こんにちは。仕事をサボっているわけでは無いのですが、私にはデスクワークがとてつもなく苦手な事によって、あーーー飽きたなぁ。あ、そうだ、ネタでも投稿しよう。とスマホを片手に堂々としているのは私だ。はい、元気です。
女体化のネタが楽しくて、でもこういう歪んだネタを書くのがうっほーーいってなっている私はもう手遅れだ。逆行ネタっぽくしようかなぁ。と思ったら変な文章になりました。なんか、いろいろなネタを書いている為設定がごちゃごちゃ、今度ちゃんとした設定考えて、いや、今考えれられる、よし、今考えてきます。まとめてからちゃんと修正して行こうと思います。あー。文才が欲しいです。




これで何回目だろうか?
世間で言う呼び出しというものをわたしは今いただいている。勿論男じゃない、女、集団の女。多分先輩、化粧濃いわ、香水プンプン、鼻もげる。マスク、急募マスク。ちょっとあんたなんなのよ?って言われてもわたしはただの女子バレー部ですけど?何か問題でもありますー?って言いたいところだが、一応先輩なので何も言わない。クソ、呼び出ししやがって、授業サボちゃったじゃん。わたしこう見えても優等生なの、あんた達みたいに暇人じゃないの、わかる?
呼び出しくらった理由はなんとなく、なんとなーく分かる、だからムカつく。言いたいことあるならあっちに言えよ、関係ないし。
でもあっちに言えないからわたしに言うのね、わかってる、だって女って馬鹿だもん、わたしも馬鹿の一員になってしまうけど。でも目の前の人間と同じ人間じゃないわ、ここ重要よ。

及川くんの何なの?
いや、先輩後輩ですけど。てかあんたらみてる?わたし達の練習みてる?普通に、本当普通に喋ってませんよね?わたしと及川さん。むしろわたしが毛嫌いしてるから関わらないでオーラ出してるの、関わらないで、近寄らはいで、はい、むーりー。ってなってるのわからないの?しかも及川さんも及川さんで、天才嫌いだからわたしの事は嫌い。
天才天才天才天才天才って、わたしは天才じゃないし、クソ。生まれてここまで努力して全国三本レベルのセッターになったわけ、天才だったらすーぐ何もしなくても、はい、セッター、凄い全国レベルだわ。ってなるけど、ちゃんと練習してるし、負けたくないから頑張ってるの。なのに天才って、わたしだって嫌な気持ちにもなるわ。

あ、黙ってたら胸倉掴まれた。
こわーい、こわーい、こうさーん。
はい、ごめんなさい、冗談です。さすがに手をあげられたら困る。だって試合近いし。どうしようか。
「あんたさぁ、目障り。及川くんの特別でも思ってるの?可愛くねぇくせに調子こいてんじゃねぇよ」

「はぁ?え?不細工って言いたいんですか?」


あ、やばい。
開いたお口は止まらない。
ごめんなさいね、先輩方。わたしこう見えても性悪なの、大久保に次いで性格悪いの。

「そんなに化粧して可愛くなってる方々に不細工って言われたくありません。スッピンを及川さんに見せられますか?見せられないから化粧してるんでしょう?笑わせないで下さいよ、自分で言ってて恥ずかしくないんですか?笑える」

「テメェ」

「あはははは、なにムキになってるんですか。だいたいわたしと及川さんはなんの関係もありません、及川さんもわたしの事が嫌いで、わたしも及川さんの事だーい嫌いですからご安心を」

すると女たちは胸倉を掴む手を離す。
及川さんのあの冷めた目で見られるわたしは相当嫌われている、影山二号だって言われてるぐらいだもん、何が影山二号よ、影山にもわたしにも失礼じゃない?影山も努力してるし、わたしは王様とは思わない。勝手に王様って言いやがって、ぶん殴るぞ、って言ったら大久保に止められた。
わたしはため息を吐いて、皺くちゃになったブレザーを整える、そして一礼して

「あんな餓鬼みたいな嫌がらせで自分のモチベーションを上げるような男なんて大嫌いですから」

体育館裏から出てていくと、花巻さんと松川さんとばったり会った、なにこれ?運命?でも残念、わたし運命信じないし、今物凄く機嫌が悪い。及川さんも嫌いだけど、岩泉さんも好きじゃないの。表では及川さんの事をボロクソ言っているけど、内心は及川さんを絶対に裏切らない。つまり味方、そういう人が一番厄介だって思っているから、まず人を信じない時点でわたしは終わっているかもしれないけど。女バレだけでいい、他はいらない。こうやって何回も何回も呼び出しくらうのは心底迷惑。
花巻さんと松川さんに頭下げると腕を掴まれる。

「何ですか?」

「及川の事相当嫌ってんなぁって思って、結構声響いてたぜ?多分及川の耳にも入ってる」

これはこれは困った。
今日の部活嫌がらせされちゃうかな?そしてまた知らない女子から呼び出しくらうかな?

