ミュージカル 屋根の上のヴァイオリン弾きを観劇してきました。

今年50周年記念となるそうで、歴史ある舞台の一幕を見れたことが光栄です。
モーテル役のみゆくんを見るべくして行って参ったのですが、
市村さんや鳳さんの息の合った演技が強烈に印象的でした。
すごかったです。
今回、田舎に住む母親を連れていったのですが、母も楽しんだようで何よりです。

屋根の上のヴァイオリン弾きは今回が初めての観劇となりました。
前回みゆくんはパーチック役として出演を果たしたものの、観に行くことができなかったのでリベンジ。
今回はモーテルという長女の相手役にキャスティングされていましたが、人物紹介を見るだけだと、前回のパーチック役の方がかっこいい青年でよかったんじゃあとか思ってましたけど、実際見てみたらモーテル役の重要性が想像以上でとてもいい役をいただけたんだなと驚きました。
前回の演技を認めていただいた上でのキャスティングならこんなに嬉しいことはないですよね。
これは私らファンも張り切って応援していかなければと思いました。東宝にいっぱい感想送ろう。

本編は今よりもう少し前の時代のロシアでのお話。
宗教、政治、民族という今に至るまで古来より続く差別問題を描いた作品。
何千年も昔から解決に至らないこのテーマは、歴史の中の古めかしいお話などではなく、現代に通じるお話だなと思います。

その上でもう一つ語られるのが家族の愛。
古いしきたりの中で生きる村の人々の中で、現代らしい自由な思想を持った若者たちが、慣習を破って新しい世に切り替わっていく。
自由恋愛が認められていなかった時代のお話です。
一族、民族の古いしきたりを守ることが当たり前だったテヴィエは、次々としきたりを破っていく娘たちとの間で葛藤する。
しきたりを守るべきなのか、愛する家族たちの幸せを認めるべきなのか。
テヴィエは、結局のところ何よりも大事な家族が望むことならばと変革することを受け入れていくのですが、愛とは何かを改めて自分たちに問うことにもなります。
そしてそんな暮らしの中に忍び寄る時代の波。ユダヤ人である村の人々は否応なしにその渦中に巻き込まれていく。



ユダヤというかユダヤ教に関する知識は、とても厳格な規律で縛られていることくらいしか知りません。
あと男性がハット被ってる。ひげが立派。(すごく偏った見方してる)
だから安息日とかドアのところの何かとか、最初はなんかよくわからんけど特別なことしてるなってくらいの認識でした。
幕間にパンフレット読んだからなるほどがってんいきました。
テヴィエを中心に当時の小さな村の暮らしぶりが事細かに描かれていて、今ではない昔の生活を学べるおもしろいですね。


泣いたのはテヴィエとゴールデが愛を確認し合うところ!
鳳蘭ゴールデのきもったまかかぁの尻に敷かれてはいるけど、一家の長として家族を守ってきた市村テヴィエ。
夫婦は昔のしきたりどおりに仲人からの紹介で結婚をした二人だけど、自由な恋愛をしたわけじゃないけど、確かに長年連れ添った二人には愛が通っていてお互いが支えになってる。
神田ホーデルが自分で愛する人を見つけて、二人で愛を育んで、そして愛する人を追いかけていきたいという。
そんな二人を見て、市村テヴィエがふと、しきたりによって結婚が決められた自分たちに愛はあるのだろうか、と、頭を呼び理鳳ゴールデに問う。
俺を愛しているかと、
何をいきなり馬鹿なことをと取り合わなかった鳳ゴールデだけど、真摯に問い続けるテヴィエに折れて答える。

あんたと一緒になって、子供を産んで、5人の娘を育てて、家をずっと守ってきた。あんたのために。
愛しているわ。と。
事実を並べていくうちに少しずつ気持ちが解けて自分はテヴィエのことを愛しているんだと自覚するゴールデがすごくよかったよぅ。
ハンカチ手放せない。。


歴代を知らないので比較はできないのですが、ツァイテルと幼馴染のモーテルという人物なのだとしたら、若いみゆくんはとてもぴったりだったんじゃないかなぁと思います。
ツァイテルたしか20歳くらいでしょ?同年代だとしたら、ねぇ。若いほうが良くない?
男らしさ?え?なにそれおいしいの?てな具合で臆病で気弱な貧乏な仕立て屋の男、だった入野モーテル。
おどおど頼りなくていつまでも子供でツァイテルの相手になるなんて想像すらされていなかったモーテル。
貧乏だけど誠実な男だと、そう認められる入野モーテルはわたし嫌いじゃなかったです。
あわわわわわっってなんかいつも慌てている役がすごーーーくうまいと思います!

ツァイテルの結婚式から穏やかだった日常が壊されていく描写が始まるんですけど、
結婚式の儀式としてグラスを破壊すること、あれが、その後の男と女の垣根を破壊するパーチックとか、民族の壁を破壊して結婚するチャヴァとか、穏やかだった日常が破壊され故郷を追われる村人、だとかを暗喩させてるのがとても印象的でした。
幸せだった結婚式が兵士の乱入によって壊されてしまうあのシーンは、悲しくて悲しくて。
みんな逃げ帰ってしまって祝いの席の残骸に取り残される家族が泣き暮れているのが悲しくてつらいです。
そして遠くからも聞こえる破壊の音におびえる様子も見てて悲しい。

同じ人間なのにどうしてこんな風に差別され暴力の対象とならなければならないんだろう。。悲しい。。。

後半はもう悲しい別れの連続なのでさみしいですよね。
sunrise sunsetを聞くと胸が苦しいですもん。切なくて。
アメリカを目指して旅立つところで終わりましたけど、どうかあの一家がこの後新天地で穏やかな暮らしができたことを願うばかりです。



ここからはただの雑談なんですけど、
当日は一日お休みを取ったので、母親と東京駅で合流してお昼は松本楼でランチにしました。近いですし。
11時15分くらい、、、だったと思うんですけど、もうほぼ満席でびっくりしました。
私はいつも通りにカレーを食べました。
観劇が終わったのは16時半で、そのまま銀座の宝くじを買いにいって(笑)
けっこう並んでいたので40分くらいかかったかなぁ。当たるといいねぇ。
それから東京駅地下街で夕飯を食べて母を新幹線の改札で見送って帰りました。

・・・新幹線の改札って、なんであんなに哀愁漂うんでしょうね。
何言ってんだって感じですけど(笑)
いつも思うんですけど見送る側ってなんであんなに切なくなるんだろう。
見送られる側だとね、たいした感傷もないんですけどね。
二週間もすれば年末で帰省して会えるのに、一人東京に取り残されてしまうひとりぼっち感が切なくて泣きたくなりました。
そのとき、ふとこの気持ちが愛なのかもしれないと頭に浮かびました。
アメリカへと旅立つテヴィエたちを見送るツァイテルとモーテルはもしかしたらこんな気持ちだったのかもしれないと。
このさみしくて切ない気持ちに名前をつけたら愛と呼ばれるのかもしれないと。

今日一日でとても大切なものを教えてもらった気がします。
素敵な出会いがあるからこそ観劇ってやめられないですね。