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ゾロ誕生日SS

遠く、果てしない夢を見て



目が覚めても きっと

側に居なくても
視線の先に――――――


「起きたか」


安堵の声なのかそれともやっと、起きてくれたかという印象だったのか

ぼやけてて分からない。


でもいつもの姿がじわじわと視界がはっきりしてくる。



あ〜…そうだ、誕生日のケーキのレシピ探ししてたんだっけ。

ゾロは「無理すんな」と言うけれど。

何せ二日前に左手を負傷。船医には
「利き手じゃないけど、絶対無理はしちゃ駄目」

なんてゾロの目の前で言われてしまったものだから。

…絶対引き下がらないけど。



「あ、今何時?」
慌ただしく目の前に積んだ本と書きかけの紙とペンを片付ける手に
一回り大きな手が覆う

「…もうすぐ日付変わる。」

そう言って静かに触れた左腕が
熱くて

「じゃあ、今からずっとハッピーバースディの歌歌おうかな」
「…それはやめろ」


あまりにも嫌がる素振りかなかったから

「んーじゃあ、」


窓から映る月を
静かな海を見て

ゾロを見て

「何をしたらいい?」




私、こんなんだから
せめてゾロが生まれたこの日を
祝いたくて。
いつも貰ってばかり。



「今が在ればそれでいいんだけどな、俺は」




大きく心を乱す。
これ以上を望まないゾロは

「野望は上限ないくらいに上を目指してるのにね」



「お前が居ればそれでいい。」









そんな日付が変わる頃の静かなサニー号の上でのやりとり。










2013*11*10 一日早いけど誕生日おめでとうゾロ!!

【ONE PIECE】ルナミ(ナミ目線強め)

舞い散る花弁が終わりかけた静かな夜



「また来年見れるかしら」


寂しい、と声から伺える切ない呟きが静かな海に消える。

「今、こうして見てんじゃねぇか」


当たり前、のように明るい声が返ってくる

「なかなか見れないのよね…桜。」


噛み合ってるのか噛み合ってないのか不思議な空気の中

「そいえば、似合ってんなぁ」


腕が優しく髪をかきあげる。
「そう、かなぁ?」



内心バクバクの心臓とは裏腹に素っ気ない振りをするので精一杯。

普段は無邪気で何考えてるのか分からないのに
更に分からなくなる


「カチューシャ、だっけ?」
私の太股に黒髪が揺れる

「よく覚えてたわね」

私の顔に視線を戻した大きな瞳が



花弁一枚写して
「髪に映えてきれい、だなぁ」




こんな事も言うんだ、って耳まで赤くした自分は


こんなにもルフィに溺れてしまっているんだ…と知らされる。



「次は満開の時に来れるといいな」


腕で私の腰を引き寄せて呟く。



淡く 枚散る その一瞬が



儚くて 大事にしたい。
数少ないルフィとの時間だからこそ

「何処でも一緒ならそれでいいのよ」



精一杯の素直な気持ちを
目の前の桜の木を見つめながら呟いた。


ぽかん、として私の顔を見たルフィは

「それもそうだな」



私の好きな笑顔で答えた。











Zの野望編見てナミのカチューシャネタが書きたくなったっていうw

2013*04*26

【ONE PIECE】フラロビ/フラ→ロビ/ほのぼの?

真っ青な空にほのかな桃色。






「…桃色?」

「あら、桜かしら?素敵」


突風の中風は温いから、と変な理由をつけて外で小さな工作。
本当は花壇の花を愛でるアイツが見たいから、なんて言えない



何処からかゾロと小さい娘っ子の楽しげな会話と共に


桃色の花弁が舞い降りた。


「フフッ、花弁付いてるわ」


いつもの手が現れて俺の頬に触れる。
…ずるいよな。お前からこんな

「あら、顔に出てるわよ」


触る、なんてよ


「仕方ねェだろ、惚れた弱味だ」





ふてくされて目線を落とさなかったら
頬を染めたアイツの顔、見れたのにな。



「…桜の木、探してみないかルフィに提案してみない?」

小さなジョウロを持ったあいつが近付いてくる



「ルフィなら喜んで承諾するだろうよ、ゾロ達も言うんじゃねェか?」



視線を選べなくて手元に集中する。

「なら、桜の木を見ながら一杯付き合わない?」





桜の花弁が連れてきたアイツからの誘い




「Noとは言わせないんだろ?」




本当は浮かれたい内心を見破られて
そんな強気に言ってみるけど






「楽しみね」









そう言うアイツの顔が桜に似合うと思った。















2013*03*25
ロビンて桜似合いますよね(^-^)

【ONE PIECE】ゾロ/短発話/ほのぼの?