ほんとイラつくな、あの男。

「だから何ですか?」

「おお、強気ー。女王様は誰に対してもそうなの?いや、違うか、女バレにはそういう態度とらねぇよな」


挑発?
煽ってる?
どっちもか。
ほんと男子は及川さん大好きだね、笑えるよ。
まずわたしは女王様じゃないし、誰?わたしの事女王様とか呼んだやつ?生まれも育ちも庶民ですけど。
掴まれた腕に力がこもる。
折れたらバレー出来ない、トスあげられない。でも腕が折れたら及川さんは喜ぶかな、また一人天才が減ったと。

「バッキバキに折ってボール触れない腕にでもする気ですか?いいですね、それ、及川さんが望むシナリオ通りじゃないですか。わたしを潰す。そしたら天才を見なくて済む。」

「きりやん落ち着いて、煽った俺が馬鹿だったから話を聞いて」

「バレーを奪ったら何が残るでしょうか?」

「きりやん!話聞けって」

「あの冷めた目から逃れることが出来るんだったらどうぞ、このクソな腕を折って下さい。わたしからバレーを奪ってもいいです。そしたら及川さんもイラつく事なくバレー出来るでしょう」

花巻さんに頬叩かれる。
じんじん痛みが広がる。
腕を掴む手は離される。そんなにわたし暴走してたのか。って思うと馬鹿げた。

「俺の話を聞けって、暴走すんなよ」

「嫌ですよ、どうせ、及川はいい奴だから及川を許して欲しいとか言うんでしょう?」

許して欲しい訳じゃない。
天才と呼ばれてしまっている以上この関係の修復は無理に等しい。改善出来るならとっくにしている。
私たちは不器用なのだ。多分そう。
お互い認め合いたくない。

複雑そうに花巻さんはわたしを見る。
何だろう、この目、知っている。花巻さんも松川さんとは必要最低限しか喋らない。

「彰弥と同じ道を歩んでるよ、これじゃ。あーもう、及川、ふざけんなよ」

彰弥。
誰?名前的に男。この学校入学する時篠久保にも言われた名前。え?彰弥まさかの女なの?と。意味が分からなかった。わたしは弥生だし、男でも無い。
次はわたしが花巻さんの腕を握る番だった。彰弥とは誰なのか?バレーの世界では聞いたことが無い。わたしの知らない人、でもちょくちょく聞く名前。わたしと彰弥はどういう関係なの?

「彰弥って篠久保にも言われました。わたしを見て言ったんです。わたしの周りには彰弥なんていないのに。どうしてみんなわたしを見て彰弥って言うんですか?」

「え?瑛ちゃん1回目覚えてる人なの?まじか。ちっと話してみっぺ」

松川さんはどこかへ消えてしまった。
二人きりになって無言が続く。
やはり答えづらいのか、腕を掴むのをやめて下を向く。もやもやする、どこか心の中が空っぽになった感覚。思い出そうとしてもわからない。
涙が出そうになる。こんなにも弱かったっけ?強かったのに、でも強かったのはいつの話?
わたしはいつも弱かった。

「弥生ちゃんは及川のどこが嫌い?」

「え?」

「ほら、ちょー嫌ってんじゃん。何が理由でそんなに嫌ってんのかな?って」

「さぁ、気付いたら嫌いでしたから。あの冷たい視線でいつも見られると、あ、わたしは及川さんに嫌われているんだって思いました。わたし以外には笑うのにわたしには笑わない、何も教えてくれない。まぁ、教わんなくてもわたしは強いからいいんですけど。でも天才は何もしなくてもいいよね。って言われた時に、この人は無理だと思ったらからですかねぇ」

あれ、ズキズキ頭が痛い。

-------及川さんには何も分からないですよ。
-------天才と呼ばれた男がどんなに努力しているか

神様に選ばれていたら俺は身長だってあった、パワーだってあった。技術も誰にも負けないバレーの神様に愛された人間として生まれた筈。でも神様は俺を天才として認めてくれなかった。身長は170しかない、パワーだって無い。なのに及川さんは俺を天才と呼びます。俺だって負けたく無いから努力した、教えてくれないから技を盗んだ。努力が積み重なって全国3本指に入るセッターとして活躍したのに。

どうして認めてくれないんですか?

誰の記憶?
わたし?でもわたしは女だし。

彰弥?

