その後、どうなったのか?
果たして父は100万円を手に入れたのか?
結果的に言えば…手に入れなかったそうですよ…
何故か?
それどころじゃなくなった…父が言う被害者である私がいなくなったから…らしいですよ。

何故、らしいのか?
自分のことだろ?と思うでしょ?

私には記憶がないんですよ…その後の記憶がね。

当時は、ただの家出として片付けられました。
が、
私は不安でした。
何故、記憶がないのか…
覚えのない傷跡が手首についてた…だから余計に不安でした。

その後も気付いたら知らないとこにいることがありました。
私は自分が怖かった…ずっとずっと怖かった。
私の知らないうちに私は死んでしまうのではないかと…ずっと怖かった…

精神科の医者から、それらは解離障害だろうと言われました。
私は思い出せない記憶が不安で不安で…それを医者に告げました。
医者は「思い出せない記憶は思い出さない方がいいから思い出せないのだ。だから無理に思い出そうとしてはいけない」と言いました。

あれ以降…私の腕に傷跡が増えたことはありません。
あれから云年…その時の傷跡は徐々に薄くなり…もうない。
だけど…心の傷跡はまだ消えない。