2014年10月30日、私にとって忘れられない日になりました。

年に1回しか福岡には行かないところ、秋山監督最後の福岡での試合を観たいという一心で
今年2回目の福岡に行ってしまった。
前日に王手をかけるとは出来すぎだと思ったから、ここまで来たら福岡で胴上げしかないと思っていた。
でも先発は攝津さん。
そりゃあ不安だった。
私は現地でホークスの投手の炎上を見たことがない。
多分一番ひどい試合が、去年のファルケンボーグの危険球退場からのサヨナラ。
それ以来公式戦現地観戦9連勝だし、名古屋・東京・広島・福岡・・・過去遠征して負けたことはまだ1度もない。
ついに負けるのかもしれない、でもそれは秋山監督が一日でも長くユニフォームを着られるということだから受け入れようと、悲壮感漂う感じで博多駅に着く。

大好きなとんこつラーメンを食べに行くも味がしない。
博多駅には虎ファンが既にたくさんいる。勢いで負けそう。
試合前から心臓がドキドキして、多分私のしょーもない人生で、最も緊張する瞬間なのだと思った。

座席がビジター応援席の近くだったので、憂鬱だった。
ライトスタンドの応援があまり聞こえないし、虎側の応援が始まると会話すらままならない。
でも、圧倒的にホークスファンが多いし、すぐ後ろの席の人たちが一球一球盛り上げる感じだったので心強かった。
試合が始まってみたら、意外にも投手戦だった。
せっつん、本当に申し訳ない。
私は2回10失点とか、ボッカスカに打たれることを想定していたし、あのポジティブ過ぎるナトリックスですら、
出かける前に「頑張ってね!」と言ってくれつつも表情は冴えず、「もしも勝ったら」みたいな言い方をしていたw
対するメッセンジャーは敵ながらアッパレだった。
崩せそうで崩せない、ホークス打線が貧弱なのかもしれないけど、要所を締めるピッチングはさすがだった。
中4日だということは微塵も感じさせなかった。

膠着した試合中、5回か6回に、私の涙腺は突如崩壊した。
エースの意地なのか何なのか、踏ん張り続ける攝津さんの姿に、胸を打たれたのだった。
涙が止まらなくなりそうだったので、さすがにここで泣いたらキモいやろ、と必死でこらえた。
先発転向後4年連続のふた桁勝利は果たしたものの、特に終盤戦での攝津さんのピッチングはつらくて見ていられない程のものだった。
投げる日はテレビさえ見ず、テキスト速報だけ見てそっとじしていたものだ。
この試合前にも、解説者さえはっきりと攝津では勝てないと言っていた。
色々なことがフラッシュバックする中、今目の前で投げている攝津さんは、かつての安定感こそないものの、
最高の舞台を託してくれた監督に応えるべく、好投し続けている。
この状況は泣けた。まさかだった。

7回か8回にも、私の涙腺は若干・・・ふと崩壊した。
今度はショートへの打球を難なく処理する今宮の姿にグッとくるものがあった。
私は悔しすぎたからあの一件の送球は一度も見たことがない。
「自分が流れを変えてしまった」と痛々しいまでに落ち込むイマミーが、立ち直ることはそう簡単ではないと思っていた。
でも若い彼は、しっかりと切り替えてきた。
いつも私が豆腐メンタルと心の中で揶揄してきたホークスの選手たちは、ファンが思っている以上に頼もしく、着実に成長しているのだと実感した。
何でもないプレーを、確実に確実にできている。
日本一にふさわしのは絶対にホークスだと思った。

そしてついに、私の涙腺が本格的に崩壊する瞬間がやってくる。
8回裏、何か起こるとしたらこの回しかないと思っていた。
打順良くギータから始まるこの回。
何故かメッセンジャー続投。
先頭ヒットで明石が何とかバントを決めてウッチーがヒットで続く。
デホ三振でツーアウト一塁三塁。
打席には優勝を決める一打を放った選手会長マッチ。
これはもう打つしかないでしょ。
・・・と思いつつも、スタンドから見ていても力んでいるのが伝わってくる。
でも10.2と同じようにボール球を見極めていた時点で勝負ありだったのかもしれない。
粘れる見れる時のマッチには期待ができる。

