それでも私は信じていた。いや…信じていたかったんだ。
お兄ちゃんとは、いつでも会える。
だって、叔父と姪だから。
たとえ、お兄ちゃんが結婚しても、私が結婚しても。
私は、私がお兄ちゃんに執着しているだけだと思っていたからね。幼い執着…お兄ちゃんは、とうに忘れているだろう執着…

結婚して…まあ、以前にも書いた通り、私は幸せではなかった。
でも、それも仕方ないと私は諦めていた。
コレは、ケジメなのだ。
そして、罰なのだ。
汚れた私が嫁げた。それが幸運。これ以上は無く、後は罰が残るのみ。

その間の私は、お兄ちゃんに思いを馳せる隙もなかった。
いや…忘れていたと言った方が正しいかもしれない。
私は思い出したくなかったんだ。
幸せだった場所…
でも、そこに何があったかは分からない場所…

お兄ちゃんの気持ちを考えるのは止めた。
たぶん、お兄ちゃんにとっては遊び…
だから思い出したくない。思い出さない。
でも、会えたら嬉しいんだ。
お兄ちゃんに会えたら幸せなんだ。
もう、何故かは分からなくなっていたけれど、お兄ちゃんに会えるのが楽しみだったんだ。