ナツメさんが一人で経営する小さな骨董屋さんでアルバイトをする大学生の主人公は、ナツメさんが苦手とする取引先の天城さん宅に代理で行く様になり、ナツメさんが天城さんを苦手としている事もあり、決して天城さんを得意とする訳ではないが、ナツメさんが可哀相でそれからは主人公が天城さんの元へ遣いに出る事になっていた。
ある日、須永さんが気に入って買った皿を届ける前に主人公の不注意で割ってしまい、ナツメさんは天城さんの所に行って代わりの皿を貰って来る様に言う。「あの人が何か要求するかもしれませんが、決して言う事を聞いてはいけません」お礼は後日、ナツメさんが直接届けると伝えてくれと言われるがまま、主人公は釈然としないが天城さんの家へ向かう。
案の定、主人公にも家にあるヒーターを代わりに欲しいと言った天城さんに、主人公はナツメさんに黙ってヒーターを差し出す。そして須永さんの件は穏便に済むのだが、須永さんはナツメさんのお店にやって来て、嬉しくなかった訳じゃないけど、天城には気を付けろと言うのだ。天城さん本人も言っていたけれど、天城さんはどうやら近所の人からよく思われていないらしい。
ヒーターを返して欲しければ狐のお面を持って来いという天城さんの言葉に促され、主人公はナツメさんから貰った狐のお面を天城さんと物々交換する。その後、ナツメさんの両親が狐のお面をして不吉な死を遂げた事を知り、天城さんから狐のお面を返して貰うのだが、その交換で主人公の彼女の写真を取られてしまった。
何となく嫌な予感がして彼女に何気なく聞いてみると、最近、狐のお面をした男の人をよく見かけるというのだが…。
『きつねのはなし』
著者
森見登美彦
発行者 株式会社新潮社
ISBN 978-4-10-464502-2
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。