そして、マッチの打球がセカンドの横を抜けていく。
ドーム中が凄い歓声。
もう私は、ダメだった。涙が止まらない。前が見えない。
少し落ち着いて顔を上げると、一塁上で高らかに拳を突き上げるマッチの姿がむちゃくちゃかっこよかった。
ほんとによく打ってくれた。ありがとう。

感動冷めやらぬまま、最終回。
1点でサファテは不安過ぎるやろ・・・さっきの涙返せやと思わずにはいられなかった。
もう上本からの打者4人、時間が経つのが遅すぎたのに時間が止まっているような感覚で記憶がない。
ただひたすら生きた心地がしなくて、周りの人も皆顔面蒼白だった。
でも虎ファンのボルテージは最高潮で、もう既に勝ったかのような盛り上がり。
この状況を打開する方法が何も思い浮かばなかった。
いっそのこと岩嵜にでも交代してくれと思った。
絶体絶命の大ピンチは、ゲッツーで幕を閉じた。
秋山監督の胴上げの瞬間は突然やってきた。
引き下がらない黒いユニフォームの集団、審判からの説明アナウンス、歓喜のホークス。
異様な光景だった。
状況はよくわからなかったけど、私の位置からはゲッツーに見えたしファーストがボールを逸らしたんだと思っていた。
生きた心地がしなかったから、突然喜べと言われても信じがたい状況だった。
でも、勝ったんだ。間違いなく勝ったんだ。
紙テープがあちこちに放たれる。
胴上げや秋山監督のインタビュー、ウッチーのインタビューと現地で見ることができて本当に良かった。
秋山監督のインタビューの最中、4回目の私の涙腺崩壊がやってきた。
勝ったことは嬉しいが、これで監督は最後なんだなと思うと、やっぱり寂しかった。
私は野球の素人だから、采配云々はよくわからない。
でも、二軍監督時代から多くの選手を育て、10年もの間ホークスに深く関わってきた秋山監督が去るということは、ひとつの時代が終わるということ。
心無いヤジを飛ばされても、何が起ころうとも、一切無駄なことは喋らなかった。
ファンから見てもびっくりするぐらい、我慢強い監督だったと思う。
監督を胴上げするため、一つになった選手たちはこんなにも素晴らしかった。

今年ほど一生懸命ホークスを応援することはもうないかもしれないというほど、半年間ホークスに釘付けだった。
多分私が知る中で最も劇的で激動のシーズンだった。
私も神頼みに行ったり、胃薬を飲んだり、たかが野球なのに何でこんなにしんどいんだろうって何度も思ったw
わからない人にはわからないと思うけど、応援する側も必死なんだよねきっと。
凄く必死だし一緒に戦っているという気持ちだった。
終盤は本当にキツくて、仕事に支障が出るほど精神的に参って、でも気づいたら周りの人が「ホークスを必死で応援している私」を応援してくれて、凄くありがたかったww
私は人知れずひっそりと応援していきたいんだけどね、来年への課題だなそこは。
好きな選手が抜けても、もはや誰を応援しているのかわからないという状況でも、ホークスには魅力的な若手の生え抜き選手がどんどん出てくる。
今年でいえば、ギータさんの大活躍は本当に素晴らしかった。
中村ちゃんもボロボロになりながら最後の最後でしっかり笑えて良かった。
来年はムネさんが帰ってきてくれれば言うことなし!

野球が終わって、寂しい。すんごく寂しい。
こんなに暇になるかってくらい何もすることがない\(^^)/
あとコーチ経験もない工藤さんが不安で仕方ない。
3年前と同じく、画像はホークスが日本一になった時用に7月に撮っておいた鷹☆
全国のホークスファンの皆さん、おめでとうございました!!