こんばんは!!生きてます。
私ごとですが、今更ーっ!と思いまずか、4月に3年間勤めてた会社を辞め5月から新しい職場で働いています、本当以前の会社では漫画のような辞め方をしてお前すげぇな。と今でも言われねます、しゃーない、しゃーない。どっちもどっちや!ドヤァ。と新しい職場の方が休み少ないのですが、なんと言うか本当楽です、いや、ほんと、素晴らしいですね、ほんと。もう。うはうはしちゃう。そんなこんやでネタをいきまーーす。
厨二感満載の異能者設定のネタです、何書いてんだ、こいつ。と思うようなネタです。でも、楽しかった、でも難しかった、そして意味分からない。

それでは、どうぞ!!
異能設定

水、炎、電気、万能

WS:水
MB:電気
S.LI:炎
主将:万能者

1区から5区まである。
数字が小さいほど危険区。
この世界では人間、異能者と分かれている。
領土争いとして地区ごとに争いが起きている。
警察、軍隊は異能者を一人残らず消す為に行動している。

警察 白鳥沢
ボス 牛島若利
捜査官 音駒

1区 梟谷
2区 青葉城西
3区 鴉原
4区 鳥野
5区 伊達工業



鴉原高校設定
3区地域

万能者
→三種存在する。
破壊する者
治癒する者
創り出す者
万能者は能力者の能力を全部使える。使えるが身体の負担は大きい。

鴉原は珍しく万能者が5人いる。
大久保、茄智は創り出す者
篠久保、桐谷は破壊する者
茶葉は治癒する者

能力者
→炎、水、電気を扱える者。
蒼崎→炎
七瀬→水
大倉→電気

2つを合わせて異能者と呼ぶ。
区域のトップは万能者が多い。


鳴り響く警報。
3区全体に避難を促す警報。3区以外の人間が入ると警報が鳴る仕組み。住民は地下街にある避難施設に身を隠す。人間以外は外で敵を迎い入れる。
真っ黒な軍服身を包んだ複数の人間、人間だが、地区を守る為に軍隊に入った。そして、高級感漂わせるスーツを着る人間は人間では無い。
3区の入り口は二箇所のみ。
北と東の入り口は重い扉で締め切られているが、すぐに、壊され軍の銃砲が鳴り止まない。

だが、ガードされ、相手は攻撃に移る。
殺されると覚悟しただろう、しかし、いつになっても痛みは来ない。目の前にはスーツ姿の一人の男。
上着は着ておらず、両腕全体に広がる刺青。

下がれと言われ、軍人はその場から離れる。この人は一人で青葉城西と戦う気だ。これ以上先には進ませない。
北には青葉城西の右腕の岩泉と金田一、国見。東には花巻、松川、京谷が揃った、トップの及川はどこから来るか?予想は出来ているが、あえて及川は放置し、3人を見る。鴉原は、北は桐谷、東は茶葉が立っていた、一人で3人を相手するのか?と疑問を持つか、彼等ならやる。鴉原の情報は少なすぎる、ただ属性しか分からない。
東側にいる桐谷は確か炎。
岩泉と国見は水属性、そして金田一は電気。

タバコを吸い、3人を見る。
見た事はあるが、戦闘経験は無い、でも情報はある。インカムから指示を待つ。殺していいのか、それとも捕まえるだけか?3区のトップ大久保叔の指示を待つ。相手も桐谷が動かない限り動こうとしない。その間に城西の軍は桐谷の横を通って内地に入ろうとするが、桐谷の炎が後ろを塞ぎ通れない状態。
タバコが短くなる一方、インカムから雑音が聞こえ

「殺してもいい」の一言。
ニヤリと笑い、短くなったタバコを吐き捨て背後にあった炎がひとまとまりになり、3人に襲いかかる、岩泉と国見は炎を消し去る水を放り出す。
炎の影で隠れた桐谷は3人の前まで来ていた。異能者は身体の中に武器を隠す。掌から剣を取り出し、まずは岩泉と桐谷は向かう。
カキンと剣がぶつかり合う音、やはり右腕はそう簡単に殺られないか。と、いったん距離を置き、数回剣を回す。前には岩泉、左には金田一、右には国見。
周囲を見渡し、水だから、相性が悪いと思っているだろう。合図があったのか、いっせいに走り出す。地面から炎の渦が出る、君たちの水で消し去るか?いや、無理だろう。その、程度の水だったら消せない。

