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会うは別れの始め



春ですね。
ついこの間まで高校生で、二十歳になったらバーに行くんだナンパしまくるんだ大人の恋をするんだと色ボケ絶頂期だったのに気付けば今年でもう二十一歳。時の流れは早いね!

今振り返るとそれなりにいい経験を積み、いい友人や大人に恵まれ、我ながらいい成長っぷりだと染々感じてます。将来もうっすらと見えてきてるので、今後の目標はそれをちゃんと見えるようにすることと掴むこと、アッでも先ずは卒業することカナ〜〜!卒論できる気がしね〜〜!

そんなこんなで大学三年目、最後の遊び時(語弊)です。
四月の頭には事務の面接を受けてバイトと新入部員をゲットし、植物園に友人と出かけ、半ばには友人三人と鍋パーティをしました。最近では友人に料理をご馳走したり焼き肉に行くという凄まじい遊びっぷり。もう社会人or大学院生になったら遊べないから!ね!と言い訳をお互い擦り付ける始末…遊ぶのちょう楽しいんやでぇ…。が、それでもやっぱり勉強はどんな時でも纏わり付いてくるものなので、鉛筆の端を齧りながら資格の勉強もコツコツ頑張っています。ウウッ。

そして、高野とは約二ヶ月振りに連絡を取り合いました。
二ヶ月間の間、軽く二通ほどスルーされてたので三通目のメールが帰ってこなければもう拗ねようと思ってたところ、ちゃんと返ってきました。ズルいよね〜!
内容は特に濃密なわけではないけれど、お互いの県に咲いている桜を送りあったりタケノコの写真(高野が自分でタケノコを取ってきた)をねだるとくれたりして、鴨川ばあさんはとてもハッピーな気持ちになりましたとさ。めでたしめでたし。

が、真面目な話をぶちこむと、高野とのこの遠距離な上に数ヵ月に一度程度の連絡で何故関係が保たれるのかと言えば、やっぱり高校の時の一緒に過ごした三年間が一番効果的なんだと思うわけで。でも、それはずっと有効なわけじゃなくて、高野とこれからどうなるのか、"ずっと"はないってことくらい分かってるし、だからこそ今を楽しむのが一番なんだけれども、やっぱり少し卑屈になってこういう関係に結婚というカテゴリーがない事に対してちょっぴり考えるよね。まああったとしても高野がしてくれるかどうかが大前提なんだけど!へへ!

話は変わり、事務のバイトは10時から17時までで、おやつ時間が二回と昼食、そしてパソコンに個人情報を打ち込むという作業をしているので座りっぱなしです!最高にいい環境で周りの人も最高なんだけど、最高に太るよね!何より五月の末に実家へ帰る時、高野をデートに誘おうと思ってるのだけど助手席にブタがいると困ると思うので(私ならビックリしすぎて屁こく)、来週からダイエット始めます。頑張るトン。


次回予告
「飛べないブタはただのブタだ 〜別れのひづめ跡〜」

春を色す春雨




12月のデートではあの後サルとクジャクと野良猫しかいない浜辺の動物園に行き、海を眺めて本屋さんをふらついた後に雑貨屋さんへ。途中でミスドの福袋を眺めてたら、欲しいの?と聞かれ、欲しいと答えれば、じゃあ買おうと二千円分のドーナツと福袋をゲットしました。ぶっちゃけめちゃめちゃ欲しかったので非常に嬉しかった。本来雑貨屋さんには行く気はなく、本当はピザを食べに行ったのだけど、隣にあった雑貨屋さんに負けて店内へ吸い込まれ、見てる内に時間が来てしまい駅でさよなら。その時に高野がクリスマスプレゼントをくれて、家に帰って開けると一人暮らしで使える消耗品がドッサリ入っていました。クッションやコップやアクセサリーより今は日常品がほしかった鴨川は大喜び。何故わかったのか…さすが高野、さすがとしか言いようがない。もう大好き。(ちなみに私からは高野に似合いそうなマフラーをプレゼントした)

そうして年は明け、一月。
無事、成人式を迎えました。中学生の頃のくそみたいな思い出を殺してきたのでスッキリ。もう逢うこともねえやつらにグッバイ。



二月には甘いバレンタインデーがあり、高野からチョコレートが。
大学生になってチョコレートが苦手になったことを高野は知らないので、沢山くれて涙が出たよ〜〜〜!ハア〜〜〜イ!



