A君は、私が頷いたのを確認して言いました。
「Bには勿体ねー」
それから、A君と沢山お喋りしました。いつも電話でしか話したことなかったA君が近くにいる。そして私の容貌を褒めてくれる。私は天にも舞い上がる気分でした。
そしてA君の友達が次々とバスを降りていく中…私は降りるタイミングを失ってしまいました。

で、結局、2人っきりに…
そこでA君が私に言いました。
「後ろの座席に移らない?」
私はコクンと頷きました。
そして2人で後ろの座席に…
そこでA君に言われました。
「胸大きいね。触ってもいい?」
B君をまだ彼氏と見ていない私に断る理由もありませんし、なにより憧れのA君のお願いなわけです。私はコクンと頷きました。

A君に胸を触られても、不思議と恐怖感は抱きませんでした。
私は、もしかしたら憧れでなくA君が好きだったのかもしれません。
そしてバスは、そのままA君が降りるバス停に。
「このまま、うちに来ない?」
A君に言われて、私は再びコクンと頷きました。
そしてA君の家へ…

A君の部屋の中で…ベッドに座り、私達は沢山お喋りしました。
そして、ふと私の頭によぎったのです。
せめてキスだけでも憧れの人としたいな…
そう思って次の瞬間、私は声に出していました。
「ねぇ…キスして…」

A君は何も言わず、私にキスをしてくれました。
それから…私でも予想していなかったことに…
私は軽くパニックを起こしました。
キスしてとは言ったけど、そっちの心の準備は、まだ出来てないのにー!

結局、私は、その流れのままに身を委ねてしまいました。
ちょっと…いや、かなり痛かったけど、我慢出来るくらいの痛みでした。
A君は、さすがに女慣れしているだけのことはあって…今考えれば、凄く上手でした。
私が痛くないよう、最善を尽くしてくれたのです。

今でも思います。
私はA君に処女を捧げたことを悔やんではいません。
むしろA君で良かった。
そう思っています。
でも…心残りが1つ…
私は一度もA君に好きだと言えなかった…
憧れの人…それは『好き』と同意だったのだと、今では思います。
B君で恐怖だったことが、A君ではイヤじゃなかった…
それが全てを物語っているのだと、今では思います。

あっ因みに、その後もA君とは何度もしてますよ。
そのたびに私は幸せでした。
でも、A君が何を思いながらしていたのかは、分かりませんけどね…



PS.
後に主人から「それ、Aの方が彼氏じゃね?」と言われたのは、言うまでもない。