水が勢いよく桐谷を襲う。
指を鳴らし、掌に水を集め、二人分の水を一纏めにしと笑う。3人は驚く。炎を扱う人間の手から氷が生まれた事に。水が急激に冷やされ氷として姿を現す。鋭い刃を尖らせ、金田一に向け勢いよく放たれる。
ギリギリで受け止めるが、破片が金田一の身体を傷つける。こいつは万能者だ。万能者、それは全ての異能を扱える唯一の人間、万能者はトップになる事が多いが、鴉原は違った。まさか桐谷が鴉原の万能者だったのか。岩泉の頭の中で警報が鳴る。

桐谷は危険だ。
簡単には倒せない。実力は3人合わせても桐谷の方が上。どうする?頭で考える。

「時間はたくさんあるし、ちょっと話そうよ」

どうしてここに来たか?
領土拡大の為か?それとも単なる潰しに来たか?

警察に捕まる前に何とかしなくてはならない。時間があるといってもこれだけの騒ぎをしていれば警察は来る。3区と2区が争っている、警察のトップ、牛島が動くだろう。桐谷の中では牛島が動く事が及川の狙いだと思っている、牛島を殺すにはわざと3区を狙う。
謎に包まれた3区は警察でも頭を悩ませる存在、誰が人間で誰が異能者か分からないぐらいに普通の地域。
どこにアジトがあるか?
アジトらしき建物は見つからない。

だったら城西自ら動くしかない。

「あ、自己紹介が遅れたね、俺は桐谷彰弥。ご覧の通り万能者だ。右から岩泉さん、金田一さん、国見さんで合ってる?」

出された液晶画面に顔と名前が映し出される。うん、合ってるね。と言うと、またタバコを取り出し吸う

「君達が牛島さんを倒したいが為ににここを利用するの迷惑なんですよねぇ。3区って平和主義なんで、争いごとは避けたいんですよ」

液晶を眺めながら話す。
-----及川は桐谷狙いだ。
インカムから鴉原の情報担当、七瀬の声が聞こえた。つまり及川は桐谷が万能者と気付いていた。しかし桐谷が万能者という事は仲間には言っていない。
城西は牛島を呼び寄せる事と桐谷を倒す事が目的。本当馬鹿だよねぇ。と声には出さないが、内心思う。

「さて、貴方達とは相性の悪い俺ですが、どう倒しますか?頭をよーく使わないと俺は倒せません」

「お前が一人の意味が分かったわ」

「東も一人ですよ。あ、一つだけ忠告します、鴉原の異能者は7人います。そのうち5人は万能者ですから」

「はぁ?んなこと有り得るのかよ」

「有り得るからいるんでしょう。俺と東が1人ずつ配置されているという事は東も万能者です。さぁて、東の仲間達は生きて帰れるのでしょうか?まぁ、無理だと思いますけどね」

だって東は茶葉だし。
タバコを投げ捨て、宙に浮いたタバコから炎を出し、指を鳴らせば3人に向かう。
3人の目の前で止まり

「死にたく無かったら帰って下さい。貴方達を失ったらボスが悲しむでしょう、なるべく争いごとは避けたい。」

「んなこと言って帰れっかよ」

「命知らず」

ふと後ろから気配を感じた。
ビリビリと手が震えている、なんだ?これは。チッと舌打ちをし、3人を守るように、炎柱を何重もたてる。

「だから言ったじゃないですか、死にたく無かったら帰れって。ここはちっと厄介な野郎が今調子こいてるからあんたら相手している暇は無いんです」

「なんだよ、あいつ」

「人間が人間を喰う化け物。弱った人間に取り憑くんです。こいつ等倒すのは命懸けなんですよ。うちの仲間も何人殺られたか」

攻撃してもほんの数秒で粉々になった身体は元どおり。形から表す化け物。この化け物で地域の住民は被害を食らっている、勿論情報部も。
すっと目を細め、目の前の化け物を見る。
このまま火柱で3人を守る事は無理。

息遣いの荒い化け物。
黒い手袋を外し、両手をパンと鳴らす。
化け物は勢いよくこちらに向かってくる、手を出さないで下さいね。忠告し片手で化け物を抑える。
化け物の下では素早く鋭い氷が地面からむき出しになり、化け物を下から攻める。効かない事は分かってる、これは時間稼ぎ。
氷から炎へ。炎を纏った龍が化け物の中心を貫く。ぽっかり空いた穴へ走り出す。