二月の中旬は母と博多へ旅行に行きました。
とてもいい所で久しぶりに母とゆったり時間を過ごせました。数年前なら考えられない状況だったので嬉しさも多々あり!
母とは一人暮らしをきっかけに距離を置いてから仲良しになったので、お互い友達感覚で楽しめたと思います。家族と言えども結局は血の繋がった赤の他人同士なので、努力しないと成り立たないというのを理解してもらい、私たちに合う距離感を保ちながら今後も仲良くしたいね、という話をしたので今後もお互いがいい刺激になれば、と思っています。次のお花見も楽しみです。



二月の下旬には東京へ行きました。
ツイッターで仲良くなった方とお逢いしたのですが、こりゃまた中性的なべっぴんさんでとても素敵な方でした。一日でスカイツリーに新保町、浅草や表参道や渋谷や新宿やらムーミンカフェやら沢山の場所に案内してもらい、朝から夜まですごく楽しい時間を過ごせました。下の写真はまだ緊張感が残ってる鴨川なのですが、夜にははっちゃけてゲラゲラ笑ってましたね!ハイ!そういう雰囲気にさせてくれたシティガールに感謝です。



そして三月の今、引きこもりニート生活をたっぷりと味わっております。
一日中みたい映画を観て、気が向いたら散歩、の繰り返しでぶっちゃけ最高以外のなにものでもないですが、そろそろ大学生活も始まるので、バイトをして資格を取るための勉強をし始めようと思います。

四月には新年生をサークルへナンパするのと、お花見や鍋パーティ、お泊まりや女子会の予定があるので、それを糧に頑張ろうと思いますゾ〜〜!イエ〜〜イ!

愛は食卓から




12月28日、この日は初デートと言っても過言ではない日だった。
約束の時間は13時。そして今はその三十分後。そう、遅刻だ。

『今どこ? from高野』
『ごめん、まだ電車。 from鴨川』
『いつ頃着きそう? from高野』
『謎。電車動かなくて。 from鴨川』
『35分着のやつかな?取り敢えず着いたら電話ちょうだい from高野』

揺れる電車に大きく吐いた溜め息が掻き消された。
そもそも何故こんな風になったのか、それは田舎の電車が信号待ちをすることや各駅に八分も停車する事を忘れていたからだ。すっかり都会(そして地下鉄)に馴染んでいた自分が恐ろしい…と自己陶酔している間に待ち合わせの駅に到着。現実は厳しかった。

「あ、もしもし、高野?ほんとごめんね、今どこにいる?」
「ううん、車ちょっと遠めに止めたから今そっちに向かってる」
「どこどこ?あ、発見」

小雨の中、電話をしながら歩いてくる高野を見つけて思わず口許が緩んだ。しかし、三十分も待たせた罪は忘れてはいけない。

「マジ、ごめん。こっち来る時の電車久しぶりで、その…目安でしか時間考えてなくて、まさかあんなに各駅停車するとは」
「ああ、いいよ。あたしも最近車ばかりで忘れてたけど、あの電車結構止まるよね」

三十分も寒い中待たせたのにも関わらず、笑顔で(しかも気にしてない様子で)こたえる高野にキュンと胸が鳴った。

更に、車に乗り込むと高野が冷えた紅茶とカフェオレを差し出しどっちがいい?と首を傾げ、こっち、と好物の紅茶を選ぶと、だと思った。ちょっと冷めたけどまだ少し温いからと苦笑しながら遠慮がちに渡す高野をみて更にキュン、いやギュンッときたのは他でもない私がいた。

「あーと、これ。タイヤキ、こっちも微妙に冷めてるけど来るとき買ったんだ」
「わあ、ありがとう!」

と笑顔で喜ぶ鴨川に、ここで事件発生。
私はこし餡は好物だが何故かその姉妹と言えるであろうつぶ餡が非常に苦手であり、食べれない。だがタイヤキと言えばつぶ餡が王道。こし餡のタイヤキはあまり食べたことがない。むしろ食べたことない。つまり、そう…このタイヤキの中は99.99%の確率でつぶ餡なのだ。が、高野が折角買ってきてくれたタイヤキ。断りにくい。相手が高野じゃなくとも人から頂いたものを断る行為は万国共通非常に苦手な行動に値する。しかし、断らねば最悪車内でゲロる可能性がある。それだけは避けたい。初デートでゲロりたくない。

