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【ONE PIECE】下/ゾロ/甘/ナミ誕

私の気持ちを救い受けるような想いを一緒に遂げていてくれていたなんて。




この幸せをずっと ずっと ガラスの瓶に閉じ込めておいて
好きな時に取り出して幸せに浸れたらいいのに。



そんなわがままですら あの子は




**********




「ありがとう」

紙袋を大事そうに抱えて雑貨屋を後にし、ゾロの姿を探す。

人気は思ったより多くはないから
直ぐに見付かる筈

―――――でも、ゾロは後になって船に姿を見せた。



「ゾロ、遅かったね」

「…迷ってた。」


案の定といった顔でクルーは私達のやり取りを見ていたが、ゾロはあまりふてくされる様子はなかった。

「買えたか?」
「うん、バッチリ」


小さなやり取りをしたゾロの顔は何だかくすぐったかった。

不思議と思いながらも私は密かな計画をゾロと二人で実行している事が嬉しかった。


そして紙袋を―――
釣りをしている後ろ姿を見つけて駆ける。


「ルフィ」

頬づえをついて釣り糸を眠そうな顔で見ている。

気付いて

「あぁ、お前かぁ」
「今日は釣れそうにない?」
「あ〜昨日はでっけぇの釣れたのになぁ」

明日に間に合わねぇ、と焦り出した。



「ルフィ、その事なんだけど…」
紙袋をルフィの横に置いて私も淵に座る。

「ん?買ってきたのか?」
「ルフィ、知ってたの?」

「んん、何となくだけどな。
ゾロの様子がいつもと違ってたからな〜デートでもしてきたのかと思ったんだ、俺」

「ルッ/////」

ルフィの予想以上の洞察力に驚いて赤面してしまった。


「そうじゃなくてっ/////これ、明日渡して欲しいの」

「ん?お前が渡さなくていいのか?」

「うん、ルフィから渡した方が嬉しいと思うし」



ルフィとナミがお互いに想ってるのは少なからず私とゾロは知っている。


だからこそナミの喜ぶ顔が見たいし、ナミもルフィからプレゼントされたら嬉しいと思う。

「ん、分かった。」




そうしてナミに内緒の誕生日の準備が始まり―――



そして




「宴だぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」



『ナミ、誕生日おめでとう!!』
「ありがとう、みんな!」

楽しい楽しい誕生日のパーティー




ケーキを食べている中、ルフィは私に一瞬視線を送って、

「ナミ」

声を掛けた。



「大丈夫…だよね」
小さな消え入りそうな声で呟くと

「大丈夫だ」

背後からゾロ。
お酒を飲んでるクルーもいて、夜の暗闇も手伝って 私達のこの状況に気付いていない。


「うん…ルフィ、お願いね」

切なそうな顔だったのか

「あんなに悩んでカタログにチェック入れる程だったんだ、そんなに心配すんな」

「えっ、知ってたの?」

「まァな」


赤面の私に腕が伸びる。


「ゾッ…」
「これ、やる」


突然手に収まるけどそれなりに大きい紙袋を、胸に軽く押し付けられた



「えっ?ゾロ?何これ…」

「いいから、開けろ。」


少しぶっきらぼうに言い放つゾロの表情を窺うと
照れている。



紙袋を開けると


「あ、これ…!」

前に短刀を収めている布袋の一つが破れて、自分で直しても もう時間の問題、といった位にボロボロになっていたのを
どうやらゾロは知っていたみたい。



「ゾロ、ありがとう」

嬉しくて、自分から抱き締めてみた。


「珍しいな、ナミの誕生日だからか?」


かすんだ優しい声


「そうかも」



少し離れた甲板から

「ありがとう、ルフィ」

「あぁ、ししッ!」


嬉しい幸せのやり取りが聞こえる。



「なぁ、花火あるんだ、やろうぜ―!」


『賛成!!』


いつも慌ただしくて大変な航海だけど―――――




――――――この日だけは、特別に。







HAPPY BIRTHDAY!!航海士!!




【嬉しさと密かな幸せの為に】2011.7.2
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