氷柱を次々と立てその上を走る。
化け物でも心臓はある。人間とは異なるが、赤くて硬い。そう簡単には壊せ無い。左手から大剣を取り出し、赤い塊を突き刺す。ビキビキと嫌な音がする。化け物が回復する前に壊さないと殺される。
ヒビが入ら無い。化け物が少しずつ動き出す。桐谷は舌打ちをし、腕に力を入れる、瞳は猫目になりより真っ赤に染まる。ビリビリとした殺気が岩泉達にまで届く。手足が震えるのが分かる。岩泉達には見えていないが、腕に広がる刺青が徐々に肩まで広がる。


壊れろ。壊れろ。

「いい加減死ね」
バリンと赤い塊が壊れる。同時に大量の血が桐谷を覆う。地面に足がついたその途端込み上げてくる吐き気。噎せ、吐血で地面が汚れる。3人をカバーしていた火柱は消える。

「あー、今あなた達と戦う気力無いよ」

顔面蒼白。
肩で息をする桐谷を見て何も言えない。歩く気力も無いのだろう、その場から動こうとしない。ゲホゲホと噎せ再び口から大量の血を吐き出す。
貧血で倒れる寸前で金田一がいち早く反応し、桐谷を抱き締める。

「大丈夫ですか?」

「大丈夫に見えるのかよ、アホだなぁ。死にそうだわ、ボケ」

「岩泉さんどうすればいいっすか?」

「篠久保くーん。いるんでしょ、助けて。まじ死にそう、輸血して、お前O型だろ、血分けろや」

「お前がここまでやられるとは予想外。ふらふらじゃねぇか。化け物相手によー頑張りましたねぇ」

金田一の背後にはいつの間か現れた3区のエース、篠久保瑛太。ニヤニヤと笑っているが、金田一はゾワッと嫌な汗をかく、笑っているが目が笑っていない。早く桐谷を離した方が自分の為だ。しかしここで桐谷を離してしまったら桐谷は勢いよく地面に倒れてしまう。誰かの支えが無いと。
篠久保は岩泉を見て、目を細める。
化け物がいる事は多分及川の想定内。弱った桐谷を連れ去るのが目的、すぐ近くに及川はいるはず。周囲を見渡しても見当たら無いが、桐谷が弱っている事は分かっているだろう。

「バカを支えてくれてありがとう、もういいよ」

「いや、金田一離すな。絶対に」

「岩泉さんも悪趣味ですねぇ」

ハァと分かるように溜息を吐き、そこまで言うのな
ら。篠久保は一歩金田一に近付く。

「逃げろ、金田一」

岩泉の言葉と同時に金田一の身体には無数の剣が突き刺さる。その隙に微かな力を振り絞って桐谷は金田一から離れる。しかし立位は保てずその場にしゃがみ込む。顔だけ前を向くと篠久保の背中が見える。そして桐谷の周りを囲むように火柱が立つ。
ははと力無く笑い、小さな声でありがとうと言う。

「ひゅー。一人やりぃ。残り二人ー」

構える二人を見て、その場から動かずに指だけを鳴らす。

「さてさて、ご察知しているかもしれませんが、俺も桐谷同様万能者です。しかも3区のエース。さぁ、エース同士仲良くしましょーよ、岩泉さーん」

「煽りかよ、クソが」

「だってねぇ、わざわざエース様がこちらにいらしたって事は期待しちゃうでしょう、俺を楽しませてくれるんでしょう。言っとくけど俺、桐谷超えますよ、余裕で」


クスクス笑う篠久保は一向に足を動かそうとしない。先ほどから指を鳴らす、岩泉達は構えるが何も起こらない。何をしているのだろうか?疑問に抱いたその瞬間だった、国見の胸元から刃が突き刺さっていた、しかも内面から外へ剥き出す形で。
人差し指を上に向けると刃は徐々に上へと進む、そのたびに嫌な音が響く。肉を斬る音、骨を折る音、あと少しで心臓へと刃が食い込もうとしたところで止める。地面は血で染まり、国見は膝をつく。あー。可哀想に、岩泉さんが変な事言うから国見君が犠牲になってしまったね。
ゆっくりと指を折る、メキメキと国見の身体から聞こえる音、岩泉は分かった、篠久保が拳を強く握った瞬間国見の心臓は破裂する事に。

