近未来…もしくは異次元の現在、掃除というスポーツがあった。
それはかつて、戦争に用いられた武術ともいえるもので、長物と呼ばれる道具を使い、塵芥を掃除するのだ。
掃除は高校生しかスポーツとして認められず、それ以前も以後も、掃除をする事自体認められていない…完全に政府の管理下にあるスポーツだ。
祖父の真似事をして秘密に始めた掃除は、主人公・樹をいつしか虜にする。運動神経が良く、感性が豊かなライバル大介や、謎の後輩により、樹の掃除はレベルアップしていくのだが…。
掃除に隠された意味とは何なのか?
『コロヨシ!!』
著者 三崎亜記
発行者 株式会社角川書店
ISBN 978-4-04-8740142
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
非現実的な三崎ワールドに、相変わらずフラフラと迷い込んだ気分でした。
他の作品にも出てきた「西域」や「居留地」が、あーまた来た!という感じで懐かしかったです。
掃除のシーンが目に浮かぶ様なリアルさがありましたが、想像力不足か、いまいちイメージ出来なかったのが残念。アイスホッケー+剣道や舞踏みたいな感じでしか捉えられなかったんだけど、他の人はこれを読んでどんなイメージだったんだろう?
登場人物は高校二年生の割には子供っぽいと感じました。中学生の頃にある、周りは皆馬鹿だと思い込む浅はかさがある気がして…高校生くらいになると、もっと視野を広く持てる様になるものですが、一生懸命何かをする事をカッコ悪いと思ったり、人の言葉の裏ばかり読みたがったり…多分、作者さんがイメージしてる学生は幼いか経験がない子供が大人になってしまった様な少年なんだろうなと思いました。
お嬢様の幼なじみや、謎の多い美少女、何でもすんなりこなすライバル、自分が元々持っていた才能…なんか、漫画みたいでした。割りきれば楽しいんだろうけど、私は割りきれなかった。出来る人より出来ない人の方が世の中には多くて、そういう普通の人が一生懸命頑張る姿にこそ、強く惹かれるんじゃないかな…なんて、生意気にも考えてしまいました。
悪くなかったし、多分これが好きな人も沢山居ると思いますが、私は苦手でした。