが「峠は越えたから、後は船の事を頼むよ」


そう言ってまた医療室へ戻った。



幸い海は穏やかに戻り、先程までの戦闘の興奮も冷めやらぬまま
誰も戦闘服を脱ごうとはしなかった。


「ネクタイまで似合い過ぎ」
黒いスーツにネクタイ。
ドキドキせずにはいられない


「あァ?褒めてんのか?」

緩く締めてあるネクタイに視線をかけて
近付く


「私はどちらかというとカッコ良くはないもの。」


ロビン、サンジ、ウソップは
「似合う!」
と絶賛だったけど、一度はカッコ良く着てみたい心境が崩れた瞬間でもあった。



シンプルなレース調のシャツに十字架の刺繍入りネクタイ。
ミニスカートにロングブーツ。
ジャケットを羽織ると

「お、お前似合ってんな〜」

ルフィにまで。
結構複雑だった。



小さい背丈の私にはナミみたいにロビンみたいには着れないから。

目の前のゾロを見ると余計



「…別に可愛くったっていいだろうが」

「へっ?」

ゾロから距離を縮められて
言葉の理解をしてる間に


「俺はお前がいい」
簡単に貴方の腕の中。


「…似合ってんだから、いいじゃねェか」


スーツのせいなのか普段言わないような事言うんだから



思わず目の前にあるネクタイに手を伸ばして

きつく締めたんだ。



「うっ、ちょ、お前…」

「もう、ゾロに言われたら許しちゃうじゃない!」








【ゆるやかな拘束を。】
2011.6.17

【ONE PIECE】お題/ゾロ/下/裏要素有

この切なさも ずっと 大事にしよう。




「痛むか…?」

この人が隣にいる限り。


激しさの中に必ず優しさがあって。
いつも泣きそうになる。




「ううん、大丈っ、あっ」



不寝番の私とゾロ。
今日はいきなりキスをした。


嬉しいけど
ゾロらしくもなくて、後で聞いてみようと脳裏で思いながらゾロを受けとめる。


判らないように服で隠れる場所に
熱く 愛の有る印をつけてくれる。



今日は何だか痛んだ




「んっ…」



どんなに痛んだって 構わない。


貴方の気持ちで形成された印ならば。





見張り台には 二人しかいない


狭い中で二人の世界


彩られる二人の世界。



刹那



海賊である事を忘れるには充分すぎる。






ゾロが何か言いたげな表情をするのを見逃さなかった。

上にいるゾロ
胸板に手を当て

「今日…もしかして聞いてた?」


視線を泳がせ

「…あァ。」


くすぐったい、私だけが見れる一瞬。


熱が教えてくれる。

嬉しいのに



「笑ってんじゃねェよ」


性格が素直にさせてくれない。


「んっ」


熱さが深くて 溺れそう。




宙をさまよう両手が大事に掴まれた時には

もう



痛む傷さえ



「悪ィ、余裕ねェ」




判らなくなる。




溶けて 元に戻る


でも 自分の意志は自分で決めるから。


決して 離れるつもりはないのだから。






**********



流れていくのが惜しい位の流れ星。


腕には小さな身体で大きな存在を示している。

肩に頬をぴったりくっつけて寝る姿を 幸せそうに見つめる。



「もうあんな事 俺以外に言うんじゃねェ」




消え入りそうな声で 言った。








【しくり、痛む傷】
2011.6.16

【ONE PIECE】お題/ゾロ/上

まぁ、この人と人生を共にすると決めた時点で 生半可な事は有り得ない。

苦労なんて当たり前 以前 常にあるものだ。

それでも
それでも

連れて来てくれたのだから







「そこに愛は在る」


「そっ、そうかなぁ…」

「ふふっ、なかったら貴女、ここに座っていないわよ?」



優しい風が身体に注がれる甲板。
私とロビンは芝生の上でお茶をしていた。

ナミは海図を描くから、と二人で楽しんでてよ、と声を掛けてくれた。

最近はナミとお茶をしながら色んな話をして女同士の会話を楽しんでいたけれど、ロビンが漸く長期に渡って調べていたものが終わったらしく、一段落したから久々にお茶しましょう?と誘ってくれた。



