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ネタ


下ネタ?いや、下品なネタをいきます。
アァア、パソコン飽きたよおおおおお。早く自由になりたいよおおおおおお。






「女バレって全員処女?」


……………。え?


この間0.5秒。
主将大久保は爆笑して、隣にいる篠久保の肩をバンバン叩く。そんな篠久保はわたし彼氏いるんですけど。と睨む。その隣で必死に笑いを堪える茶葉、わたしこう見えてもモテモテなんですけどぉ。と言いながら茶葉の隣の蒼崎は、なになに?わたし達と乱交したいのー?とちょっと頭のネジが緩んだセリフを吐く。その隣で大倉はえ?誰が処女なんですか?ねぇ!今から女子トークしましょうよ、と言って他2人はこの間0.5秒で体育館から逃げる。

「でもあたし達そんな会話しないね。ちょっと楽しそうだからやろうよ!女子トーク!篠久保の彼氏の話ちょー聞きたぁい」

「うるせぇよ、ビッチ。お前ホイホイ股開いてるって聞いたんですけどー」

「やだ、あたしホイホイ股開いてませーん。あたしが可愛いからって嫉妬しないで。わたしが股を開くのは5歳以下の女の子だけ。むしろ開ける側」

「でもさぁ、瑛ちゃんってずーっと茄智くんと付き合ってるんでしょ?週何回ペースでやってるの?腰痛めてる要素見当たらないから茄智くんは優しいんだろうねぇ」

「ちょっと!なんでわたしだけなの?わたし以外にもいるでしょう、女子は!てか男子も興味本位なのか知りませんけど、正座で待機しないで下さい、練習しろよ」

「だって女バレの性事情なんて滅多に聞けねぇし、気になるじゃん」

「そうそう、七瀬と桐谷は?逃げたな」

「ちょーーーっと聞きたいんだけどさぁ、弥生ちゃんって処女でファイナルアンサー?」

「弥生のそういう話聞いた事ないよね、てか彼氏いた話も聞いた事無い。いたのかな?え?気になってきた、ちょっと呼び出そうよ、事情聴取だ」

プルルルルプルルルル

-----ただいま留守にしております。

「留守してねぇだろ、アホか!呼び出せ呼び出せ」

プルルルルプルルルル

----ただいま留守にしております。

ガチャ

「ちっす」

練習に来た京谷の両手には七瀬と桐谷が今にも逃げ出さそうな勢いで暴れている。ナイス京谷の部員の誰もが思っただろう。

「歩いてたら猛スピードで走ってたんで捕まえた。練習だろ」

「練習じゃねぇよ、どう見ても男子正座してるじゃん、これのどこか練習に見えるの?頭おかしいんじゃない?バカ、アホ、単細胞」

「あー京谷のバカ力め。絶対逃げられたのに、体力には自信あったのに。こんな空間に連れてきやがって、後で恨む。バイキング奢れや、アホ」

「まぁまぁ落ち着いて。ほら、たまにはさ、こういうコミュニケーションも必要だと思うからね」


「必要じゃないよ、部員の性事情なんて興味無いからわたしをお家に帰して」

「弥生がなくてもわたし達はあるの」

「じゃあまず主将の大久保からね」

「話聞け、死ね」

「わたしー?わたしこう見えても処女だよ。彼氏はいたけど、やっば同年代だとダメ。年下じゃないと、あ、でも花巻さんならわたしの処女奪ってもいいですよ?だってだぁい好きですもん」

