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雨の季節(小話あり)

今日の日記絵は久しぶりの『ほんわかシリーズ』のちびアル。
本格的に雨の季節になってきましたね!
アルのお散歩途中にこんなことがあったら微笑ましいと思いまして(笑/ネコいすぎ)


以下小話↓




しとしと。しとしと。

雨の音が傘に、地に響く。
濡れてしまうのは困るけど、雨は嫌いじゃない。むしろ心地よいリズムが好き。

にゃーん。

「うん、君達は早く止んで欲しいよね」

買い物途中で出会ってしまった子猫たち。
雨も本降りになってきてさよならを言うわけにもいかなくて。
とりあえずそのまま一緒に雨宿りしてしまった。

うーん、どうしようかな。
お腹を減らした兄さんが待っていると思うんだけど。
せっかくあったかいパンを買ってきたのに雨に濡らしたらダメにしてしまう。
鎧の中には先客のパンが収まっていた。

しとしと。しとしと。

「雨、止まないなー…」

しとしと。しとしと。

ぱちゃぱちゃ。

雨音とは違う音が聞こえてきて、そっと顔をあげる。この音は…

「アル」
「あ、兄さん」

部屋で調べ物してた兄さんだ。

「帰るぞ」
「迎えに来てくれたの?」
「誰かさんがなかなか帰ってこないからな」

まったく、と傘を持ちながら器用に腕を組んで見せるけど、ズボンの裾を派手に濡らして言うお小言はどうも説得力がない。

「心配した?」
「俺の飯をな」
「兄さんのいじわる」

はは、と笑って鎧をコツリと叩かれた。

「ってかなんだこのネコたちは」
「ボクのお友達」
「今回は随分とお友達作ったもんだな弟よ。…ったく、ほら持て」

ひょいっと宙に浮かんだネコ2匹。
兄さんの腕の中に納まった。

「兄さん?」
「飼っていいなんて言ってないぞ。雨が止むまでな」
「珍しいね」
「じゃないと心配で帰ってこないんだろうが」
「にいさ、」
「俺の飯が」

背を向けた兄さんに慌ててありがとうと伝えようとして止まる。

「兄さんのいじわるー!」


ばちゃばちゃと走る足音ふたつ。






うわ、思いのほか長くなりましたね。
ちっ拍手とかに回せばよかった←(笑)

濡れるのは好きじゃないけれど、雨の音は好きだなぁ。
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地 域 茨城県
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