三百四十二日目。
ふぃー。うっかりしてたらもうこんな時間なんだぜ。
だってさー! 天気予報でバンバン「今日は午後から天気は下り坂です!」っていうから。
焦って洗濯物干してきたんだぞ。しかも今日はシーツ二枚もたまってたし。枕カバーもしたし。
そろそろ本気で衣替えを澄まさないといけない時期だしなぁ…。一度夏服は洗ってから仕舞わないと。虫が。虫がッ!
まぁそんな主婦くさい話は脇に置いとこう。うん。
昨日はまぁ、普通の営業日でございました。
しかし、お二階のレストランとホールスタッフは忙しい一日だったはず。
なんでかってーと、いつもなら休憩の時間帯にパーティーが入ってたから。何でその時間? って仲のいいホールのねーさんに聞いたけど「…さてね。上の人のやることは私には分かんない。」って非常にブラックな笑顔と共に返事が返ってきました。ヤダ怖い。
そいでも「今日で終わりだ明日は休みっ!」って頑張った。俺たちすげー頑張った。
夜はそこまで人が入ってなかったからさー。案外余裕で。いつものホールのねーさんとしゃべってたんだが。
「ねぇ。アンタ。まだ帰らないの? いつもなら帰ってるじゃない。」
「そうなんですけど。今日はまだ『上がっていいよ』って言われてないんで居残りです。」
「え? 『帰りたい。』って言わないの?」
「失礼ですから。一応言わないようにしてます。」
「ふーん。…じゃぁ『先に帰ってください。』は?」
「あぁ、それ。それもう今日二回言ってるんです。」
「…で?」
「三回ぐらい言うと不機嫌になるのでもう打ち止めです。
ちなみにドルチェ側でボーっとしてるとさらに怒って不機嫌になるので通りかかるぐらいがベスト。」
「何それ超メンドクサイね。」
「慣れました。そろそろ一年ですし。」
「悲しいね。」
「言わんで下さい。知ってます。」
って会話をした。多分おねーさんのブラック加減が移ったんだと思う。うむ。
ッてわけで忙しいホールの人。そんな人たちの隣でダラダラと仕事をしてたら間違いなく拳が飛んでくるので精々身をひそめながら作業いたしましたよ。ええ。
そういう事情があったので昨日、賄いが下りてきたのはちょっと遅めの16:00頃。
しかし、いつもご飯食ってる場所でホールの人がいそいそと働いてるし。しょーがねーのでしばらく待機して落ち着いた17:00にお昼ごはん。昼じゃねーよって突っ込みは、ナシ。
メニューは白米と肉とナスをトマトで煮込んだもの。見た目はそんな感じ。
そういうのだったら正直トクメーの好物だったりするんで、喜んでフォークを片手に頂きます。
「やー、今日のはおいしいねぇ。肉も柔らかいし。」
「…。」
「余ったパンもあるからねぇ。食べる? トマトソースつけたらおいしいよ。」
「…。」
「一杯余ってるし、俺一食分持って帰ろうかなぁ。」
「…。」
「…、どうしたの?」
「…、ご飯、が。」
まずい。
「え?」
「ダメですこれおいしくない。なんか変な匂いする…っ!」
「あれ? 香草ダメだっけ?」
「そんなことないんです。パクチーもローズマリーもへっちゃらです。」
「えー…。」
「なんだろ。肉かな。動物園のヒツジとかラクダとかそっち系に行った時の匂いがしました。」
「…。」
「あ。あれだ。多分羊肉を臭み抜きしないで食ったらこんな感じ。」
「…多分、これ豚肉だと思うんだけど…。ッて言うか賄いにそんな肉使わない。」
「うぅ…。」
「そんなに無理なら残したら?」
「いや、だって、失礼じゃないですか。せっかく調理して持ってきてもらってるのに…。」
「でも無理なんでしょ?」
「…。」
「…。」
「気合で食べます!!」
「止めて無理しないで!?」
こんなくだらない日常(必死で食った。)(涙目。)
「…えっと…まだ食べるの?」
「口直しです。」
「パンを食べるのが? 口直し?」
「立派に口直しです。美味しけりゃいいんです。」
「そんなにまずかったのね…!」