「下品、ほんと下品、お家に帰して。今すぐラブホ行って花巻さんに処女奪われてこいよ」

「俺でよろしかったら是非。てか大久保って俺のこと本当好きだよな」

「うん、だぁい好き」

「あああ、本当帰りたい帰りたい帰りたい。弥生、今日のご飯何ー?」

「オムライスかハンバーグで迷ってる」

「ハンバーグがいいなぁ」

「いいよ」

「及川さんも行きたい」

「何言ってるんですか、及川さん、弥生のご飯はわたしと茄智だけのですから、他人の及川さんに弥生の手料理は食べさせてあげませーん」

「次篠久保ー。唯一の彼氏持ち」

「えー、言わないとダメ?でもまぁ、初は茄智と中学の頃、それからは週一ペース、お互い月曜日休みだから日曜日の夜やる事が多い」

「好きな体位は?」

「騎乗位」

「きゃーーーー!さすがっす!!」

「次はーあずにゃーーん。はい、僕ですね、待ってましたね、この可愛いキャラのあずにゃんはですね、ふふふふふふ、ね?ね?ね?」

「お、おう」

「ね?じゃ分からないんですけど、はい、誰が通訳呼んで」

「いや、こいつ処女だよ。」

「何でまっつんが知ってる?」

「梓の処女は俺がもらってもいい?って聞いたら顔真っ赤にして頷いてくれたから。まぁ、梓が高校卒業したら貰う予定」

「ああああ、さすがまっつんだよ、かっこいい、イケメン、素敵ーーーー」

「次は蒼空」

「発言を拒否します」

「無理」

「いやいやいや、ね?ほら、ね、うん、恥ずかしいからね、うん、その、ね」

「何恥じらってるの?岩泉さんと付き合ってるんでしょ?」

「え?」

「ん?」

「は?」


……………この間0.5秒

「弥生ちゃああああん?気付いてたの?」

「え?ん、まぁ、気付いてたけど、蒼空から言わなかったから黙ってた。ごめん」

「なにそれ!岩ちゃん初耳だよ、どうして黙ってたの?俺たち幼馴染だよね?」

「うるせぇな」

「じゃあ岩泉、やったのか?七瀬とやったのか?」

「いつ?え?やったの?」

「昨日?そういえば昨日ご飯食べに来なかったね、わたしぼっち飯久しぶりで寂しかったから影山と日向呼んだ」


「ちょっと待って、何でトビオちゃん呼んだの?俺がいるじゃん、俺。どうして他校の後輩を家に連れ込んだのさ?よりによってトビオかよ!」

「まぁ、御察しの通り昨日は岩泉さんの家に居たからご飯食べなかったけど、また影山と日向呼んだんだ」

「まぁね、たまたま会って、2人とも親が出張でいなかったらしいからご飯を外で食べようとしてたらしい、そこでわたしと会ってそのままわたしの家でご飯食べた感じかな?」

「2人泊めたのー?」

「だって21時過ぎてたし、危ないから泊めた」

「乱交プレイっすか?先輩、3Pだ、さすがっす、桐谷さんって純粋そうに見えて実は淫乱だったら美味しいっすよねぇ。いつも表情筋を動かさないのに、セックスになると自分から求めるって萌えるわ」

「しねぇよ、んなこと」

「ねぇねぇ、弥生ちゃん。弥生ちゃんは処女なの?それとも茶葉ちゃんが言うように淫乱さんなの?」

「発言を拒否します」

「あたしも気になるー、だって弥生そういう話一切しないじゃーん。あたしよく言ってるよ、今日も花巻さんかっこいいとか、実は甘党なのとか、ちょー言ってるのに弥生なーんにも言わないの、つまんなーい」

「確かにきりやんの噂とかねぇよな。告られても全部断ってるって聞くし、まぁ、大久保もだけど」

「だってあたしには花巻さん一筋だから断りますー。ホイホイ股開くビッチじゃありませーん」

「うるさいんで、花巻さん、今からこいつに告白して下さいよ、両思いのくせに告白しないとか。こっちとしてはいい迷惑ですか、いつもいつもいつも花巻さんの話聞かされるの。花巻さんが、花巻さんも、花巻さんって、花巻さん本当大好きって毎日言う」

