「よー何してんだ?」
「おー、兄さん。いやな、庭の草があちこち伸びてっからどうにかしようと思って」
「で、どうにかしてたけど途中で飽きて一服ってわけな」
「疲れたからひと休憩なんだよ」
「ふーん、じゃあひと休憩終わったら手伝ってやろうか?」
「…いやいいよ。ぶっちゃけ飽きた」
「ほらみろ」
「はいはい。あ。そういや庭の片隅で見つけたぜ。よ」
「っと。ソフトボールかあ、懐かしい…こんなにドロだらけだ」
「見つけたときはこれ以上汚かったんだぜっと、うおっ」
「悪い悪いキャッチボールなんて久しぶりだしな」
「あ、そういや先月は有り難う、なっ」
「あれから体調はどうだっ?」
「ああ、大丈夫」
「そっか、よかった」
「あの時の記憶も曖昧だからさ、何か久しぶりな気がする。正直」
「まあ、あの時お前、ぐーすか眠ったまま眼ぇ覚まさなかったしな」
「起こしてくれよ、帰るときくら、いっ」
「や、あんまりにも気持ちよさそうに寝てるもん、でっ」
「あー…、うん、ごめん、なっ」
「有り難うで十分、さっ」
「ぅおっ何処投げてんだよノーコンッ!」
「悪ぃ悪ぃー、手が滑ったんだー」
「あー、もうこっちはまだ草伸びっぱなしなのに…、あ。あったあった。おーい、見付かったぞこのノーコン野、ろう…って、…………あー…、また唐突に消えやがったあの馬鹿兄貴」
catchball!
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夏ですね。高校野球の季節ですね。