六十五。
本日は定休日ですが。なんでか上司と一緒にデザートビュッフェ。恵比寿のウェスティンで。
上司はあれです。ちゃんとした方。

このちゃんとした方の上司。かなり人懐っこい分類に入るらしく。
入社当初から色々食事に誘われてはいた。
ただし、関東人だからなのか本人の気質からなのか。トクメーが『食事に誘われている』と認識するまで大分かかるほど分かりにくいお誘いでしたが。
…バイトの子が教えてくれたんですよ。それは食事に誘ってるつもりだと。

で。本日晴れて一緒に食事をすることになったわけですが。


恵比寿。トクメーは道に弱い…つーか。方向に弱い?
東西南北間違えて爆走することがよくあるので。事前に聞いたんですよ。

「恵比寿ってあの恵比寿ですよね。駅一個しかないですよね?」
「一個しかないはずだけど…。」
「品川みたいに、ちょっと離れたところに品川シーサイドとかあったりしませんね?」
「ないけど。」
「待ち合わせ改札ですよね?」
「うん。」
「改札って一個だけですか一個だけですよね東西南北四つも五つもあったりしませんね?!」
「ないよ一個だけだよ!!」

ってな感じで。


…しかし。分かる人にはこの時点で分かっているとは思いますが。
恵比寿には駅が二つある。東京メトロとJR。
マァ駅はよかったんだが。




てるてるてる…

ぷち。

「今どこですか。」
『恵比寿に着いたところだよ。』
「改札の傍に突っ立ってます。」
『えーっと…。今改札だけど。』
「え。見えませんか。本当に改札のわきなんですけど。」
『…まさか西口のほう?』


ちらりと上を見る。確かに西と書いてある。


「…東とか北とかあるんですか。」
『東口に居るんだー。』
「だからあれほど聞いたじゃないですか! 改札は一個だけかって!!」
『わっ、ごめん!』
「駅だって二つあるじゃないですか! 目の前に東京メトロって書いてますからね!?」
『ごめんってばー。』
「ケータイ持ってなきゃこの時点でアウトですからね分かってます? だから俺聞いたのに…っ!」
『あははー。ごめん。』
「吹き飛べ。何とは言わないが色々吹き飛べ。」



自衛手段事前に張ったってのに。上手く機能しないってどうすればいいわけ?



続きを読む