「わたしは弥生でも彰弥でも及川さんに嫌われていたんですね」

「は、え?彰弥?」

違う違う、目の前の子は弥生ちゃんのはず。なのに雰囲気が彰弥だ。鴉原高校天才セッター桐谷彰弥だ。弥生ちゃんは記憶を戻した。1回目の記憶を。
目付きが変わった。

あの笑い方。
目を見ずに自傷的笑い、すっと目を細める。

「だったら関わらなければいいんじゃいですか?だって俺は彰弥だし弥生でもあるんだから。嫌いなら俺の存在を消せばいい、俺は消します。及川徹という人間を」

俺に背を向け、その場から去る。
及川、早くしろよ、お前がそんな捩れた性格だから弥生ちゃんは彰弥の記憶を戻した。

「きりやん」

「所詮花巻さんもあっち側の人間なんですから、俺に関わらないで下さいよ」

「ちげぇよ、話聞け、お前はいっつも自分で話進めて何も聞きやしねぇ、及川の言葉も聞いてやれよ、どんだけ頑固なんだよ、バカ」

「じゃあせめて弥生だけでも優しくしてやって下さいよ、弥生は女なんだ、彰弥のように男じゃないし、弱いんだよ、強気でいるかもしれねぇけど本当は辛かったんだ、我慢しようとしても彰弥みたいに涙腺が強いわけでもねぇし、男の時みたいに接するな」

彰弥の言葉に言葉を失う。
弥生は女なんだ、男の彰弥のように強いわけでは無い、男の時はこんなにも女子から呼び出しは無かった。だって彰弥は男だから。でも今は女、女は少しでも気にくわないとすぐに呼び出し、何回も見知らぬ女から呼び出しをくらっている弥生はもう心に余裕が無かった。だから思い出したく無かった。ボソッと彰弥は言う。

同じ扱いしないで欲しい。

「俺は今は女なんですよ、もしこのまま彰弥の記憶が戻らなかったら弥生は更に傷付いていたかもしれないんですよ」

「でも」

「これからは弥生は俺が守ります。だからほっといて下さいよ。もう傷付きたくはありません」

それではさようなら。花巻さん。と今度こそその場から去る。弥生が去ってから暫くして大久保が現れる。あーあ。とため息を吐いて思い出してしまったんですね。と花巻に問いかける。
1回目の記憶を持っているのは、男子バレー部と大久保と篠久保だけ。

「及川さんと桐谷はどうしてここまでギスギスするんですかね。何回も何回もやり直しても結局はこうなってしまう」

1回目の人生はお互い男で、しかも同じポジション。天才と呼ばれた桐谷、天才を嫌う及川。
天才というレッテルを貼られた桐谷。周囲も天才と呼ぶようになった。天才で苦しめられた。所詮天才だ、天才は努力しなくても頂点をすぐに掴めるからいいよな。と言われるようになった。
勝手な事を言われるのが気にくわない。影山以上に叩かれた。影山のように天才だが、天然が入った彼を責めようとはしない。その代わりに桐谷はどうだ?天才、しかも頭の回転がいい。周囲が気にくわないのも分かる。言葉には気を付けろ。とよく言われた。

嫌な言葉はヘッドホンでシャットアウト。
聞かない、聞くのは仲間の声と好きなアーティストの音楽。

天才から逃げたかった。
天才と呼ばないで、天才では無い。

俺は天才じゃない。

やっと素直になれる時には遅かった。桐谷はもう限界に近かった。全日本にも選ばれた2人。犬猿の仲とも言われた、生セッターは桐谷、小柄な体格でもセッターとしては世界トップレベルと言われた。でも天才のレッテルは剥がれない。
日本が4位という快挙を成し遂げた後に桐谷は姿を消した。すぐ戻ります。と合宿先のホテルに置き手紙。

戻るはずが無い。

「俺は天才じゃないですよ、及川さん」

空港で呼び止め、振り向いた桐谷は一言。

「俺はあなたのように、なりたかった」

「彰弥、行くな」

「あなたには分かりませんよ、天才と呼ばれ続けた人間の心境なんて。言う側は気にしてませんけど、天才のレッテルを貼られた側は辛いんです。」

よかったですね、俺がバレーから逃げますから、これからはあなたが主役です。
握った手が離れる。大きなキャリーバッグを引き、桐谷は日本から逃げた。

「二回目はいい感じに行くかなぁって思ったら及川さん記憶あるんだもん、そりゃうまくいかないですよ。」

「一度手離した事を分かっているのにどうしてあいつは素直になれねぇんだが」

「見てるこっちがヒヤヒヤしますよー。どうしますかあ?花巻さーん」

「どーっすかな。結構面倒い事になっちまった」

「弥生はわたしに任せてもらってもいいですか?ちょっと頑張ってみます。だから及川さんよろしくお願いします」

せっかくの二回目の人生です。
2人を幸せにしましょうよ。