誕生日にだけ2時間おきに瞬間移動で双子が入れ替わる。
これは、暴力と理不尽に耐えながら闘い抜いた、ある双子の共闘の記録。
『フーガはユーガ』
著者 伊坂幸太郎
暴力で双子を支配する父親と、そんな父親から守りもせず無関心を貫く母親に育てられた双子の風雅と優雅は、ある日、誕生日の2時間おきに瞬間移動で入れ替わることに気がついた。
生きること、そして暴力から逃れることに精一杯で生きていた2人が、同じように両親と死に別れた少女が引き取られた叔父の家で酷い目に遭っていることを知り、少女を瞬間移動を利用して救う。
不用品回収の仕事をしていたおばさんの助けもあり成長した2人は、やがて、仙台市内で起こっていた子供の誘拐殺害事件の犯人を突き止める。
犯人を突き止め、逮捕させる代償として優雅は犯人に撃たれて殺され、風雅が優雅の人生事、二人一緒にやっていく。
伊坂幸太郎らしくない、切ないというか、読後感が重い話でしたが、それでも読んでよかった。
前に一度、伊坂幸太郎の新作だからと手に取り読み進めたが、あまりにも虐待の描写が酷く、途中で断念していたものだったから、読めてよかった。
今生かされていること。
そして、親に、周りに恵まれたこと。
様々なことに感謝したいと改めて思った。