余り面白くなかつたけど、先日のボディーガードの話よりはましだつた。

大杉のせいで復讐相手から返り討ちに会つてしまつた三島が何ともやるせない。とは言へ、三島も、馬鹿だよなあ。アイスピックでの刺殺に拘るのは解るけど、武器がアイスピック1本だけといふのは間抜けだらう。ぶつちやけ、警官なんだから銃でバンバン撃つて、身動きが出来なくなつたところを好きなだけアイスピックでブスブス刺せばよかつたのに。

回想パートは、順番をバラバラにして描写するやり方がテレビドラマとしては意欲的で良かつた。映画『21グラム』『アモーレス・ペロス』『ナイロビの蜂』のやうな効果を狙つてゐたのかも知れない。しかし、余り成功してゐるやうには思はれず、視てゐて退屈だつた。結局、一番肝心な部分を終りの方に持つてこざるを得ないのが退屈さの原因だらう。大杉が段々と過去の一番辛い部分へと近付いていくといふ構成は解るんだけど。それにしても、警察が無能だ。課長が鶴見辰吾だから、推して知るべし、なのかな(笑)。

現実パートは、大杉の「信じたい」といふ結論がロマンチックで好かつたけど、ロマンチックなだけに突込所が大きい。ルナティック女関連事件がとんでもなさ過ぎて、大杉に対する突込所がさほど目立つてゐなかつたやうな気もするが。

ところで、お天気お姉さんにルナティック女の動画を送つたのは、何者なんだ? 堀部圭亮管理人なのか? 何のために? 作中、送り主が誰なのか、誰も疑問に思つてゐない。ドラマスタッフも疑問に思つてゐないのだらう。

桐谷健太は、『ストロベリーナイト』でも殺されてしまふ可哀想な刑事役だつた。気のいい兄ちやんが無念の死を遂げるといつたやうな役が結構似合ふ。伊藤淳史と馬場徹のツーショットとか刑法第39条関連事件とか一寸『無痛』つぽいのは、偶然なのかしらん。