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小夜しぐれ みをつくし料理帖

閉店間際のつる家に呑みに来た老婆は、値段が高すぎるとぼったくりのような言い方をして難癖をつけてきた。あまりの言い草にいきり立ち、老婆の前に立った種市は、元妻であると気付き殺気立つ。
日頃の温厚な好好爺とは一変する程の激しい怒りを持ち、包丁を老婆に突きつけようとする種市を見て、ふきちゃんは恐れを抱く。なんとか種市の隙をついて老婆が出ていくと、種市にも何か訳があるのだと察したご寮さんは、頑なな種市の心を開く。

元妻は幼いおつるを置いて、若い男と出ていき、それまでギャンブルばかりだった種市は心を入れ替え、おつるを精一杯育てていた。おつるが年頃になった頃、男に愛想を尽かされた元妻は、おつると暮らしたいと種市の前に現れた。反対する種市だったが、元妻のやつれた様子を見て放っておけないと一年だけ元妻と暮らすと決めたおつるは、元妻の元へ行ってしまう。
何ヶ月か経った頃、元妻に愛想を尽かしたはずの男がまた通うようになり、元妻はおつるの若さがそうさせるのだと憎くなる。おつる自身も元妻が自分に良い思いを抱いてはいないと気付き、ある日種市に、つる家に戻りたいと溢すが、まだ半年も経っていないと言い返してしまう。そんな矢先、元妻の男は借金のカタにおつるを売り飛ばしたというのだ。
探し回った種市の元に返ってきたのは、身を汚されるくらいならと、自ら命を絶ったおつるの亡骸だったのだ。元妻も男も、蜘蛛のこを散らすようにいなくなり、種市は一人、自らを責め続けていた。おつるが弱音を吐いたあの日、意地を張らずにつれ家へ連れ帰れば良かった、と。

『小夜しぐれ みをつくし料理帖』
著者 高田郁
発行元 株式会社角川春樹事務所
ISBN 978-4-7584-3528-4

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
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ふるさと銀河線

【お弁当ふたつ】
家族に黙ってハローワークに通っている事を知った妻は、夫と共にお弁当を食べる。二人でやっていこう、と。

【ふるさと銀河線】
演劇の才能がある妹を、そういった力を伸ばせる高校に行かせたい。
家族の暖かい思いやりの物語。

『ふるさと銀河線』
著者 高田郁
発行元 株式会社双葉社
ISBN 978-4-575-51630-2

今朝の春 みをつくし料理帖

源斉医師に嫁ぎたい美緒は、澪の元で包丁使いを習い、大奥に奉公に出ようとしていた。
商人の娘である美緒に箔をつけ、少しでも良い身分で嫁ぐという形が江戸ではあると知り驚く澪。

そんな時、つる家の周りをうろつく人が現れ、身なりの良い侍が美緒を見初めたのではないかと噂が立つ。
澪の元に包丁使いを習いに出たのも、全ては片想い中の源斉の為である美緒に、望まぬ縁談かとやきもきするつる家の一同。

小松原が落としていった腎臓の薬にもなる実だと知り、小松原の身体を案じる澪。どうにかしてこの実を食事としてとれないか考えていると、地方の出だという女性が扱い方を教えてくれるが、手間のかかるものだった。
それでもやり遂げ、女性に食べてもらうとまその女性は小松原の母で、母こそが腎臓を弱っていると聞く。いい歳なのに結婚しない息子が、どうやら心を砕いている女料理人がいると知り、偵察させていたのだ、と。

身分違いにおののく母と澪だったが、澪の気性には目を見張るものがあるとえらく気に入る母。だが、身分の壁はそう簡単には越えられないのだ。かくして美緒と澪と間違えた縁談もなくなり、大奥での奉公もなくなった美緒は安堵する。

『今朝の春 みをつくし料理帖』
著者 高田郁
発行元 株式会社角川春樹事務所
ISBN 978-4-7584-3502-4

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
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想い雲 みをつくし料理帖

出汁の研究の為、夫から貰った簪を買い戻してくれた種市。

食道楽の坂村堂が雇っている上方の料理人として紹介されたのは、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に江戸の店へ移った富三だった。
佐兵衛は吉原の遊女に入れあげ、店の金を持ち出した挙げ句、遊女を殺してしまって以来、行方不明なのだと富三から聞く。

ショックを受けたご寮さんは息子がそんな事をしでかしたとは信じられない。自分だけは息子を信じると言う。

『想い雲 みをつくし料理帖』
著者 高田郁
発行元 株式会社角川春樹事務所
ISBN 978-4-7584-3464-5

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
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花散らしの雨 みをつくし料理帖

澪のとろとろ茶碗蒸しが料理番付に載った事から、つる家の移転後も上手くいっていた。店が繁盛するにつれ、腰の悪い種市がお客さんの履物を出したりしまったりする様が、大変そうだと思う澪は、下足番を雇う事を進言する。かくしてつる家に両親を亡くし幼い弟と二人で生きていかねばならない奉公人・ふきを雇う。

新しいメニューを作ったが、つる家で提供する前に登龍楼で同じものがメニューとして並ぶという事が続く。ふきの仕業だと気付くが確証がないのと、奉公人がこのような大変な事をしでかすのは何かあるのではないかと考え、ふきに優しく接する。そんなつる家の面々の良心に触れたふきは、澪の料理の盗作を手伝う事は出来ぬと登龍楼に直談判するのだが…。

『花散らしの雨 みをつくし料理帖』
著者 高田郁
発行元 株式会社角川春樹事務所
ISBN 978-4-7584-3438-6

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでな以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
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