つまらなくはなかつた。が、しかし、退屈だつた。

テンポがタルかつた。それでゐて、ミステリ的に肝である部分の説明がお座なりだつたし。

殺人の加害者・被害者の関係が
「A→B→C→A」
と循環してゐると思はれたものが、実は、
「A←B←C←A」
と(3人で殺し合つたのは変らないけれど)加害者・被害者の関係が反転したものだつた、といふ点をもつとはつきりと描写してほしかつた。

貴族探偵サルーンでの使用人とお嬢様の色恋を巡る三文芝居的展開は、馬鹿馬鹿しかつた。

忍成修吾と加藤あいは、誤導のためのキャスティングだつたのだねえ。