母を亡くしたショックから不登校になった京子は、病気の猫を拾い、隣に住む野口さんに獣医を紹介してもらおうと訪ねる。
野口さんと仲良くなった京子は、野口さんの愛猫から名前をもらい、エリザベスと名付け可愛がる。
一方、百瀬の事務所に貼り紙をし続ける小学生・完太は、何か特別な事情があるようで…。
そんな中、京子の猫・エリザベスが誘拐されてしまう。
『猫弁と少女探偵』
著者 大山淳子
発行者 株式会社講談社
ISBN 978-4-06-218382-6
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
冒頭から、大福亜子と結婚しようと意気込む百瀬だったが、自分と結婚して幸せになるのだろうか?と悩み、亜子を怒らせてしまう。
そんな中、弁護士になり二見と共に事務所を立ち上げた透明人間こと沢村透明が挨拶に来る。
「先生が誰かを幸せにするんじゃなくて…先生といる人が、幸せになるんじゃないかな」
その言葉に背中を押された百瀬は、大福亜子がお見合いをすると聞き、財布も持たずに亜子の実家へ行き、映画『卒業』のように亜子を連れ去る。
猫は誘拐などされていなく、ただの帰巣本能で外に出ただけだった。
猫を探してくれた方には百万あげるというチラシを見て、誘拐を思いついた馬鹿が、誘拐犯のフリをしていた。
その馬鹿は百瀬の中学時代の美術教師・上安里先生の教え子で、上安里先生に500万の借金を追わせ、教師の職を辞さなければならなくなった馬鹿であった。
百瀬の弟だと名乗った次郎が人違いだとわかっていながらも、次郎を自宅に招き入れた。
盗聴器を仕掛けた次郎は、弟でもないのに「またね兄さん」と帰っていった。
次郎の気持ち悪いさをどう表現すれば良いのか迷います。
七重さんにより完太のSOSに気付けた百瀬は、完太を親族の家に引き取らせ、新しい道を歩ませる。それが正しいのか、いつも悩みながら。
大福亜子の同僚・寿晴美は、会社をクビになるが、大福亜子の同級生・赤坂とお見合いをし、大福亜子のことが好きであるという点と、結婚に夢を持っていないという共通点を元に、結婚を決める。
結婚へと歩き始める百瀬。
しかし、次郎が気になるところです。
残り一作で完結というだけあって、この四作目はいつものようにほっこり嬉しい気持ちになって終わる…感じとはちょっと違いました。残念。