強制的に有給を消化させられた針谷と尾形、入院中の木戸、そしてSROの者は息を殺すように過ごす事を強いられていた。FBIのような組織を目指して立てられたSROだったが、警察はまだまだ自分の島を荒らされるのを嫌う縦社会。ドクターを逮捕したきり、何の協力要請もないSROには、市民からの投書ばかりが寄せられており、少しずつそれを読むという当面の仕事が割り当てられていた。

投書より、下野東方病院で勤めていた看護師が、担当患者が亡くなった責任をとらされクビになったと書いてきた。どうしてほしいのか、何があったのか、詳しいことは何も書かれていない投書に興味を持ったSROは、看護協会に掛け合っても駄目だったという文章に着目し、看護協会へ向かう。

新米看護師を沢山雇い、育つ頃には肩たたきをすることで人件費を節約できているという下野東方病院では、通常よりも多くミスが起こっているだろうと看護協会の女性は話す。

投書してきた本人・浜田は、SROの誰かが病原菌を移した可能性はないかとの問いに、死の天使の事かと聞くのだった。

『SRO U 死の天使』
著者 富樫倫太郎
発行所 中央公論新社
ISBN 978-4-12-205427-1

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。