「きゃーー、恥ずかしいから言うのやめてー」

「本当うぜぇな」

「弥生本当のこと言っちゃダメ」

「大久保さんが彼氏出来たら大久保さん目当ての男が泣きそうですね、茶葉もだけど」

「大倉も人のこと言えなくない?結構告られてるんでしょう?知ってるんだからー」

「この人情報屋か!」

「茄智に聞いても弥生の事分からねえって言ってたな。確か。好きな人いないのー?って聞いたら好きなバンドのドラムの名前言われたって」

「結婚するならあの人って決めたから」

「あー確かにあの人かっこいいよな、てかドラム叩いているとかちょーイケメンなのに、笑顔可愛いの。そのギャップに女子はやられる」

「もしかして、あのバンド?ほら、この前アルバム出した」

「そうです、松川さん知ってるんですか?」

「知ってる知ってる。だって俺も好きだから。ベースかっこよくね?クールなのに、ライブ中は上半身裸で一番はしゃいでる。いいよな」

「バンドマンに恋する桐谷。一人でライブ行っちゃうぐらいだもんね」

「すげぇ。んで?茶葉とかは彼氏いないの?」

「わたしはいないですよー。好きな人はいますよ、勿論。アタックしてるんですけど、なかなか奥手で。本当国見大好きだ、このやろーーーう!」

「まさかの国見ーー」

「可愛いじゃないですか、必死にアタックしてくる茶葉。気付かないふりして本当は今すぐ抱きたいって思ってますからね」

「ここにも両思いいたよ、オーラがピンク。なにこの部活リア充しかいないよ、岩ちゃんも、マッキーも、まっつんも国見ちゃんも!」

「ちなみに大倉は梟谷の赤葦さんと付き合ってますよ」

「え?そうなの?初耳」

「だって言ってなかったですもん。わたし頑張りましたよ、猛アタックしましたもん!そしたらオッケーもらったんですー!きゃーー嬉しいーー、遠距離でもラブラブでーーーす」

