スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

2312年4月8日後




"話がある。今どこ?"

放課後、彼女から送られて来たメールには三日間長引いた喧嘩に終止符をうつ内容だった。

「…あの、謝りたく、て」

消極的過ぎる彼女から呼び出しだなんて地球に髪の毛が生える程ありえない事だと思っていた。

「なに…謝るだけ?」
「…ごめん、も、本当に、ごめん…」
「……で、何がしたいの」
「謝りたい、……今まで通りにはいかないと思うけど仲直りも、したい…」
「…あ、そ」
「ごめん…」

屋上に繋がる階段でひたすら泣く彼女。こんな時にまで泣き顔が好きなんて言うほど、あたしはエスじゃない。

「…も、いいよ。お前、もう少し積極的になれよ。ちゃんと、向き合って」
「うん…うん…、ごめん…」
「…次やったら別れるから。で、お前の事マジで嫌いになる」
「…うん」
「…ん」

肩の力を抜くと両腕を広げて仲直りのハグ。の筈が彼女に思い切り抱き締められ息が詰まる。因みにこんな強いハグは初めてな鴨川。正直キョドった。

「大好き!」
「う、うん」
「ごめん、本当にごめんっ」
「あ、ああ、許す」
「別れたくない」
「…うん、あたしも大好き」
「ごめん…」
「…お前、変われよ」
「うん」
「お前が変わらなかったら、離れるからな」
「それは嫌だ」
「…じゃあ、もっと積極的になれ。先ずは言葉から、次は態度」
「うん」
「…よし」

これにて喧嘩は終了。
彼女との初喧嘩は幕を閉じた。


( 不意に空を見上げれば眼鏡越しに眩い光と頭痛が走った。

932年ぶりの金環日食は痛すぎたのだ。次は )
前の記事へ 次の記事へ