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ハケンアニメ!

有科香屋子は大人になってから観た『光のヨスガ』というアニメに感銘を受け、テレビアニメ業界に入る。
当時無名に近かった監督・王子千晴といつか仕事をする事を夢見ていた矢先、王子が行方不明となる。連絡もつかず、続きも撮れないまま、放映の日が近付く。

アニメの頂点・覇権を争う事になるのだろうとアニメーターに言われる有科。

“人生には、大事な何かを失っても、それでも何かを成し遂げたい時がある。やらなければならない時がある”

王子が姿をくらましながらも書いたアニメは、そのクールの覇権を取れなかったが、視聴者にとても印象を与えた。

その他にも、若き天才・斎藤瞳監督と、名前を覚えない行城プロデューサー。フィギュアを作る鞠野と逢里。
お仕事小説なのですが、アニメに人が沢山関わっている事にびっくりして、また、本気の世界なんだなと思った。辻村深月らしくない、有川浩みたいな小説で、何度も読み返したいとは思わなかった。辻村深月らしく、もうすこし変わった作風がほしかった。

『ハケンアニメ!』
著者 辻村深月
発行元 株式会社マガジンハウス
ISBN 978-4-8387-2690-5

気障でけっこうです

地味な女子高生・きよ子は公園で、穴にはまって出られなくなったおじさんと出会う。確かに首まですっぽりと穴にはまってしまい、おじさんを出そうにも、きよ子一人の力ではウンともスンとも言わない。
そんな状況を悲観したのか、おじさんはこのまま死ぬと言い出す。
そこできよ子はおじさんの為に、お気に入りの赤い傘を立て掛け、おじさんが雨で濡れないようにし、家までスコップを取りに帰ったのだ。

おじさんの埋まった公園まであと少しというところで、車に轢かれてしまったきよ子は、翌日、病院のベッドで目覚める。
あまりの怪我におじさんの事を忘れていたきよ子の前に、おじさんが突如現れる。きよ子が良かれと思って置いていった赤い傘のお陰で、きよ子以外の人からおじさんは発見してもらえず、きよ子を待っているうちに寒くて死んだのだというおじさん、基、シチサン。

とんだことだと思いつつも、どこか礼儀正しいシチサンは、きよ子の周りにしか現れられないと聞き、傘を立て掛けてしまった事もあり、憎めずにいる。
シチサンは現世に何かを思い残し、成仏出来ずにいたのだった。

『気障でけっこうです』
著者 小嶋陽太郎
発行元 株式会社KADOKAWA
ISBN 978-4-04-101991-7

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
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今朝の春 みをつくし料理帖

源斉医師に嫁ぎたい美緒は、澪の元で包丁使いを習い、大奥に奉公に出ようとしていた。
商人の娘である美緒に箔をつけ、少しでも良い身分で嫁ぐという形が江戸ではあると知り驚く澪。

そんな時、つる家の周りをうろつく人が現れ、身なりの良い侍が美緒を見初めたのではないかと噂が立つ。
澪の元に包丁使いを習いに出たのも、全ては片想い中の源斉の為である美緒に、望まぬ縁談かとやきもきするつる家の一同。

小松原が落としていった腎臓の薬にもなる実だと知り、小松原の身体を案じる澪。どうにかしてこの実を食事としてとれないか考えていると、地方の出だという女性が扱い方を教えてくれるが、手間のかかるものだった。
それでもやり遂げ、女性に食べてもらうとまその女性は小松原の母で、母こそが腎臓を弱っていると聞く。いい歳なのに結婚しない息子が、どうやら心を砕いている女料理人がいると知り、偵察させていたのだ、と。

身分違いにおののく母と澪だったが、澪の気性には目を見張るものがあるとえらく気に入る母。だが、身分の壁はそう簡単には越えられないのだ。かくして美緒と澪と間違えた縁談もなくなり、大奥での奉公もなくなった美緒は安堵する。

『今朝の春 みをつくし料理帖』
著者 高田郁
発行元 株式会社角川春樹事務所
ISBN 978-4-7584-3502-4

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ばんぱいやのパフェ屋さん 「マジックアワー」へようこそ

身体が弱くすぐに倒れてしまう音斗は、小学校でも浮いていた。遺伝や育て方が悪かったと言い、音斗の父方の親族は母を責める。また、それを音斗の父も庇うどころか一緒に責める。

母はなんとか音斗の身体を強くしようと食事を変えたりしたが、いっこうに良くならないので疲れはてていた。そんな時、母の郷里に体調の良くない人が現れたら便りを寄越せと言われていたと思い出す。

藁をも掴む思いで郷里に手紙を出した母と音斗は、2匹の牛と3人のバンパイアがやって来る。音斗はバンパイアの末裔なので、日中は陽の光に弱いのだと言われるのだが…。

『ばんぱいやのパフェ屋さん 「マジックアワー」へようこそ』
      テイコ
著者 佐々木禎子
発行元 株式会社ポプラ社
ISBN 978-4-591-13534-1

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
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僕は長い昼と長い夜を過ごす

子供の頃、父のDVから兄姉を守ろうと、父が家にいる間ははずっと起きていたせいで、50時間起きて20時間眠るという生活スタイルが定着してしまった森田明二。学生時代は心優しき友人達のお陰で何とか卒業出来たが、社会人として就職するのは厳しかった。大概の会社で相手にしてもらえない生活スタイルであったが、ゲーム製作の会社社長・バンさんは、大変だなと理解を示しメイジを雇い入れた。

ゲーム製作の世界では50時間も起きていられる事は利点でしかなく、仕事さえしっかりしていれば、20時間眠る為に欠勤しようが大丈夫であった。次第にメイジもゲーム製作の仕事に面白味を感じてきた頃、バンさんから50時間起きていられるという体質を利用したアルバイトをしてほしいと言い出した。アルバイトの多くは他人の監視で、浮気調査等が主であった。
その日もメイジは三島という男の監視をしていたが、部屋に向かったはずの三島の姿が見えず、メイジは三島の元へ向かうと、三島は倒れていた。急いで隣人と救急車を呼び病院まで同行したが、監視をしていた事を調べられると面倒になってしまうので、立ち去る。気が動転していたメイジは、自分のものではないキャリーケースを持って帰って来てしまう。監視していたが救急車に同乗してきてしまった事を、バンさんに電話したメイジは、キャリーケースを持ってきてしまった事を話せずにいた。バンさんとの電話をし終え、キャリーケースの中身を開けると、そこには大金が入っていたのだ。

驚くメイジに、表の世界には出せない金をきれいにして育て増やし、良き時に世の中に出すという種苗屋をやっているナタネという男がやって来る。
2億円近い大金はメイジのものだというナタネは、この金がメイジの手に渡ったと知れたら、メイジはきっと消されると言い、メイジの逃走に協力すると言うのだが…。


『僕は長い昼と長い夜を過ごす』
著者 小路幸也
発行元 株式会社早川書房
ISBN 978-4-15-209136-9

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