『ジャイロスコープ』
著者 伊坂幸太郎
今までどこかに寄稿した短編をまとめたもの。
流行ってないスーパーの駐車場の一角で相談聞きます、や、新幹線の清掃など、懐かしく読んだ。
『陽気なギャングは3つ数えろ』
著者 伊坂幸太郎
陽気なギャングシリーズの3作目。
銀行強盗をした後、雪子の息子が働くホテルで女優を追う三流記者に、銀行強盗ではないかと疑われ、追われる成瀬達。
三流記者の借金をチャラにすると見せかけ、悪いやつには悪いやつをぶつけるあたりが、さすがだった。
「言葉には理屈と感情とかがくっついてくるからさ。素直にごめん、と言うべき箇所なのに、『俺がどうして頭を下げなければならないんだ』と思うと、言葉が変わってくる。だからうまくいかないんだ。言葉は、頭の中の上司の決裁をいくつももらった後でようやく外に出ていくようなものだからね。素直になれない」
久遠の言葉がずっしり来た。
やっぱり伊坂作品好きだなぁ。
住民が監視し合い通報する安全地区が回ってきた仙台。首都から派遣されてきた平和警察は、四ヶ月に一度市民の前で、危険だと判断した住民を処刑する。
この世には正義などない。市民の安全を守るはずの警察は、人の恨み妬みを元手に暴行を繰り返し、やってもいない罪をでっち上げ、殺していくのだから。
この状況で生き抜くか、もしくは火星にでも住むつもりかい?
警察官の、そして市民の感覚が麻痺する世界で、自分の顧客だけは守ろうと決めた理容師は、顧客の一人が盗んだ強力な磁石を武器に、平和警察と戦う。
『火星に住むつもりかい?』
著者
伊坂幸太郎
発行元 光文社
ISBN 978-4-334-92989-3
まるでないとは言えない世界。ホント、伊坂幸太郎は上手いですね。きっとこんな世界にはならないだろうに、必ずそうとは言いきれない。
昆虫の話が好きな頭のキレる捜査員・真壁鴻一郎の、警察官というより探偵のような立ち居振舞いと、理容師のお父さん、お祖父さんの正義に対する考え方から学ぶ理容師の姿勢。立場は違うけれど、考え方は同じような気がしました。
正義とはなんなのか?考えろ!
きっと伊坂幸太郎は常に、それを発信してるんでしょうね。
面白いというよりは、危機感を覚えた作品でした。
ブラフ
『Bluff 騙し合いの夜 ミステリー傑作選』
編集 日本推理作家協会
著者
伊坂幸太郎ほか
発行元 株式会社講談社
ISBN 978-4-06-277228-0
【検問】伊坂幸太郎
誰かが殺人を分業して行なう。凶器を何人もの誰かが運び、捨てる。完全なる分業で殺人をおかす新しい犯罪パターン。
私はその凶器をコンビニに捨てる役割だったが、コンビニに行く途中で、車に押し込まれ誘拐された。
しかしその車には、誘拐犯も身に覚えのない大金が乗っており、別件で検問をしていた警察官も、その大金が欲しいが為に、検問を通してしまう。
かくして誘拐犯は、女を解放して大金を山分けした。女は不倫相手がまさかここまでやるとは思わなかったと思いつつ、コンビニに凶器を捨てるのだった。
火星に移り住む人が増え、地球に残った人が少なくなった事で、地球温暖化の波が弱まった。
数年前、ロックなんて聞かない地球人に愛想が尽きた後藤は、バンド仲間を置いて火星へ旅立つ。後藤が帰ってくるまで誰かを新しく入れるでもなく待っていた二人は、後藤が帰って来ないのでは?と言い合いながらも待ち続ける。
そこに帰ってきた後藤は、火星でバンドのデモテープを持ってしてきたと言い、二人を迎えに来たのだった。
『実験4号 後藤を待ちながら』
著者
伊坂幸太郎
発行元 株式会社講談社
ISBN 978-4-06-214476-6