それに目覚めたのは小学校高学年。
私は合気道が習いたかった。
自分の身は自分でしか守れない。そのために護身術は必要と思ったから。
だけど…当然、諦めた。
一応、言ってみるだけならタダなので両親に習いたい理由と意志は伝えはしたが「必要ない」の一言で終わった。

高校受験の時、どうしても受けてみたい私立の高校があった。
受けさせてくれるだけでいい。仮に受かっても絶対行きたいなんて言わないから試験だけでも受けさせてくれと頼んだ。
ダメだった…
「試験を受けさせるような金は無い」と言われた。
(公立と私立では受験費が違います)

大学に行きたいと切に思っていた。
私は学者になりたかった。
奨学金で行こうかとも考えた。
だけど…「行くなら自宅から通え」「受験費も入学金も学費も自分で貯めて行け」「家のことを疎かにするな」などと無理難題をふっかけられ…私1人では到底無理なので諦めた。

私は、いつも諦めている。
自分の人生にとって大事なことでさえ諦めている。
唯一、諦めなかったのは「いつか自由になってやる」という思い。

そして、ふと思う。
私は、母親はまだしも父親は私の為を思って苦言を言ってくれるのだと思っていたけど…本当は私のことなど、何にも考えていなかったんじゃないだろうかと。