「あれれー?及川だけボッチじゃね?」

「確かにー!いいんですか、及川くーん。大好きな大好きな彼女に告白しなくても、君がうじうじしていると後輩のトビオちゃんに奪われてしまいますよー?」

「桐谷本当に彼氏いねぇのか?」

「いませんよ」

「元彼はー?」

「トビ、あ、いないです」

「え?え?え?影山なの?元彼!え?うそ、本当?いついついつ?ねぇねぇ、いつ付き合ってたの?」

「チッ」

「嘘でしょう?トビオちゃん元彼なの?」

「違います、間違えました、わたしは処女で、彼氏いない歴イコール年齢ですから」

「ほら、吐いちゃいなって。弥生だけだよ、女バレのスタメンで男いないの!いいの?青春しようよ」

「影山と接点あったのが不思議だと思ってたけど、元彼だったら納得するかも」

「きりやーん、言ってやれって、ここにきりやんの事気になって今日もサーブ打てないとかほざくアホな主将がいるからさぁ」

「本当にトビオとは付き合って無いですよ、ちょくちょく会うんでご飯とか食べてたぐらいです。彼氏でもないですから」

「とか言って本当はー?」

「トビオって言ってる時点で怪しい」

「追い詰められると桐谷さんは弱いですよね」

「はやくー!はやーく!待ちきれない!」

「そういえば、携帯のロック0529その意味は?」

「なんで知ってる?」

「たまたま見ちゃった。んでその意味は?」

「あれ、05は?」

「きりやんの背番号」

「29は?」

「お肉?」

「ばか、もっと頭働かせろ!絶対肉じゃないでしょう、きりやんって5月29日生まれ?」

「いや、こいつ七夕生まれですよ」

「え?じゃあなんだ?」

「2と9で分けて考えてみようぜ」

「05が背番号だという事は2も背番号じゃん、城西で考えると松川さん、鴉野で考えたら菅原さん、9は影山」

「あ!9は影山だよ、つー事は2も影山じゃない?ほら、北一の背番号って確か2だったよね?」

「はい、弥生ー、もう逃げられない」

「やだぁ、顔真っ赤。ちょー可愛い」

「弥生の元彼はー?」

「トビオです」

「きゃーーーーーーー!可愛いーーー!影山と付き合ってたんだ?今は?てかなんで別れちゃったのー?」

「及川ァアアアアアアア!!!!ショックで倒れちゃったよ、お前が聞き出したんだろーが!なにショック受けてやがる」

「多分影山に奪わらた事がショックだったんじゃないの?」

「やだ、恥ずかしいから言わない」

「ねぇねぇ、どこまで進んだの?弥生の初めてって影山?どう?やっぱテクニックすごかった?」

「影山呼んじゃおうよ」

「それだけはやめろ、及川のライフがゼロになる、むしろマイナスだ。やめてやれ」

「えー!じゃあわたしたちだけで聞くからいいもーん。ほらほら電話してみよう、ちょー聞きたい」

「弥生ちゃんの携帯ロック番号0511にしてやる、及川さん頑張るから、絶対0511に変えてやる」

「おおお!及川よく言った!」

「ちなみに及川の携帯ロック番号は?」

「7720」

「どーゆう意味?」

「弥生ちゃんと俺の誕生日」

「え?まじですか?なんでわたしの誕生日知ってるんですか」

「ぐっ!大人の事情だよ」

「及川さん頑張ってー。ほら、この子鈍感だからアタックしないと振り向いてもらえないですよ、まず気づかないつーね」

「影山と付き合ってたのって中学から?ねぇ、気になってバレーな出来ない」

「中学から付き合ってた、別れたのだってつい最近だし。なんで別れたんだっけ、あ、バレー優先にしよう。ってお互いなって別れて、でも今でも普通に泊まりに来てますね。トビオの家にもよく行くし」

「バレーバカ2人はこうやって別れたのか」

「及川さん息してぇえええ!!!!」

「でもまた付き合えるんだったら付き合いたいですね、トビオと一緒にいるの楽だったんで」

「ああああ!及川さん!!頑張ってぇえええ」

「きりやん恐ろしいわ。及川をここまで追い込むとは。もうすげぇとしか言えね」

「俺頑張れるかな?トビオに勝てるかな」

「勝たなきゃそこで試合は終了ですよ」

「アァア!!!七瀬さん!!!」



ネタネタ


こんにちは。仕事をサボっているわけでは無いのですが、私にはデスクワークがとてつもなく苦手な事によって、あーーー飽きたなぁ。あ、そうだ、ネタでも投稿しよう。とスマホを片手に堂々としているのは私だ。はい、元気です。
女体化のネタが楽しくて、でもこういう歪んだネタを書くのがうっほーーいってなっている私はもう手遅れだ。逆行ネタっぽくしようかなぁ。と思ったら変な文章になりました。なんか、いろいろなネタを書いている為設定がごちゃごちゃ、今度ちゃんとした設定考えて、いや、今考えれられる、よし、今考えてきます。まとめてからちゃんと修正して行こうと思います。あー。文才が欲しいです。




これで何回目だろうか?
世間で言う呼び出しというものをわたしは今いただいている。勿論男じゃない、女、集団の女。多分先輩、化粧濃いわ、香水プンプン、鼻もげる。マスク、急募マスク。ちょっとあんたなんなのよ?って言われてもわたしはただの女子バレー部ですけど?何か問題でもありますー?って言いたいところだが、一応先輩なので何も言わない。クソ、呼び出ししやがって、授業サボちゃったじゃん。わたしこう見えても優等生なの、あんた達みたいに暇人じゃないの、わかる?
呼び出しくらった理由はなんとなく、なんとなーく分かる、だからムカつく。言いたいことあるならあっちに言えよ、関係ないし。
でもあっちに言えないからわたしに言うのね、わかってる、だって女って馬鹿だもん、わたしも馬鹿の一員になってしまうけど。でも目の前の人間と同じ人間じゃないわ、ここ重要よ。

及川くんの何なの?
いや、先輩後輩ですけど。てかあんたらみてる?わたし達の練習みてる?普通に、本当普通に喋ってませんよね?わたしと及川さん。むしろわたしが毛嫌いしてるから関わらないでオーラ出してるの、関わらないで、近寄らはいで、はい、むーりー。ってなってるのわからないの?しかも及川さんも及川さんで、天才嫌いだからわたしの事は嫌い。
天才天才天才天才天才って、わたしは天才じゃないし、クソ。生まれてここまで努力して全国三本レベルのセッターになったわけ、天才だったらすーぐ何もしなくても、はい、セッター、凄い全国レベルだわ。ってなるけど、ちゃんと練習してるし、負けたくないから頑張ってるの。なのに天才って、わたしだって嫌な気持ちにもなるわ。