「ダメだよ、岩ちゃん。ちゃんと国見ちゃんを守らないと」

背後から及川の声。指を動かす事を止め、振り向く。及川はいつの間にか倒れこんだ桐谷を抱きかかえていた。気配が全く感じられなかった。
ぐったりした桐谷を愛おしそうに見る及川。やっと手に入れたと笑い、そのまま国見と金田一に近付く。派手にやられちゃったね。と傷口に触れると徐々に傷口は塞がっていく。面倒くさい万能者め。自分も万能者だが、治癒能力は無い。及川は相当上の人間だ。しかも今は桐谷を抱きかかえている為派手に攻撃出来ない。

いや、待て。
桐谷だったら自分に関わらず攻撃しろと言う。篠久保は掌から剣を取り出し、くるくる回し目の前の男達を見る。桐谷は今は動けない、意識も無い。
だったらやるしか無い。
及川は治癒能力を所持している、傷付けても自力で治すだろう。もし自分にも治癒能力が使えたらの話。よく聞く、相手には能力使えるが自分には効かないと。もしそのパターンだったら及川を思う存分攻撃をする。一か八か。
持っていた剣を及川に投げる。勿論避けるが、避けている隙を狙って及川を囲むように複数の剣が宙に浮いている状態。下手したら桐谷も傷つけるが気にしない。いいの、もしかしたら桐谷も殺しちゃうよ?とでも言いたいのだろうか。クスクスと笑っている。

及川の笑みが嫌いだと思った。
この笑み気にくわない。

「あんたの事嫌いだわ」

「酷いなぁ、初対面なのに」

「初対面でこんなにも嫌いだと思ったの初めて、戸惑い隠せねぇわー」

起きろ、桐谷。一瞬でいいから起きろ。
篠久保は顔には出さないが、今及川の腕の中で意識飛ばしている桐谷に問いかける。お前を殺してまで及川に攻撃したらお前の幼馴染みが黙っていないだろう、あと妹。
あーどうすっかなぁ。及川の周りを剣で囲んでいるが下手に攻撃出来ない。桐谷はやれと言うだろう、だが桐谷がやれと言えば黙っていないのが、先ほど名前を挙げた2人。参ったなぁ。と笑う。あえて岩泉を狙うか?城西側も金田一と国見は意識を飛ばしているから人質にはならない、つまり岩泉しか居ない。気付かれないように影を潜ませる。影が少し歪むと同時にピリと殺気が感じられた。どこからか?目の前の2人か?まさか気付かれた?いや、違う。篠久保の額から汗が落ちる。厄介者が来ちゃったと。

地面からすっと現れたのは桐谷茄智。
及川の目の前に現れ、口を開く前に無数の剣が及川に刺さる、桐谷を抱く腕の力が抜けた瞬間茄智は抱き締める、篠久保のところまで距離を置く。

「彰弥君死にそう」

「そう簡単には死なねぇだろ、こいつ」

「うん、死なせない」
絶対に。

茄智は地面に桐谷を置き、そしてすぐに七瀬を呼ぶ。指一本触れさせないようにガード。

「私及川さんとやるから、瑛太君は岩泉さんね」

「お?エース譲ってくれんの?」

「岩泉さんには興味無いから。私は彰弥君に触れた及川さんが許せない」

「ひゃー。兄ちゃん想いですねぇ、俺嫉妬しちゃう」

及川は自分の傷を治す。

「私と及川さんって相性悪いわ。だってお互い治癒同士、傷付けても治せてしまうから。だから治す暇を与えちゃいけないの」

「よく分かってるじゃん、茄智ちゃんだっけ。でも女の子が男とやりあっても勝てっこ無いよ。パワーもスピードも桁が違う」

「そうですか?私はそう思いませんよ。だって及川さん、さっきの攻撃避けられなかったじゃないですか。瑛太君は気付いてましたよ。岩泉さんも及川さんも私以下です」

「よく言う、そうやって大事言えるのも今のうちだからね?」

「ふふふ、やってみないと分からないじゃないですか。私は鴉原ナンバー0です」

エースが篠久保瑛太だとしたら彼女は?
ナンバーが0とは一体どういう事なのか?

