弘基が不良をやっていた頃、ひどく傷付けた元彼女・佳乃が、弘基を頼ってやってきた。追われているという佳乃を、安請け合いして招き入れた暮林と希美に呆れながらも、弘基は佳乃が何をしたのか、希美に言われて調べ始める。

結婚詐欺師となっていた元彼女・佳乃は、お金持ちだけを狙っていたが、両親が生活の為にと思いながらも手放せずにいたマンションを買い戻す為、焦って騙した相手は裏社会を成り上がった男だった。

「バレようがバレまいが、犯罪は犯罪だ。前科はつかなくても、人の恨みは溜まってくし、テメェの心だって歪んでくんだよ。人を踏みにじるってのは、そういう事なんだ。そんで踏みにじったもんに、いつか足を掬われるんだよ」

佳乃に本気だったストーカー脚本家の頼みで、弘基達は佳乃を助けにいくと決める。
そしてパン屋に佳乃だと偽って来た姉の綾乃と共に、佳乃を助け出した弘基は、佳乃を助けるため、結婚しても良いと言うが、佳乃も綾乃も、本当に弘基を好きだった訳ではないと気付く。

『真夜中のパン屋さん 午前0時の恋泥棒』
著者 大沼純子
発行元 株式会社ポプラ社
ISBN 978-4-591-12751-3