あ、黙ってたら胸倉掴まれた。
こわーい、こわーい、こうさーん。
はい、ごめんなさい、冗談です。さすがに手をあげられたら困る。だって試合近いし。どうしようか。
「あんたさぁ、目障り。及川くんの特別でも思ってるの?可愛くねぇくせに調子こいてんじゃねぇよ」

「はぁ?え?不細工って言いたいんですか?」


あ、やばい。
開いたお口は止まらない。
ごめんなさいね、先輩方。わたしこう見えても性悪なの、大久保に次いで性格悪いの。

「そんなに化粧して可愛くなってる方々に不細工って言われたくありません。スッピンを及川さんに見せられますか?見せられないから化粧してるんでしょう?笑わせないで下さいよ、自分で言ってて恥ずかしくないんですか?笑える」

「テメェ」

「あはははは、なにムキになってるんですか。だいたいわたしと及川さんはなんの関係もありません、及川さんもわたしの事が嫌いで、わたしも及川さんの事だーい嫌いですからご安心を」

すると女たちは胸倉を掴む手を離す。
及川さんのあの冷めた目で見られるわたしは相当嫌われている、影山二号だって言われてるぐらいだもん、何が影山二号よ、影山にもわたしにも失礼じゃない?影山も努力してるし、わたしは王様とは思わない。勝手に王様って言いやがって、ぶん殴るぞ、って言ったら大久保に止められた。
わたしはため息を吐いて、皺くちゃになったブレザーを整える、そして一礼して

「あんな餓鬼みたいな嫌がらせで自分のモチベーションを上げるような男なんて大嫌いですから」

体育館裏から出てていくと、花巻さんと松川さんとばったり会った、なにこれ?運命?でも残念、わたし運命信じないし、今物凄く機嫌が悪い。及川さんも嫌いだけど、岩泉さんも好きじゃないの。表では及川さんの事をボロクソ言っているけど、内心は及川さんを絶対に裏切らない。つまり味方、そういう人が一番厄介だって思っているから、まず人を信じない時点でわたしは終わっているかもしれないけど。女バレだけでいい、他はいらない。こうやって何回も何回も呼び出しくらうのは心底迷惑。
花巻さんと松川さんに頭下げると腕を掴まれる。

「何ですか?」

「及川の事相当嫌ってんなぁって思って、結構声響いてたぜ?多分及川の耳にも入ってる」

これはこれは困った。
今日の部活嫌がらせされちゃうかな?そしてまた知らない女子から呼び出しくらうかな?

ほんとイラつくな、あの男。

「だから何ですか?」

「おお、強気ー。女王様は誰に対してもそうなの?いや、違うか、女バレにはそういう態度とらねぇよな」


挑発?
煽ってる?
どっちもか。
ほんと男子は及川さん大好きだね、笑えるよ。
まずわたしは女王様じゃないし、誰?わたしの事女王様とか呼んだやつ?生まれも育ちも庶民ですけど。
掴まれた腕に力がこもる。
折れたらバレー出来ない、トスあげられない。でも腕が折れたら及川さんは喜ぶかな、また一人天才が減ったと。

「バッキバキに折ってボール触れない腕にでもする気ですか?いいですね、それ、及川さんが望むシナリオ通りじゃないですか。わたしを潰す。そしたら天才を見なくて済む。」

「きりやん落ち着いて、煽った俺が馬鹿だったから話を聞いて」

「バレーを奪ったら何が残るでしょうか?」

「きりやん!話聞けって」

「あの冷めた目から逃れることが出来るんだったらどうぞ、このクソな腕を折って下さい。わたしからバレーを奪ってもいいです。そしたら及川さんもイラつく事なくバレー出来るでしょう」

