IT会社社長である父の財力で、不自由なく育った高校1年生の泳は、将来の夢どころか、なりたい大人像が周りにいないことを憂いていた。
父の影響で子供の頃から続けている趣味・サーフィンをしているうちに、仙人と呼ばれるおじさんから、アマゾンの河に良い波があると聞く。
興味を持ち、自分でアルバイトをしてお金を貯め、アマゾンに薬の研究に行っている親戚へとアポイントを取る。
泳の人生は動き始めた。
『大きな音が聞こえるか』
著者 坂木司
発行者 株式会社角川グループパブリッシング
ISBN 978-4-04-110344-9
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
「大人だと思ってた自分の、子供っぽいところとか、子供の中にある大人っぽさとか。そういうのってきっと、色んな年齢の人と接しないとわからないんじゃないかな」
「世の中、というか社会ってのは案外単純でさ。なりたいものややりたいことの近くにいて、それが好きだって言い続けてれば、かなりの確率でそれに関わることができるんだ」
「たくさん調べて勉強して、ご両親を説得して、声を上げ続けた。そうしたら、何かが変わったはずだ」
「頑張れよ」色々な人が、色々な形で俺の背中を押してくれた。また何かが、変わる。音を立てて、変わってゆく。
「これから何度も、こういうチャンスがある。乗り越えるべきものがくる。よけたり、いなしたり、そういうのをたくさん経験して、ひねくれて、すれていけばいいと思う」
父にそう言われて、泳はまた一つ大人になる。