丘の上にある古い家は、殺人事件や自殺が過去に起きた場所で、それ故、幽霊屋敷などと近所では言われていた。
その幽霊屋敷に引っ越してきた小説家の彼女は、時たま、幽霊屋敷だと聞き付けたマニアが話を聞かせろと訪ねてきたり、お祓いや幽霊降臨に来られたりと、ロクな目にあわない。

幽霊屋敷を訪ねてきた彼を追い払わず対応する彼女に、彼は彼女の親戚が昔住んでいたと知るなり「何か聞いていないか」と何度も繰り返すばかりか、家の中を勝手に調べて回るのだ。
彼女の忠告を無視した彼は、空もすっかり暗くなった道を帰る途中で事故に遭うのだった。

街で悪餓鬼や愛されていない子供を誘拐しては、自分が仕えている旦那様の為、充分に食事を与え太らせてから料理してしまう女。

アップルパイが焼けるまでじゃがいもの皮を剥きながら殺し合った二人の女。

二階の窓から見える女。

一つ一つ、幽霊が屋敷に住むところから始まる短編集。

『私の家では何も起こらない』
著者 恩田陸
発行者 株式会社メディアファクトリー
ISBN 978-4-8401-3165-0

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。