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ヒポクラテスの誓い

単位の為、法医学教室に研修医として入った真琴は、死体フリークのキャシー准教授や、ミスター権威と呼ばれる光崎教授と共に、死体と向き合う事となる。今まで楽で綺麗な部署ばかりを渡り歩いてきた真琴は、光崎教授に全く相手にされず、見かねたキャシーは医学の父ヒポクラテスになぞり、患者を生者と死者で区別してはならないと説く。

酔い潰れて外で眠ってしまい死亡したと警察が判断した死体だったが、光崎教授は男の着ていた高級な服と、手に持っていたのであろう安価な酒を見て、事件性を主張し解剖する。初めての解剖に圧倒される真琴は、そこで警察が見落としていた、睡眠薬を盛られて殺されたという真実を導き出すのを目の当たりにする。

相変わらず真琴など虫けらの様に扱う光崎教授だったが、公開していない法医学教室の電話番号を調べ、父の無実を証明してほしいという9歳の少女に付き合ってこいと、真琴とキャシーを放り出す。
身内を交通事故で亡くして以来、慎重すぎるほど慎重な運転を心掛けている父が、自転車の女性を轢き殺したとして、警察に捕まっていた。解剖を警察がすると決めない限り、かかる費用は全て被害者持ちである。人手もお金も不足しているので、お金を費やし解剖したとしても、日本人の感情をおもんばかっているとは言えない状態での作業となると知っていた被害者遺族は反対したが、検視官の見立てを読んだ光崎教授は、Aiをすると嘘をついてまで解剖をする。その甲斐あり、女性は交通事故の前に病死しており、そのまま車の前に飛び出したので、ブレーキ痕がなかったのだとわかる。光崎教授の絶対的な見立てに驚く真琴は、法医学の一員として自分を捉えているのに驚く。

ボートレース中に事故死したレーサーについて、ボートが大破し事故の様子のビデオもあった事から、検視担当の医師は解剖せずに解剖した記録を作った。光崎教授の意向でまたもや派遣されたキャシーと真琴は、解剖の必要があるか判断に向かい、光崎教授が解剖すると、目に異変があった。
視力を失なう事を知ったレーサーは、レース中に事故死すれば退職金が跳ね、死亡保険金も満額出ると分かっていた為、自殺した疑いが出てきた。解剖したと偽装した医師は処罰される。

真琴はマイコプラズマ肺炎にかかってしまった親友を、見舞いついでに経過を見に通っていた。マイコプラズマ肺炎はペニシリンが効かず、普通の肺炎との見分けが付きにくい厄介な病気であり、親友がマイコプラズマ肺炎だと分かった頃には大分進行してしまっていた。
母子家庭で満足な収入とは言えない家庭環境では長期入院は難しく、自宅療養をしているのだが、中々改善しないまま年月だけが過ぎ、とうとう急変して亡くなってしまう。親友の死を前に悲壮感漂う真琴に光崎教授は、親友を解剖するから承諾をとってこいと言い、真琴は医師としてではなく反論してしまう。医師として考えられていないと判断された真琴は、光崎教授にはずされキャシーが承諾を取りに向かうが、日本人ではない彼女はこういう事にあまり向いてはいないようで、承諾をとれずに帰ってくる。
その後、キャシーや光崎教授の法医学に対する覚悟を知った真琴は、親友の家に向かい、そこでとっくに飲みきっているはずの薬を見つける。自分に関心を引き寄せる詐病・代理ミュンヒハウゼン症候群に、親友の母は当たるのではないかと考えたキャシーは警察に連絡し、火葬場に遺体が送られる前に抑える事が出来た。
解剖の結果、マイコプラズマ肺炎ではなかった事が分かるが、やはり代理ミュンヒハウゼン症候群の母により意図的に死期を早められていたのだ。

大学病院内で死亡した患者について、不審な点があると感じた真琴は光崎教授の様にアウトローなやり方で遺体から血液を抜き検査する。するとやっぱりおかしな点があり、光崎教授に解剖をしてみたいと伝える。
順番もセオリーも越えたやり方であり、警察と大学病院を巻き込んで揉めるが、光崎教授が警察に恩をうっていたお陰で解剖をする運びとなる。そして光崎教授は最近取り入れられた新薬が、組み合わせに寄っては死亡するリスクがある事を突き止める。

元々、単位が足りないからとやってきたはずの真琴は、津久場教授のスパイとしてやってきて、光崎教授の動向を逐一報告していた。津久場教授も使っていた新薬の危険性にいち早く気付いていた光崎教授は、確証を持てたら津久場教授に使用を止めるよう忠告するつもりだったのだ。
スパイであった事を白状した真琴は、光崎教授の元にまだおいてほしいと頼む。すると光崎教授は勝手にし給えと言い去っていくのだった。法医学の道に真琴が改めて進むのだろう、スッキリとした最後でした。

『ヒポクラテスの誓い』
著者 中山七里
発行元 祥伝社
ISBN 978-4-396-63467-4

5分で読める!ひと駅ストーリー 乗車編

『5分で読める!ひと駅ストーリー 乗車編』
編集 「このミステリーがすごい!」編集部
発行元 宝島社
ISBN 978-4-8002-0084-6

【海天警部の憂鬱】吉川英梨
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