明日町こんぺいとう商店街のあずかりやさんは、1日100円で何でも預かるお店。盲目の店主が細々と一人でやっており、お客との約束は二つだけ。
早く取りに来ても返金しないことと、日付までに取りに来ないと店主のものになるということだ。その昔は、随分と苦労したが、店の趣旨を貼った紙が無くなってからは、細々と何とかやっていた。
『あずかりやさん』
著者 大山淳子
発行所 株式会社ポプラ社
ISBN 978-4-591-13467-2
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
あずかりやさんの表にかかっているのれんや、商店街の自転車屋で店主から愛されているチャリ、そしてあずかりやさんの猫。
物を預かるということは、その人の想い出も預かるということ。盲目の店主に展示の本を作り持ってくる老婦人は昔、店主が預かりやさんを始めるきっかけを作った人だった。兄が預けたものを返してほしいという老婦人に、境遇を聞いた店主は、兄が預けたものとは別の、店主の母が貯めた金を兄からだと偽り渡してしまう。
PONTOONか何かで読んで、良いなぁと思った本でした。読んだのは、あずかりやさんの猫が、あずかりやさんについて語る回だったので、のれんが喋り出した時は思わず笑いました。大山さんらしい、誰も傷つけないお人好しばかりの小説でした。たまにはこういうのもいいかな。