|97話絡み。
未読の方はネ/タ/バ/レ注意。








↓以下注意↓











「村は救われた」





俺に向かって、涙を流しながら恩人だといって、手を合わせ合掌する。
他人に感謝なんかされた事の無い俺にとっては、その気持ち自体が居心地悪過ぎて、妙に落ち着かない…。


だから、騒ぎ続けている連中輪からこっそりと抜け出した。


少し離れた場所まで避難して、そっと息を吐く。

…なんか変な感じだ。
妙に面映ゆくなるような…でも悪い気分じゃない。


『そういうのは、気分は最高っていうんだぜ』


笑いながらそう告げたヤツの顔を思い出して、思わず口許に笑みが浮かんだ。




「あ〜ぎ〜と〜ぉ〜〜〜〜〜」
「うわっ?!」
突然背後から抱き付かれ、変な声がでた。

「っ…!だよ、テメっ!ナニ勝手にじゃれついてんだっ!つか、離れろ、クソニットっ!!」
不意を突かれてビビったのを誤魔化すように、わざと邪険に振る舞う。
だけど葛馬は、不機嫌な顔で背後から抱き付いたまま、離れようとしなかった。



「ンだよ!?重いから退けって…」
「…さっき、イッキと何話してたの…?」
俺の言葉を遮って、ブーたれた口調で葛馬が問い掛けてくる。
「…別に。大した事じゃねーよ」
わざととぼけて答えれば、ますます拗ねたように背中に掛かる重みが増した。

「重っ!テメ…っ!」
「大した事じゃねーのに、あんな顔して笑うんだ?」
「は…?」
「だって…………さっき、アギが嬉しそうに笑ってたから………」
そんな事を言いながら、離さないとでもいうように抱く力を強くしてくる。
「なんだ…?ヤキモキか?」
肩越しに見上げてニヤリと笑うと、ムクれた顔が朱に染まる。


「ばぁか…」
呟いて肩越しに軽く口唇に触れるだけのキスをした。

「俺の相手はオマエだけ。…だろ?」
驚いて見つめ返す瞳を覗きこみながら、挑発的な笑みを口の端にのせる。
「う……。そ…そうだけど……」
「なら、余計な心配してんじゃねーよ」



狼狽える馬鹿に内心笑いを噛み殺しながら、もう一度そっと口唇を奪った。



















いえる訳無い…。



俺を倒せ、なんて…お前に頼める筈無い。




そんな事言ったら、コイツはきっと辛そうな顔をする。
泣きそうな顔になって、そんなの出来ない……そう言うだろう。




だから、オマエには絶対言わない。



その結果、俺が消滅ることになっても

最期の引き金だけは引かせたくないから













咢→葛馬













逃避(爆)






こんなんやっとる場合では…orz
でも書きたかったんだ……。

ちょっと余裕なアギたん。
たまには葛馬も妬け(笑)