積み木があった。
私は積み木が大好きだった。
だけど必ず、もう少しで完成というところで両親はワザとソレを壊した。

最初は泣いていた。
だけど、それは無駄なことだと知った。
だから壊された後も、ただ黙々と作り直した。
だけど、やっぱり完成間近で壊される。

両親にとって壊すのは、とても楽しいらしい。
私に向けての笑顔は、いつも侮蔑を含んだ笑顔。
それ以外の笑顔を向けられたことはない。

私は、尚も積み木遊びをする。
たぶん完成しない。
そんなことは分かっているけど、私は止めようとは一度も思わなかった。
ただ仕方ないと思っただけ。
そして私は全てを仕方ないで済ますようになった。

人生は挫折だらけだ。
諦めの連続だ。
それでも…
私は尚も積み上げようとする。
完成しなくてもいい。
私にとっては積み上げようとすることが美徳なのだ。
これまでも。
そして、これからも…