子供を産んでからは見ていないけれど、小さい頃から何度も何度も見ていた夢がある。
それこそ細部まで覚えてしまうほどに…

夢の始まりはいつも同じ。
だだっ広い何も無い白っぽい空間に私は立っている。
夢の中でも自覚があるのか、中学くらいになった時には、ここで「またか…」と感じていた。
もう半ば諦め。抵抗が無意味なことは知っていたからね…

その空間で最初におかしくなるのは遠近感と平行感覚。次に自分自身の感覚はなくなり、目の前にモノクロの丸い何がクルクル回り始める。
そして、いつものソレが始まるんだ。

私は黒くて大きな人の命令で子供を集めている。
集めなきゃいけないのは百人。
だけど、もう周りには子供なんかいなくて99人しか集められないんだ。
どうしても百人いるのに…

そこで私は悩むんだ。
隠しているけど…自分が大事にしてる子が1人いる。
だけど、この子だけは渡せない。
なら、どうする?
私が百人目になるのか?
黒くて大きな人が私を急かす。
早くしないと世界が滅ぶと脅す。
そして、とうとう決断してしまうんだ。自分が犠牲になることを。

ところがだ。
街の人に私が隠していた子を発見されてしまう。
そして、その黒くて大きな人にその子を差しだそうとするんだ。
私は駆け出す。その子を救おうと必死で…

そして、いつも目覚めるんだ。
イヤな夢…
夢の中の私は漠然と、既に差し出した99人の子供が生きてはいないことを知っていたのに…
それでも、あの存在には逆らえない。
まったく最悪の目覚めだと思うよ。
恐怖心と無力感でいっぱいになるしね。

だけど、毎回不思議だと感じていたんだ。
始まりも終わりも内容も変わらない。隠している子の年齢も変わらない。
なのに私だけが、実際の年齢に応じて成長している。

それと、ふと思い出したんだけど、あれだけ見たのに、私はその子の性別を知らないんだよね〜
姿もよく覚えていない。
暗い洞窟にいたからかな?
まあ、なんにせよ、私の見た夢の中で、一番印象的なのはコレです。
なぜ繰り返し見たのかも未だに不思議だしね。