「でも折角三人揃う所だったのになぁ…」

「ふふっ、夜なら大丈夫よ。」
「夜?でも今日は私、不寝番…」

笑うロビン。


「いいじゃない、剣士さんと一緒でしょ」

持っていたグラスを滑らせ 落としそうになる


「わっ」
「ッと…」


視線を戻すとゾロが私が落としそうになってたグラスを剣の上に乗せている。


「取れ」
「…ありがとう」




こんな所も好きになったんだと、今思い出す。



「お気に入りのスカートだろ?汚すなよ」


小さく言ってトレーニングに戻ろうとするゾロの姿を見て


「本当、素敵な二人ね」
「ったく、あんな筋肉馬鹿のどこがいいんだか…」

「何か言った?サンジ」

「言った、言った。何であいつが良いんだ?」


少しキレ気味に飲み物を持ってきたサンジ。
丁度私達のやり取りを目撃したらしい。




「うーん…何でだろう?」

私の一言に二人らは一瞬固まった。


「理由より心が求めてたからかな」


一本取られた、といった顔で
「ご馳走様」

ロビンにコーヒーを渡すとキッチンへ戻っていった。



「心が求めてるなんて、もう何も言う事ないわ」


笑顔でコーヒーカップを置くロビン。



「うーん…誰も知らない世界でもあったから」

「誰も?」

「そう、だってこの"世界"は麦藁海賊団でしか知らないでしょ?」

なるほど、と納得するロビン。


「私は頭で考えるより手が先に出ちゃうから」

苦笑気味に笑うと

「…そうかしら?」
「えっ?」

「貴女、自分の事判ってないわ」

声色が変わったのが実感できた時


「剣士さんと一緒にこの道を歩むと決めた時点で貴女は頭で考えてるわ」





苦労なんて




「そうかなぁ…」




知らない




「ふふっ、お互いを認めてる証拠ね」



貴方と歩いていけるなら




どんな事だって



「妬ける?」

「妬けちゃうわね」


立ち向かう勇気が

覚悟が

備わるから。







ロビンとの会話が聞こえてきて思わず頬が緩んじまう。



「あいつ…今晩覚悟しとけよ」



苦労すら感じないなんて

愛しさが増すだけ。



笑顔を見つめて 熱く想った。





To be continued.
【苦労だって生半可じゃない】2011.6.7

5月分のお話について

6月入って5日経ってる事に驚きです…!(汗
今月も同じ位のペースで執筆したいものです;

*蒼穹を感じて密計
船長誕生日。何かよく判らない文章になっちゃいましたが←
妬くゾロがチラリズム。

*I see for a long time.(ずっと、見ているからね)
姉の姿を追い掛けて、でもヒロインは間違っているんじゃないか、と思う自分に自己嫌悪。
それでもゾロは間違いなんかねェ。お前はお前だ、と愛の勇気を注いでくれる…
強さに先はない。というのを表現してみたかったけど撃沈。

*残り香すらどうにかしたくて
タイトルは温めてたので、書けて楽しかったですね…!
アレな内容でしたが←切なさと愛が伝わればなぁ…と。

*千変化の紅
ロビンとウソップの会話も新鮮で楽しかったです^^
紫陽花、これからの時期だし!と無理矢理こじつけました(笑)ちょっとほのぼのとヒロインのある意味な逞しさが表現できて良かったかなーと。

*命の音を聞く
オリジナル要素有のお話でしたが、あまり入れないように、と必死だった…

*義務がなくなる事が怖くて
久々の「今日も明日も。」ずっと書いておきたかった内容でもあったので…

*対峙のゆくさき
何て単純なヒロイン(笑)でもゾロの言葉ならいいかなって思えちゃう乙女ゴコロを書いてみたくて。
見事に撃沈でしたけど;
この話も見事に時期当ててみましたー


お題が変わり、また新鮮な気分で書いています´`
63巻の発売日を楽しみにまだまだゾロの話を書いていきたいです!
拍手、凄く励みになります!!本当に有難うございます〜!!

前の記事へ 次の記事へ