「あ、の、高野。このタイヤキの中身って…」

つぶ餡だよ。そう答える高野に土下座する勢いで「ごめん!!つぶ餡苦手なんよ!!態々買ってきてくれたのに本当にごめん!!でも気持ちはすごく嬉しいありがとう!!」と言う言葉たちが喉奥でスタンバっていた。

が、

「チョコとカスタードだよ。鴨川、前につぶ餡嫌いだって言ってたから」

予想外すぎた。
高野はサラリと前に、と言うがそれは二年も三年も前の高校時代の時の頃だ。大袈裟かもしれないが私は好き嫌いが山のようにあり、一部の人間には拘りが強いやら最早芸術とまで言われるほどの偏食の持ち主。高校時代を過ごした三年間、高野の隣であれは嫌いこれは好きなど呆れるほど言ってきたと言うのに、その中の一つを忘れずに覚えていてくれたのだ。

「え、マジ…マジか。流石、高野。……いただきます」

小さなことだと思われるかもしれない、でも私にとっては一生忘れないであろう喜びを感じたときだった。

私のニーズ



「あ……のさ、言いたい事があって…あー…高野がくれたあのプレゼントってさ、もしかして小枝とか小谷ちゃんにあげてたりする?」

「まさか。ないない」

「あ!うん!だよね!いやあ、なんか私が勝手に自惚れてただけで実はみんな持ってました〜!とかそういう展開も考えられなくもないっていうか、あーうん、そっか」

「はは、そもそも小枝には誕生日プレゼントあげてないし。とにかく鴨川だけだよ、あの本あげたの」

「お、おー…そっか、ありがと。……あの本、そのままそっくり高野に返したいって思ったよ」

「…ふ、喜んでもらえてよかった。あの本ね、鴨川にいいなあって。…で、このこと?言いたいことって」

「あ、いや、あのね、他にもあってですね…ハァア……ちょい待ち」

緊張を少しでも解すため、大きく深呼吸すると同時に私達を乗せた船がブォン、と重く汽笛を轟かせながら静かに港を離れた。

そんな素敵なシチュエーションに胸を高鳴らせ、

「……私ね、高野が、好きだよ。でもこの"好き"はもしかしたら友愛かもしれないし、恋愛かもしれない感じのやつでね…何て言うか、好きの度合いが高過ぎてね、もう意味わからんってか、私、高野が一番、人間のなかで好きだし一緒にいて落ち着くし楽しいし、もう一緒に居るだけでハッピーなわけで、ずうっと一緒にいたいわけよ」

最高にぐだぐだな告白をした。

「…うん」

「あ、でも、別に付き合いたいとかそういう訳じゃなくて…いや嘘、今日のこれだって下心たくさんあるし、寧ろ、出来れば、あわよくば付き合いたいとも思ってるし、だから無理も承知でお願いしたいんだけど、返事がほしい。今、すぐに、ほしい」

「え、今すぐ?」

ここでバカ女のバカそのイチ、緊張し過ぎて優先順位と相手の気持ちを考えられないの巻き。

「一ヶ月も告白のことばかり考えてて、もう今死にそうで、心臓やばくって、爆発しそう、なんです。おねがい」

急な告白と共に追い討ちをかけるように返事を急かされ狼狽える高野から出た言葉は、

「……分からないよ」

でしょうね。

「…そっか、いや、そうだよね、うん。…その、高野のこと困らせたくて言った訳じゃないから、あの……じゃあ、船を降りるまでに返事がもらえないようだったら、なかった事にするし、…うん」

「…分かった…」

バカ女のバカその二、相互にとって後味の悪い取引を出してくるの巻き。

ここから優雅な船旅(約50)が魔の沈黙船になるカウントダウンの始まりだった。

結果的に返事はもらえなかった。
当然と言えば当然の話だったが貪欲な私は少しだけ、少しだけ心のどこかで期待していた。「私も鴨川のことまだ好きだよ」と。

船を降りると高野は次第に目を合わせなくなっていったが無理矢理下らない話を持ち出し何とか沈黙を避けながら駅まで見送った。改札を通る高野に手を振り、もうこんな田舎の県なんか二度と戻って来るかバカ野郎と誓うと期待していた分だけ泣いた。ほんの少しの涙だった。

