『妹の話』シリーズ
こちらの話は、管理人の実話を元に作りました。
実際にこんな会話もやりました。ネタのお茶はそれなりに美味しかったです。ええ。
あるところの話です。
妹の話。。。
あるところに、新商品に目が無い、かなりガタイのいい、いったい幾つなんだと疑いたくなるような童顔の父親と、
その父親と一応血の繋がった、同じくガタイのいい、同じように新商品に目が無い妹が居ました。
妹と父親が、夕食の買出しに近所の大型スーパーに行きました。
沢山の品物が並ぶ中で、ドラッグストアの奥にある、飲料系の売り場に足を運んでいる途中、
「あ。」
と、父親が足を止めました。
カートを引いていた妹も、同じように足を止めます。
「何?」
「あれ。」
父親が指をさして、その先を妹が追いました。
其処には、籠に山盛りに詰まれたパック飲料がありました。
「おいしい甜茶」一つ、68円でした。
うず高くつまれた赤いパックのソレは、見たところ買われた形跡はありませんでした。
「何でドラッグストアの一角に?」
「というか、何であの量。」
その日は、普通に買い物をして、普通に帰りました。
また次の日。同じように、妹と父親が、夕食の買出しにいつものスーパーにやってきました。
まったく同じルートを通って、牛乳を買おうとカートを押していた妹の目に、赤いパックが映りました。
前と同じように置いてある、そして減った形跡の無い赤いパック。
「…」
妹はじっとソレを見ます。
「…」
父親も、ソレをまじまじと見ました。
「おいしい甜茶」一つ、18円になっていました。
ゆっくりと、妹が口を開きます。
「何故に一気に50円も値下げ?」
「っていうか、この値段なのに、まだ売れて無いんだ。」
そして、もう一度、じっとソレを見ました。
その日は、妹が持ち帰った買い物袋のなかから、赤いパックが十個ほど、発掘できました。
あるところの話です。