「万能者は三通りあります。破壊する者と治癒する者。そしてもう一個」

すっと腕を前に出し
影が伸びる。
影から出たのは幼馴染みの岩泉。この空間で岩泉は2人いる事になる。

「創り出す者です」

私が思った事を創り出してくれる能力。それが私のもう一個の能力なんです。岩泉は剣を握り勢いよく及川に降りかかる。及川も頭がいい、茄智が作り出した者でも岩泉本人では無い、傷付けて倒せばいい。
持っていた剣で目の前の岩泉の右腕を着る、血が流れる。

「あー及川さーん。あんま岩泉さん虐めない方がいいですよ。痛いって、そんな斬っちゃったら」

篠久保が何を言っているのか分からなかったが、まさか。と本物の岩泉を見ると先程及川が傷つけた右腕から血が出ていた。
クスクス笑う茄智を睨みつける。

「私は治癒能力を持っていますが、本来の能力は創り出す事です」

「鴉原ってそんな化け物隠してたのかよ」

「化け物だなんて、分かってて鴉原の地区に来たんじゃないですか?殺される覚悟があったのでしょう。覚悟を無駄にしちゃいけませんもんね。だったら殺してあげます」

「茄智怒らせちゃったね、こりゃ止められねえわな、桐谷以外」

「さぁ、及川さん。目の前の岩泉を倒さないと殺されちゃいますよ。それとも怖いですか?傷付けたら岩泉さん本体にも傷付けて殺しちゃうかもしれない事に。ビビッてたら何も出来ません、ほら攻撃して。逃げてるだけじゃつまらない。観客を盛り上げないと」

さぁ、さぁ。及川さん。
茄智が煽る中必死に岩泉の攻撃を避ける。茄智が言った通り傷つけるのは怖い。幼馴染みだ、岩泉を失いたく無い。しかし逃げてるばかりだと自分が殺されてしまう。今の茄智を止められるのは彰弥しかいない。

「茄智」

静かに声だけが響いた。
茄智は驚いたように声がする方へ向く。

「俺、その能力嫌い」

「知ってる、でも彰弥君傷付けたんだよ」

「この傷あの人達じゃないから。化け物の仕業、だから能力解いて。ここを戦場にしたら牛島さんが来ちゃう」

茄智は頷き、能力を解く。
すると及川の前から岩泉は消える。
桐谷は倒れて指一本動かすのもやっとだろう。桐谷に助けられた。牛島という名前を出せば岩泉も及川も眉間に皺が寄る。確かに今戦いたく無い相手だ。ここを戦場にしたら牛島に桐谷達万能者を連れて行かれてしまう。それは避けたい。

「すげぇ、鶴の一声。まぁ、さっさと仲間連れて帰った方がいいっすよ、多分茶葉と戦っている連中もボロボロでしょう。またこうやって血の臭いを漂わせておくと化け物がくるから、今日は解散しましょうよ」

「及川引くぞ、流石にやべぇだろ」

「そうだね、ありがとう、彰弥君」

助かった。
でも君の事は諦めて無いから。そう言われたような気がした。

「やっぱ及川さん殺しておこうかな、彰弥の教育に悪い」

「お前は母ちゃんか。おーい、桐谷生きてっか、もうそろそろ七瀬来るから頑張れ、くたばんなぁ」

「血が足り無い、死にそう、身体怠い」

「私が治す」

「ちゅーしたら俺怒るかんな、茄智」

「ばれたか。しないよ、彰弥ちゅー嫌いだもん。ちゅーして治すんだったら痛みを味わった方がマシだ。ってこの前言われちゃった。ショック」

「そりゃ妹からちゅーされても嬉しくねぇだろ」

「私諦めないもん」

「何に対して?」

「ちゅーを」



数時間経って、誰かがあと形も無く、ここには何も起こってませんよ。と証拠を隠すした筈の場所で牛島は地面に触れる。微かに残っている血痕。誰かが争った形跡。誰だ?と言ってもここは鴉原の地区。つまり鴉原とどこかが争ったのだろう。
警察から逃げるように鴉原の人間はいない。
何について荒そっていたのか。気になる。

まず、鴉原が動き出したのか?
牛島は滅多に動かさない表情筋を動かし

大久保叔と。鴉原のボスの名前を囁く。
黙っていられないな。とその場をあとにする。