それから翌日、高野とは友情で終わった方がよかったんだと強制的に自己解決すれば、荒れていた心を掃除するように部屋の片付けに励んだ。一通り綺麗にすると一件のメールが届いていた。何気無く見てみると、

「ライン、じゃなかった…メール?Amazonでなんか頼んだっ……!?、??、!!」

もう無縁だと思っていた高野からだった。

「…『今から最低なこと言うけど、嫌だったら無視して。昨日のこと、なかったことにしないで』?なに、え、これは私の告白を受け取ってからお断りしようってか。なかった事にするのは可哀想だからってか。…なんだよくそ」

半分自棄、半分期待、どこまでたっても私は貪欲だと痛感した瞬間である。感情の昂りで震える指先に力を入れ、要件はなんだと素っ気ない返事を送信した。

そして数分後、長文と共に

『好きです、付き合ってください。』

高野は私の自棄な感情を根こそぎ奪っていった。
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I wish her a lot of happiness.




早朝から新幹線に乗り込み寝惚けた頭で当たって砕けろと呪文のように何度も繰り返していた11月のある土曜日のこと。その日はとある島の美術館へ行き、告白する約束をしていた日だった。無論、これは私のなかだけの(自分自身との)約束であり相手はただの美術館巡りだと思っていた筈。因みに告白相手は言わずも、高野だ。

待ち合わせは9時頃だったが私が新幹線に乗り遅れて10時半頃に。この時ばかりは自分の計画性の無さを悔やんだ。ファックミー。

着いた頃には長時間座ってた所為で尻の感覚が麻痺し、アレ?これお尻あるよね?えぐられた?えぐられたのこれ?と意味のわからない疲労と緊張がミックスし興奮状態。高野から事前に着いたら電話してというメールがあったので電話を掛けるも、

「あ、もしも、高野?あは、高野が居ない!ふは、どこ!どこ!どこにおるん!」

「……もしもし、駅の出た所、バス停の所。鴨川こそどこ?」

見つからない上に笑い(興奮状態)が止まらない。多分ここでドン引きされた。
改札を出て駅前のバス停へ目を向けたらそこには高野らしき人物が。

「あ、あ!多分発見した!あの白いのねー!はいはーい!」

「ん?うん。分かった。」

この時、ブンブンと大きく手を振りながら迫ってくる同級生を彼女がどういう心境で眺めていたのかは分からない。

「やーもう本当ごめんね、ごめん。」

「ん、いいよ。それより船間に合う?」

「ダイジョウブダヨ」

「うん、間に合わねーな。次のやつで乗る?」

「あ、はい。うん、次は40分頃にあったはず。…奢らせてね」

悄気る私の姿を見て鼻先で笑う高野に思わず、好きだこの野郎と言いそうになったのはここだけの話だ。

船のチケットを購入すると、そこからは坦々とテンポよく進んだ。寧ろ進みすぎた。
話をしている内に高野は社会人になった今、一人で料理が作れるようにと家の料理担当をしているらしく17時頃には帰宅、という形になった。自ら自炊に励む姿は素直に好意を持てるし、高野には高野の生活リズムがあるのは分かっていた。が、そうなると時間の経過は早かった。船に乗り、島に着き、バスに乗り、美術館を見て、昼過ぎには徒歩で自然を感じながら港に帰った。高野には理不尽な事だが、この時私は高野を時間通りに帰さなければという焦りと時間制限という窮屈さに少し不満を感じ、拗ねていた。いや、やさぐれていた。

「あー海きれい。これ間に合うかな〜船間に合うかな〜間に合わねーんじゃないかな」

「ん?ああ、あと二十分あるから大丈夫だよ、間に合う」

チッ。

港に着くと大きなフェリーがあった。

「あ、みて。あれ私達が乗る船じゃない?」

「あー、っぽいね。でかい。」

「ねー!でっかい!すごー!興奮するー!」

「うん、すごい。でかいなー」

「…ねえ、私一番上行きたいな。一番上がいい」

「お、じゃあ行こ」

階段を上がるにつれてドッドッドッと徐々にはやくなる鼓動や、うっすらと掻く冷や汗を感じながら私は高野を連れて船の展望へ行くとベンチへゆっくり腰を下ろした。

「……あのさ、高野、私…」

風が強く、少し大きな声を出さないと言葉ごと掻っ攫われてしまいそうな、そんな風だった。