雑誌『ダ・ヴィンチ』で月毎にテーマを決め、募集した短歌をまとめたもの。
好きだなぁと思った短歌を書き出してみる。

・ごめんなさい。絶対告白しないから。どうか近くに置いて下さい

・総務課の田中は夢をつかみ次第戻る予定となっております

・どの道を帰ってきたの全身に悲しみの匂いこびりついてる

・「髪切った?」じゃなく「髪切ったんだね」と自信をもって言えばいいのに

・あなたの目ずっと見ながら話すのは、瞳孔の大きさを測るため

・もう二度と人の食べ物を笑わないいちばん低いところから落ちる

人の食べ物を笑うことはその人の今まで全てを笑うことだと作者からのコメントあり。本人が幼い頃からそう言われてきたのか、それとも笑われて嫌な気持ちをしたのか。その背景がすごく気になる。

・唐突に話題変えるの癖ですか?それとも遠隔操作されてる?

・目を閉じた人から順に夏になる光の中で君に出会った
なんか素敵

・まっすぐにぶつかってきてくれるぶん雨は君よりやさしいものだ

・私まで好きになりそう眩しい娘慕うあなたの視線の先の


日本人だからか、短歌ってスッと心に入ってくる。素敵ですね。

『短歌ください』
著者 穂村弘
発行元 株式会社メディアファクトリー
ISBN 978-4-8401-3864-2