在りそうで無い、小さな不思議が大きく膨らんだ様な短編集。

「七階闘争」
一つの市で起こった事件、それは全て七階で起こったものだった。偶々と言えばそれまでの話だが、市長が七階を撤去する事を決定してしまったのだ。
ほどなくして七階に住む森崎の家にやって着た市役所職員の話によれば、七階に住む住人は同じマンションの他の階に空きがあればそちらに、空きがなければ同じ様な条件の部屋に引っ越してほしいというもので、勿論、その際にかかる費用は市が負担するといった話だった。
そう悪い話ではない様に思えたが、一先ず考えますと言い、森崎は同じ会社に勤めている並川さんも七階に住んでいた事を思い出し、並川さんの意見を尋ねたところ、彼女から手渡されたのは七階護持闘争と仰々しく書かれたチラシだったのだ…。

「七階闘争」他、三篇。

『廃墟建築士』
著者 三崎亜記
発行者 株式会社集英社
ISBN 978ー4ー08ー771273ー5

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。