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【ONE PIECE】お題/ゾロ/切/






雨上がりの海に 光が集まり―――


「オイ」

「どうしたの、ゾロ」


「……」


無言と光を重ね合わせて
言いたい事は分かっている。




長い雨が漸く留まり、
「数時間は問題ないわよ、」と
安心できる航海士の言葉と優しい肩の温もりを感じて。


眩く放つ優しい光を見たくて


湿気ってるであろう線香花火に火を付けてみる

去年、狙撃主から貰った花火。
どういうきっかけだったのか覚えていない。



―――それが酷く引っ掛かるのだけど


微かに光る優しい光―――

私の背後に居るゾロはどう見えているのか。




誰かを悲しませてまで自分の夢の果てを追いかけていいのか。
別に今更になって考える事でもない筈なのに。

気付いた所で"あぁ、それだけの事"とその位でしか思えないのに。

目の前に見えた線香花火の光が歪んで見えてくる――――


「泣くな」
トーンが下がる声といつもの腕が私を包む。


海に出た時は揺れる事なんて考えた事もなかった。
―――いつかこの船を降りる事、どうして自分の願いを描いたことさえ、

「泣くな…」

忘れていたんだろうか




抱き締める腕に今は何も考えられない

だけど また歩き出す為に。



"忘れたらまた思い描くの。自分の信念はいつでも描き出せるんだから"


此処まで辿り着けた唯一の理由―――――
浮かび上がった顔を想って「ありがとう」



伝った滴がゾロの腕に落ちた。








To be continued.


【願いを描いた事さえ忘れていた】
2013*01*26
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