世襲が伝統の国王・冠人が治める国には、クーパーという大きな樹が襲ってくる危険があり、その為、国の男達の中から退治する者を毎年何名か決め、送り出してきた。
クーパーを倒したら、その男達はクーパーの主成分である水がかかり、透明人間になってしまうのだそうだ。
そしてその透明人間は、国にピンチが訪れた時に、光る石と共に助けてくれるのだ。
そんな伝説が残る村は、クーパーの退治により新たなクーパーが出現しないと冠人が知らせ、それ以来、クーパーを恐れることはなくなった。
偉大な国王・冠人の息子・酸人の横行があるまでは…。
冠人が不在の際、酸人は国民に暴力を働き、いちゃもんをつけては国民をいたぶり遊んでいた。
国民は冠人と比べ、酸人の馬鹿っぷりを嘆いていたが、そんな中、国の別の町の人間が闘い続けてきた敵国・鉄国との戦争の敗退により、冠人の国は鉄国の支配下に置かれることとなった。
心配し、動揺する国民を前に冠人は、抵抗しなければ大丈夫だと鉄国の国王と話はつけてきたと言うのだが、鉄国の兵士は冠人を撃ち殺してしまう。
鉄国の兵士達に怯える国民。
何とか鉄国の兵士を追い出そうとした国民と、それを見守る猫達の話。
『夜の国のクーパー』
著者
伊坂幸太郎
発行者 株式会社東京創元社
ISBN 978-4-488-02494-9
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。