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願わくば

一年生の頃に戻りたい。
高野が時たま口にする言葉。過去にしがみ付くなんて今に満足してないからだろ、その満足感を感じたいなら自分から歩み寄るべきだ、努力をするべきだ、と言うあたしの傲慢な思考は昨日で失われた。少なくとも三割は。しんだ。

「あ、テスト範囲ってどこだっけ…」

昨日、卒業試験の範囲表を探している最中に古い手紙を発見。しかも字が汚い。なんぞこれはと思いながらゆっくり開くと高野との会話文だった。

「うわーうわーなにこれ恥ずかしいー…あたし高野にべったりだー…カップル以上にカップルみたいな会話だなー」

一年生の頃のやり取り。
詳細は述べないがものすごく恥ずかしい。口から砂糖が出るほどに。今では想像さえ出来ないもので。仲良し4人組の写真も発見。みんな若々しく微笑んでる。いい笑顔で。因みに一昨年のクリスマスを最後に笑顔のみんなが揃ってる写真はない。

「あー…あたしたちって、いつからこんなぎこちない感じになったんだろー」

すべて独り言だから返事がないのは当たり前だけど、気がつくと視界が少し見えづらかった。

そんな日。

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昨日の出来事である。




「それじゃあついでに絵の具だらけの手を洗いに」

ビシャッ。

帰宅途中の彼女の後を着いていこうとすれば思い切り閉められた。何故。

卒業試験一日目の放課後。
提出物であるパネルのデザイン画を絵の具で仕上げていた頃、

「帰ります」

被服をしていた彼女はいつの間にか支度済み。

「ああ、さようなら」

と、先生。

「あ、帰るの?」

出ていく彼女と少しでも話せたらと思いベタな口実と共に湧き出る乙女心。鴨川かわいい。

「それじゃあついでに絵の具だらけの手を洗いに」

その乙女心は儚く散り、冒頭に戻る。

「ちょ、はあ?」

全力疾走で階段を駆け下りる彼女。無意識に追いかける鴨川。

「…見失った…」

それほどまでに警戒されてたのか。

「おお、日向ぼっこか。いいなあ」

通りすがりの教師に笑顔を向けられるとときめくのも無理はない。

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嘘か本当か




左から小枝、高野、小谷、鴨川。

自画自賛。他称そっくり過ぎるとのこと。

鴨川と高野について。

再びよりを戻すことに。

告白は鴨川から。気持ちは本気だけどちゃんと言えないお茶目な鴨川と半信半疑な高野との放課後、

「あたし前にも言ったけど普通に高野のこと好きなんですけど」

「…ふーん、信用できんな。お前色んな人に言ってっから」

「じゃあ好きです、付き合ってって言ったら信じてくれる?」

「はあ?おま、前と言ってたことと違う」

「え?」

「前、二十歳になるまでフリーだったら結婚しようって」

「今付き合って二十歳になるまで一緒に居れば問題ないじゃん。バカだな高野は」

「お前ほどじゃないね」

「イヤ?」

「別に」

「嬉しい?」

「嬉しくはないけどイヤでもない」

「なにそれ」

「いや、信じられん」

「じゃあ信じられるまで付き合ってやるよ」

こんな感じ。
前に友人二人がいたので聞こえてるかどうか心配するもその必要性は暴風と共に吹き去った。

高野が好きだ。
これは本当。腕を絡めて高野を暴風の盾にした。これも本当。

高野を大切にしたい。

これも、本当。

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ねぇ、アンタ





昨日の放課後、ACS教室にて。

「あー、あのさ、」

「どうしたの、鴨川」

「別に苦手ならいいのよ、うん。ただ、」

「キライにはあらないでってやつ?」

「そんな乙女チックじゃないけど!あわよくば!キライには!あわよくば!」

「キライじゃないよ」

「けどあたしといると気まずいでしょ」

「うん、今マックス」

「あーもーいーよーもーいーよおお」

彼女の後ろに抱き着いて駄々こね始めた鴨川。脚をさすってくる彼女。
さわり方が破廉恥だった。

「あたし結構、ってか相当、お前のこと好きなんだけど」

「鴨川が?うちのこと?」

「うん、高野は?」

「えー、まあ、鴨川一人分くらい包み込めるていどには好きだよ」

「ぶは!なにそれ」

「ロマンチックだろ」

「34点」

そこから友人である小枝 が来て妙な展開に。

「な、高野も鴨川のこと好きなんだろ?じゃあうちも鴨川の好きなとこいうから高野も言ってよ、五つ」

小枝がトチ狂った。

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どちらにしても





睫毛、長いねって言われるけどゲジゲジみたいとも言われた。

無論彼女に。

今日はわたくし鴨川、クラスメートからハーレムをうけておりましたので結論から言うと彼女との接触はありませんでした。

だがしかし、彼女のことや自分のことを考える時間はたんまりあるので考えた。

いち、付き合うきっかけ。日常に充実感が実り、そのうえ彼女しか周りにいないから彼女のことが急にほしくなった。

に、別れた原因。彼女に見返りを求めたがそれは叶わなかったため逆上した鴨川は彼女の好きを否定した。

さん、今の状況。一度否定(拒絶)したのにも関わらず再びよりをもどそうとする鴨川の神経。

ここではっきりさせたいのは鴨川が最低だということ。


ただ、なぜよりを戻すか戻さないかの話を持ち掛けたかと言うと、あの頃より、彼女を大切にできる自信があるから。

だからこの間(映画の時)、

「二十歳になったら婚約して二十四歳になったら結婚しよ」

といいました。うん、ふざけとる。

そんな申し出に彼女焦る→強引に返事を求める→一日考えさせてと彼女→帰宅後冷静になる鴨川→翌朝彼女を呼び出し、

「ごめん。昨日の強引だったし迷惑だったでしょ」

謝罪。
だってこんなの全然ジェントルマンじゃない。

「だからさ、忘れて。なかったことにして」

「……せっかく考えてたのに」

「は、なんて?考えてた?」

「うん…」

「え、は、じゃ、婚約とか結婚は?」

「結論でる前にお前がなかったことに、って…」

「なにそれもっかい考えて」

可能性もなく考えないわけないじゃないか。
まだ彼女が鴨川のことを少しでも好きならばとポジション思考、けれどこれはなんか少し違うのではないかとネガティブ思考。

無限ループ。

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