強い、強い風に吹かれて



「…悪くねェな」

「悪くないけど…」


思わず目を瞑りたくなるような所謂春一番というのを体験中な二人が
メリー号の縁に座って風に耐えている。


「…これ、意味あるのかな」

「それを言うなよ…」


思わずこぼれた一言にゾロがうんざりした顔で返す。



本当は嬉しい、幸せなんだけどね、
と内心思ってみる。
強いて言えば、春一番なのだから

主役が欲しいの。



「…こんだけ強い風なら花弁一枚連れてきてくんねェかな」

「ん?ゾロ何か言った?」


隣にいながらもこの風で呟くものだから分からない。

「お前に」

「なーにー?」


桜、見せてェんだけどな。




以前チョッパーから聞いた事があった。
桃色の可愛らしい花。
私はお目にかかった事がなく、とても興味があった。

いつかゾロと見てみたいな、と。



ふわり、桃色の花弁へ想いを乗せる
風任せだけど、色んな希望を乗せて――――






「あ」

ほのかに香った知らない匂いが
視界に揺れた花弁達が


私とゾロの表情を
ふわり、変えてくれる




「こ、これって…」
「あぁ、」


お互い求めていた花弁に夢中で表情が分からない

でも、見逃せない。

何処かで桜が満開なのだろうか、ふわりと幾つもの花弁が目の前を流れて水面に落ちる。




瞳の中まで桜色


「見れたな…」

「そうだね、初めて見た。」



こんな初めて、ふわふわ。

幸せだなぁ、と思えた。




「次は満開の桜の木を見ような」


その一言が私の心を春色に染めてくれる。





















2013*03*20
春が近付いてきましたね(*^^*)

【ONE PIECE】お題/ゾロ/切甘

ウソップから花火を貰った記憶が蘇る―――






あの後、ゾロが腕を離してくれず、なかなか恥ずかしい事となってしまった。

涙の理由を尋ねられ、やっとまともにゾロの顔を見た時は、ぽかん
としたらしくない顔が瞳に映る。

思わず笑ってしまい、クルー達には涙は笑い涙で知られずに済んだのだけど――――


狙撃主だけ、には気づかれてしまったみたい。
姉の事はゾロだけにしか分からないと思っていたのに。


サニー号の縁に腰掛けてまた残っている線香花火の束を見つめる。

鮮やかに蘇る記憶


「う、また泣きそう…」

そう呟いた私の背後に
「姉さんの事、か?」

「…ウソップ」


口にしなきゃ良かったと後悔を顔に出した姿が下から見える。

「まぁ、そうなんだけど…別の事もあって」
「別の?」

よっ、と私の横へ登って座るウソップは
自分の思っていた事と違っていたから気になったみたいで。


「以前、雨の日にこうして花火に火を付けた事があったの。」

「雨の日?」
何故?といった顔で私の横顔を見つめる
線香花火の束が海の手前にはらり、と落ち

「…姉さんの命日で、姉さん花火好きだったから」
「…それを」

続けた言葉に疑う事なく、
「うん、見てたらしくて。ゾロ」

「…そっか」




ウソップから貰った花火、せめて何処かで見ていてくれたら、と願った
のに―――









「オイ」
「「わっ!」」


暗い雰囲気を漂わせていたのが見ていられなくて
いつもよりトーンの低い声が後ろから。



「「…ゾロ」」
「もういいだろう、その話は」

修行後のいつもの格好でタオルを拭いながらぶっきらぼうに言い放つ。


「…気になっちまってな、ゾロ、悪い、借りた」


私の側を離れ言いながら去っていくウソップ。


「ウソップには悪いけど、つまらない花火、私の我儘で最後まで付き合わせちゃったね」
束の線香花火を袋に仕舞う私に

「それは違うだろう」

ほら、と上にいる私に手を伸ばし下に降りた私の手を強く握って。

「姉さんの為だったんだろ?」


「ん―――そうだけどさ、雨の日は良くなかったよね」

去ったウソップの方角を見て
「ウソップにも悪い事したなぁ」

と呟いたら




「―――俺は」

ふっ、といつもの空気と共に強く 抱き締められた



「構わねェけどな、いつだってお前なら」

「…ありがとう」








―――――ほら、太陽がいつものように照らす

姉の事はいつだって切り離せない、けれど。


「姉さんばっかじゃなくて、俺達の事忘れてんなよ」


抱き締めた腕が静かに離れて髪に触れて、

クルー達の熱い視線とからかう声は今は忘れて。






今だけは――――――
この優しい温度を感じていたい。

















【最後まで付き合わせてしまったね】
2013*02*12
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