適切さを超えた大きな感情は、どの感情であっても思考を偏向させやすいが、特に問題となるのは『恐怖』『悲しみ』『怒り』だろう。
それが『現在の』『本当にあったこと』ならば、普通のことだと言えるのかもしれない。
だが、前記事にも書いた通り、突っ走った思考は感情をより増幅させるので、早めにその鎖を断ち切った方が社会生活を営みやすいといえるだろう。

さて、わざわざ『現在の』と書いたのには理由がある。
それは、私を含め精神疾患を患う多くの人が『過去の』出来事に拘りがちだからだ。
しかし、以前から何度も言っているように、過去は過去だ。過ぎ去ってしまった時間。戻ることのない時間。考えても最善の策などない。何故なら、その時のソレが最高の最善策だったからだ。
それ以上の最善策などない。
後悔は先に進む為、次に生かす為にあるのだ。
もう二度と同じ哲を踏まないように…

過ぎ去った時間にいる相手。
その相手の所業に拘るのも間違いだ。
他人は変えられない。過去も変わらない。
忘れて生きるのが一番幸せだ。
忘れられないなら、思い出す時間を無くせばいい。
現在を精一杯、生きればいい。

相手をひと時も忘れないのは、忘れたくないからだ。
愛すにしろ、憎むにしろ…その本質は同じ。
固執…粘着…依存…
どちらも同じ。
忘れたくないなら…愛おしいなら…忘れなくていい。
憎むくらいなら、切り捨てた方がいい。その方が身の為だ。

過去に拘るのは、エネルギーを使う。
そのエネルギーは過去に使うより、未来の為に使った方が身の為だ。
何故なら、人は皆、未来への切符しか持っていないから。
時間は皆平等で、余分な時間などないから。

そう…大事なのは考え方だ。
過去に拘るのは、自分の未来を疎かにしている…軽視していることと相違ない。
自分を大事にしていないことと相違ない。
未来の為に現在を使う。考え方のベクトルを変える。
それこそが、症状改善に繋がる。
それこそが、上手に付き合っていくコツ。
そう思う。