花巻さんに頬叩かれる。
じんじん痛みが広がる。
腕を掴む手は離される。そんなにわたし暴走してたのか。って思うと馬鹿げた。

「俺の話を聞けって、暴走すんなよ」

「嫌ですよ、どうせ、及川はいい奴だから及川を許して欲しいとか言うんでしょう?」

許して欲しい訳じゃない。
天才と呼ばれてしまっている以上この関係の修復は無理に等しい。改善出来るならとっくにしている。
私たちは不器用なのだ。多分そう。
お互い認め合いたくない。

複雑そうに花巻さんはわたしを見る。
何だろう、この目、知っている。花巻さんも松川さんとは必要最低限しか喋らない。

「彰弥と同じ道を歩んでるよ、これじゃ。あーもう、及川、ふざけんなよ」

彰弥。
誰?名前的に男。この学校入学する時篠久保にも言われた名前。え?彰弥まさかの女なの?と。意味が分からなかった。わたしは弥生だし、男でも無い。
次はわたしが花巻さんの腕を握る番だった。彰弥とは誰なのか?バレーの世界では聞いたことが無い。わたしの知らない人、でもちょくちょく聞く名前。わたしと彰弥はどういう関係なの?

「彰弥って篠久保にも言われました。わたしを見て言ったんです。わたしの周りには彰弥なんていないのに。どうしてみんなわたしを見て彰弥って言うんですか?」

「え?瑛ちゃん1回目覚えてる人なの?まじか。ちっと話してみっぺ」

松川さんはどこかへ消えてしまった。
二人きりになって無言が続く。
やはり答えづらいのか、腕を掴むのをやめて下を向く。もやもやする、どこか心の中が空っぽになった感覚。思い出そうとしてもわからない。
涙が出そうになる。こんなにも弱かったっけ?強かったのに、でも強かったのはいつの話?
わたしはいつも弱かった。

「弥生ちゃんは及川のどこが嫌い?」

「え?」

「ほら、ちょー嫌ってんじゃん。何が理由でそんなに嫌ってんのかな?って」

「さぁ、気付いたら嫌いでしたから。あの冷たい視線でいつも見られると、あ、わたしは及川さんに嫌われているんだって思いました。わたし以外には笑うのにわたしには笑わない、何も教えてくれない。まぁ、教わんなくてもわたしは強いからいいんですけど。でも天才は何もしなくてもいいよね。って言われた時に、この人は無理だと思ったらからですかねぇ」

あれ、ズキズキ頭が痛い。

-------及川さんには何も分からないですよ。
-------天才と呼ばれた男がどんなに努力しているか

神様に選ばれていたら俺は身長だってあった、パワーだってあった。技術も誰にも負けないバレーの神様に愛された人間として生まれた筈。でも神様は俺を天才として認めてくれなかった。身長は170しかない、パワーだって無い。なのに及川さんは俺を天才と呼びます。俺だって負けたく無いから努力した、教えてくれないから技を盗んだ。努力が積み重なって全国3本指に入るセッターとして活躍したのに。

どうして認めてくれないんですか?

誰の記憶?
わたし?でもわたしは女だし。

彰弥?

「わたしは弥生でも彰弥でも及川さんに嫌われていたんですね」

「は、え?彰弥?」

違う違う、目の前の子は弥生ちゃんのはず。なのに雰囲気が彰弥だ。鴉原高校天才セッター桐谷彰弥だ。弥生ちゃんは記憶を戻した。1回目の記憶を。
目付きが変わった。

あの笑い方。
目を見ずに自傷的笑い、すっと目を細める。

「だったら関わらなければいいんじゃいですか?だって俺は彰弥だし弥生でもあるんだから。嫌いなら俺の存在を消せばいい、俺は消します。及川徹という人間を」

俺に背を向け、その場から去る。
及川、早くしろよ、お前がそんな捩れた性格だから弥生ちゃんは彰弥の記憶を戻した。

「きりやん」

「所詮花巻さんもあっち側の人間なんですから、俺に関わらないで下さいよ」

「ちげぇよ、話聞け、お前はいっつも自分で話進めて何も聞きやしねぇ、及川の言葉も聞いてやれよ、どんだけ頑固なんだよ、バカ」

「じゃあせめて弥生だけでも優しくしてやって下さいよ、弥生は女なんだ、彰弥のように男じゃないし、弱いんだよ、強気でいるかもしれねぇけど本当は辛かったんだ、我慢しようとしても彰弥みたいに涙腺が強いわけでもねぇし、男の時みたいに接するな」

