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西の魔女が死んだ


異国の血が入ったおばあちゃんは、いじめで不登校になった私に魔女修行を勧める。それは正しく生きていくヒントだった。
「いじめられたり無視されたりするのも、注目されているということですよ」
「人の運命って色んな伏線で織りなされていくものなんでしょうね」

『西の魔女が死んだ』
著者 梨木香歩

丹生都比売 梨木香歩作品集

 ニオツヒメ
『丹生都比売 梨木香歩作品集』
著者 梨木香歩
発行元 株式会社新潮社
ISBN 978-4-10-429910-2

短編集。
本棚にならぶという短編があり、ぶつかった衝撃と同じだけの肉体が消失するという話でした。
腕ならまだマシだが、目を消失したら大変だよな。と。
相変わらずの梨木香歩ワールドでした。

海うそ

昭和初期、地理学の研究者が九州の南にある遅島に行く。
自然豊かな遅島を旅する研究者は研究を完成させる事なく戦争が始まってしまい、50年後、再び遅島を訪れた研究者は、観光地へと生まれ変わろうとしている遅島の中で、海うそと呼ばれる蜃気楼を見た。
50年前と変わらず、海うそはそこにあったのだ。

『海うそ』
著者 梨木香歩
発行元 株式会社岩波書店
ISBN 978-4-00-022227-3

からくりからくさ

私が祖母から幼い頃にもらった市松人形のりかさんには、魂が宿っていた。祖母が亡くなり、49日を過ぎた頃、祖母の家で下宿を始めた私は、染織をする場所として最適な環境だと歓喜する一方で、祖母が生きている間は確かに意思の疎通が取れたりかさんが、植物人間のようになってしまったと感じる。
下宿に住みたいとやってきた他3名の女子学生は、りかさんに話しかける私を不思議だと思わず生活する。

リカちゃん人形がほしいと祖母にねだったら、市松人形が送られてきた。おばあちゃんってそんな感じだよなぁと笑いつつ、幼い頃大事にしていた人形を思い出した。話しかけて、まるで生きてるみたいに一緒に寝てもらったりしたよなぁ、と。
梨木香歩さん独特の、不思議な世界に誘われます。

『からくりからくさ』
著者 梨木香歩
発行元 株式会社新潮社
ISBN 4-10-429901-4

僕は、そして僕たちはどう生きるか

日本の徴兵制度に真っ向からではなく反対した男は、「僕は、そして僕たちはどう生きるか」と投げ掛けた。
大きな流れを前にした時、おかしいと思うのに逆らえず長いものに巻かれてしまった経験を持つ自分達は、違う考えを持つことを恐れず、また違う考えを持つ人を受け入れる場所でありたいという思い。

引っ越すのに今まで飼っていた鶏を学校の鶏舎で受け入れてもらうつもりが、解剖実験の材料とされてしまう。生物の勉強だと言われ捩じ込まれたが、自分が可愛がっていた鶏を目の前で解剖されるなんて、精神的苦痛を持っただろうなと思う。
正論の様に見せかけ丸め込むのは、大人も政府も変わらないんだと気づかされ、怖くなった。

『僕は、そして僕たちはどう生きるか』
著者 梨木香歩
発行元 株式会社理論社
ISBN 978-4-652-07979-9
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