『青空と逃げる』
著者 辻村深月
ISBN 978-4-12-005061-9

小学五年生の力は、ある日突然、劇団員をしている父が不倫をし、有名女優と密会した挙げ句、有名女優が運転する車で事故に遭い、顔や身体に傷を負った女優が自宅で自殺するというショッキングな出来事に巻き込まれる。
平凡な小学生だった力と、元劇団員の母は、有名女優の事務所であるヤクザに追われ、病院から行方をくらました父に代わり逃げ続ける。

母の友人のいる四万十の食堂で働いていたが見つかり、次はフェリーの本数が少ない家島へ、そして別府温泉へと点々と逃げ続けるうちに、父に守ってもらうしか出来ないと思い込んでいた母の姿は仮の姿で、どこででもがむしゃらに頑張る母の姿を見ることが出来た。

やがて有名女優の息子から父の居所を聞かされた力と母は仙台へ、そして大空町へ。
世間で騒がれているような不倫は全くなく、ヤクザとも話がつきそうだ。と良い方向に向かうところで話は終わる。

なんていうか、守る者がある人は強いとはまさにこの事。
人のあたたかさに触れて、どんどん元気に、そして強くなれる。これこそが大事なことだよと教えてくれる本だった。