彰弥の言葉に言葉を失う。
弥生は女なんだ、男の彰弥のように強いわけでは無い、男の時はこんなにも女子から呼び出しは無かった。だって彰弥は男だから。でも今は女、女は少しでも気にくわないとすぐに呼び出し、何回も見知らぬ女から呼び出しをくらっている弥生はもう心に余裕が無かった。だから思い出したく無かった。ボソッと彰弥は言う。

同じ扱いしないで欲しい。

「俺は今は女なんですよ、もしこのまま彰弥の記憶が戻らなかったら弥生は更に傷付いていたかもしれないんですよ」

「でも」

「これからは弥生は俺が守ります。だからほっといて下さいよ。もう傷付きたくはありません」

それではさようなら。花巻さん。と今度こそその場から去る。弥生が去ってから暫くして大久保が現れる。あーあ。とため息を吐いて思い出してしまったんですね。と花巻に問いかける。
1回目の記憶を持っているのは、男子バレー部と大久保と篠久保だけ。

「及川さんと桐谷はどうしてここまでギスギスするんですかね。何回も何回もやり直しても結局はこうなってしまう」

1回目の人生はお互い男で、しかも同じポジション。天才と呼ばれた桐谷、天才を嫌う及川。
天才というレッテルを貼られた桐谷。周囲も天才と呼ぶようになった。天才で苦しめられた。所詮天才だ、天才は努力しなくても頂点をすぐに掴めるからいいよな。と言われるようになった。
勝手な事を言われるのが気にくわない。影山以上に叩かれた。影山のように天才だが、天然が入った彼を責めようとはしない。その代わりに桐谷はどうだ?天才、しかも頭の回転がいい。周囲が気にくわないのも分かる。言葉には気を付けろ。とよく言われた。

嫌な言葉はヘッドホンでシャットアウト。
聞かない、聞くのは仲間の声と好きなアーティストの音楽。

天才から逃げたかった。
天才と呼ばないで、天才では無い。

俺は天才じゃない。

やっと素直になれる時には遅かった。桐谷はもう限界に近かった。全日本にも選ばれた2人。犬猿の仲とも言われた、生セッターは桐谷、小柄な体格でもセッターとしては世界トップレベルと言われた。でも天才のレッテルは剥がれない。
日本が4位という快挙を成し遂げた後に桐谷は姿を消した。すぐ戻ります。と合宿先のホテルに置き手紙。

戻るはずが無い。

「俺は天才じゃないですよ、及川さん」

空港で呼び止め、振り向いた桐谷は一言。

「俺はあなたのように、なりたかった」

「彰弥、行くな」

「あなたには分かりませんよ、天才と呼ばれ続けた人間の心境なんて。言う側は気にしてませんけど、天才のレッテルを貼られた側は辛いんです。」

よかったですね、俺がバレーから逃げますから、これからはあなたが主役です。
握った手が離れる。大きなキャリーバッグを引き、桐谷は日本から逃げた。

「二回目はいい感じに行くかなぁって思ったら及川さん記憶あるんだもん、そりゃうまくいかないですよ。」

「一度手離した事を分かっているのにどうしてあいつは素直になれねぇんだが」

「見てるこっちがヒヤヒヤしますよー。どうしますかあ?花巻さーん」

「どーっすかな。結構面倒い事になっちまった」

「弥生はわたしに任せてもらってもいいですか?ちょっと頑張ってみます。だから及川さんよろしくお願いします」

せっかくの二回目の人生です。
2人を幸せにしましょうよ。
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